今週のバロンズ誌にはコウズウェイ・キャピタルの共同経営者S.ケットラーの「ヨーロッパと日本での割安株投資のチャンス」という主旨の対談が掲載された。運用資産3兆2000億円の運用会社で過去5年間の成果は+14.54%とモーニングスターのランキングのトップ10%のカテゴリーにはいる。
米国株については割安株が少なくなってきたが、ヨーロッパ、日本、エマージング市場での割安株探しに注力していると語っている。
日本株ではコマツ(6301)に注目する。米国での同業のキャタビラー(CAT)が過去1年間で32%上昇したが、コマツは4%(ドルベース)しか上がっていない。
これまで好調であった鉱山関連の機械で2012年の日本株の底入れ時には反騰相場のリード役になったが、しばらく反動局面を迎え株価は軟調になった。そのためPER14倍、ROE12%、配当利回り2.4%には魅力が出てきた。最近は南ア、中欧、中国、アジア、中東などで建設、鉱山機械が底入れし需要が出てきた。これら新興諸国の需要がコマツの業績の回復に貢献し始めるとみる。悪材料を織り込んだ現在の株価は米国株のキャタビラーの好調な株価からして、買い場とみて投資を始めた。
2012年末のアベノミクス相場の初期には人気株のリード役になったが、その後は低迷した。
最近の東京市場での新興市場などの投機人気に目を奪われてきた市場からすると、ここでのケットラーの視点は参考になる。コマツだけでなく日立建機(6305)の配当利回り2.4%にも注目できる。