今週の米連銀の利下げと声明文の厳しい現状の認識にマイナスの反応を示したNY市場も、昨日は反発した。
第3四半期のGDPの速報値のマイナス幅(‐0.3%)が事前の予想の‐0.5%より低かったことも好感された。
また、この日から連銀が企業の資金繰りを助けるためにCP(コマーシャル・ペーパー)の買い入れを始めたが金額は1450億ドル(14兆円)と大規模で、信用市場の不安は一段と緩和された。
水曜日の連銀のFOMC後、メンバーとして初めて講演したサンフランシスコ連銀のイェーレン総裁は「景気が悪化するならゼロ金利も辞さない」と語り注目された。クリントン政権下ではCEA委員長を務めた実力者である。
本日はバーナンキ議長の講演がある。
株式市場をみると、今週の月曜日の安値から日経平均は+26%、NYダウ平均は+12%と、東京市場の好調が目立つ。久しぶりのことで、上昇スピードは米国株の2倍になった。
この動きの、市場センチメントに与える効果は大きい。証券税制と定額給付金は注目できる。
政府の久しぶりに腰の入った景気対策と日銀の協調利下げで市場の雰囲気は急転した。
大幅な減益見通しを発表したハイテク、金融、海運などが大幅高になったのをみると、「企業業績の落ち込みは織り込んだ」感じである。
それに久しぶりに個人投資家の存在感が浮かび上がってきた。先週は個人投資家が3277億円の買い越しになり、信託銀行(年金)の2119億円を上回った。個人の存在感が浮かび上がった。
企業業績の悪化のなかで、円高にもめげず増益決算を出した企業群が注目される。
ソフトバンク(9984)、日本電産(6594)、任天堂(7974)などだ。戻り相場のリード役になる可能性が出てきた。