足立 真一のTriton Blog

株式投資の実践、グローバルな視点での投資戦略。
銘柄選択は、成長株、中・小型株、新興市場株にバイアスを置く。

”不安の壁を登る”、5月のウオール街

2014-05-31 08:21:27 | 株式

 

5月相場も終わったが、ウォール街では月初めに格言“Sell in May and go away”がメディアの解説では目立った。「5月に売却し株投資から離れる」という意味で、経験則から年間を通して「売り」のタイミングの時という格言である。5月が近づくと必ず顔を出す。

 

最近では20135月にはこの格言通りになった。

 しかし、ことしはNYダウ、S&P500が史上最高値を記録して終わった。先行きに株価の調整を見込む投資家が多く、その見方を逆手にとって5月は「相場は不安の壁を登る」という格言が正解であった。

 ウォール街の最近の動きをみていると大きく売られた人気株の復調が目立つ。アップル(AAPL)を先頭にネットフレックス(NFLX・ビデオの配信)、エレクトロニクス・アーツ(EA・ゲームソフト開発、グ)、グリーンマウンテン(GMCR・コーヒチ・メーカー)、トリップアドバイザー(TRIP・オンライン旅行関連)、サンデスク(SNDK・フラッシュメモリー)など、日本流にいえば仕手的な成長銘柄である。

 5月という季節要因」、「5年間連続高」というテクニカル面からの慎重論が相場を支配したが、しかし結果は大方の慎重論をはねのけ好調な5月になった。

 人気銘柄に注力してNY株をみていると底流には相場人気の強さが感じさせらえる。

 

同じことが東京市場にもいえる。

 昨日の相場の売買代金トップは新興市場のミクシィ(2121)で、ビッグ10にはガンホー・オンライン(3765)がはいった。これらの現象をみていると、個人投資家の投機資金は健在だし、ほかの大商い銘柄はソフトバンク(9984)、トヨタ自(7203)、KDDI(9433),野村H(8604)で機関投資家や外人の間での人気株である。

 

これらの動きをみていると6月相場高への期待は膨らむ。

 


NY株、警戒感のなか新高値

2014-05-30 06:59:25 | 株式

 

NY株の新値更新が続く。水曜日は下落したが、昨日は押し目買いが入った。

 このような局面では警戒感が高まるのが普通だが、VIX(恐怖)指数は11.64と落ち着いているし、CNNMoneyFear&Greed(恐怖&貪欲)指数も441週間前の極端な恐怖31から揺り戻した。1年前の70(貪欲)にはほど遠い。

 GDP(第1四半期)が速報値+0.1%がから-1.0%とマイナスに転じた。本来なら相場にはマイナスに影響するところだが、ショックに至らなかったのは厳冬で生産が遅れ在庫の取り崩しがあったからだ。現状からすると第2四半期は+4%と大幅に回復するとみるのがコンセンサス。

 ただウォール街では20104~7月のS&P500-16%、20117~10月の-19%のような株価の調整を語る向きも多い。当時はいずれも連銀バーナンキ議長が金融政策の量的緩和を断行し、株価反転につながる政策を打ち出した。

 

リーマンショック後、株価が5年間に及ぶ上昇を続けたのは連銀の膨大な量的緩和策が原動力で、株価の下落が景気に影響を及ぼすようならイエーレン議長はバーナンキ前議長が実験し成功した政策を踏襲することは確実である。

 

昨日の東京市場の騰落指数は下落銘柄数が上昇銘柄数上回り97%で、この日に限れば過熱現象はみられず穏健な相場展開であった。ただ新興市場の銘柄が売買代金のビッグ10にはいるという異常な動きは続く。個人の投機資金の活発化がこの種の物色人気を先導している。

 

 

 


旧仕手銘柄にとって代わる新時代の銘柄

2014-05-29 07:23:23 | 株式

 

NY株は4連騰のあと小幅安になった。明日の第1四半期の米GDPの発表を控えて様子見ムードである。

 ここは調整した方が上昇トレンドにはプラスという余裕がウォール街にはみられる。

 最近、あまり議論されないのがVIX(恐怖)指数の動きだ。先行きの懸念材料が少なくなると数字が落ち着き市場の安心感につながる。昨日は11.64と史上最低値9.39の近辺にある。

 VIX指数からすると相場の現在のトレンドには大きな変化が出ないことを暗示している。

 

