レオン・クーパーマンといえば、ヘッジヘッジファンドのオールド・ファンには懐かしい名前である。
1970年代にゴールドマン・サックスのストラティジストの地位を離れ「オメガ・ファンド」というヘッジファンドを立ち上げた。
当時はジョージ・ソロス、ジュリアン・ロバートソンと並んでヘッジファンド業界の超タレントであった。
1990年代~2000年代はじめには、そのヘッジファンドから多くの有能な運用者が巣立っていき、現在のヘッジファンド業界を作り上げるのに大きく寄与した。
ソロス、ロバートソン、クーパーマンは、部下たちが独立するにつけて資金面で援助してきた。自分の財産を、若い運用者たちに運用を委ねた。
クーパーマンは事実上、第一線から引いたとみていたが、いまなお現役で活躍している。
“連銀と政府が資金の供給を行い、しかも選挙時であり、株価の価値が、自分の経験からしても債券に比べてとてつもなく安い。こんなときはチャンスである。これまでから何回となく、同じようなサイクルを経過してきた。今回は過去とは異なるという投資家は少ない。1970年のペンセントラル破綻(鉄道会社)のときも、問題にだけ注目して、相場が底であるという議論はなかった」と語っている。
「今の株式市場は、子供をキャンディー・ショップに連れて行ったときのようなものだ」。
彼にしては、どれをみても欲しいものばかりである。
百戦錬磨の大物運用者の話である。あまりにも「投資したい株ばかり」として全力投球しているようだ。
(この記事は今週の米バロンズ誌の対談記事からアイディアを借りた)。