東京市場でも底値固めの感じを強くする。

 東京市場は昨日で5連騰だ。売買代金のビッグ5をみると日本エレクトロニクス(6871)、NF日経レバレッジ(1570)、日本通信(9424)、三井不動産(8801)、ソフトバンク(9984)であった。新興市場の銘柄が2銘柄も顔を出し現在の相場の特色の一端を示す。個人投資家の市場への復帰の動きが見えることだ。

 2012年末から始まったアベノミクス相場は新興市場で異常な上昇率を記録する銘柄がみられることだ。低コストで利便性の高いオンライン取引きの普及がプロの個人資金の市場への参入に力を貸し、相場の方向性を決める役割りを果たしてきた。好悪は別にしてこの種の人気は無視できない。以前なら平和不動産など代表的な仕手株が市場の牽引役になった。

 

昨日、大商いを記録した日本エレクトロニクスと日本通信は20131月の安値から、それぞれ5.6倍、15.6倍になった。このような人気株の中にはテンバーガー(10倍になる株)が散見され、20世紀の仕手株に取って替わった。市場では静かに新時代の到来が進んでいる。

 

ダイフク(6383)に再び注目をはじめた。決算内容から新しい成長株の候補とみたい。

 


NY株の4つの注目点・・・日米とも夏相場の始動

2014-05-28 07:40:16 | 株式

 

連休明けのNY株はS&P500が先頭を切り史上最高値で引けた。1900ポイント台乗せしたあと一段高になり相場全体の人気を引き上げた。

 2の注目点はバンク・オブ・アメリカ(BAC)が+3.4%と急騰し、アップル(AAPL)の上昇も相場全体の人気の引きたて役になった。アップルはヘッジファンドの組み入れトップの銘柄でその人気化が相場全体に与えるプラス効果は大きい。株価は2年ぶりの高値である。「米国を代表するミスターUSAは?」と問われたら、多くの投資家が一番に口にする名前である。往年のIBMにとって代わった。

 

3には最近、売られたハイテクの復活に注目。プライスライン・コム(PCLM,エキスペデア(EXPE,フェイスブック(FB)が買われた。この人気をみて最近、もっとも人気のあるヘッジファンドのデビッド・テッパー(アパルーザ・マネジメント)が3月末に大量取得したことを思い出した。

 

4にはヨーロッパ、日本、新興諸国の株価の復調が目立つことだ。世界の株価の悪材料であった地政学リスクの落ち着きが一因である。

 この一連の動きをみていると春に波乱した世界の株価も、恒例の夏相場に向かって始動し始めた感じがする。

 

東京市場も日経平均の14000円割れを食い止め、世界の株高の流れのなかに仲間いりした。日銀の膨大な資金供給に注目する外人投資家の復活がみられる。

 特にアベノミクス相場の人気をけん引したソフトバンク(9984)の復調が、相場の人気を盛り上げる。

 タダノ(6395)の復活に注目したい。今回の決算発表では成長の軸足を海外に移し成長軌道にはいった。

 


日本のフェイスブックがヘッジファンドを窮地に

2014-05-27 08:13:01 | 株式

 

昨日のNY市場は祭日メモリアル・ディで休場。

 アジア、ヨーロッパの株式市場は上昇し、久しぶりに東京市場が牽引役になった。

 

市場では売買代金の5位までにミクシィ(2121)、アイフル(5815)、日本通信(9424)が顔を出した。

 ウォール街の金融・証券のメディアMarketWatchには「日本のフェイスブックがGS(ゴルドマン・サックス)に勝った理由」と題して、週末の日経新聞の記事を伝えた。

 

日本のフェイスブックというのはミクシィのことで、今回の株価の上昇局面でヘッジファンドがショート(空売り)して失敗していることを報道した。ミクシィは2006年にSNS分野での旗手として公開したが、グーぐル、フェイスブックが開いたようなビジネスの人気には乗れず苦闘してきたが、ようやくモバイル向けゲームの「モンスターストライク」で大ヒットを飛ばし業績が急上昇し、株価が暴騰を始めた。

 

ガンホー・オンライン(3765)が「バズドラ」の人気で利益の90%を稼ぎ、株価が2008年の安値から181倍に大化したことを、MarketWatchはミクシィ人気に当てはめている。モバイル向けゲームの世界はこれまでの家庭用ゲームとは大きく異なり、成功した場合の成果がとてつもなく大きいことに注目している。

 先週来の東京市場の回復は、このような一連の株価の人気が口火を切ったが、個人投資家のエネルギーが火をつけた。個人資金の力を高速回転売買(HFT)が増幅させる威力は相場の流れの中では見逃せない存在になってきた。