足立 真一のTriton Blog

株式投資の実践、グローバルな視点での投資戦略。
銘柄選択は、成長株、中・小型株、新興市場株にバイアスを置く。

外人投資家の目・・割安銘柄を選ぶ視点

2014-06-30 07:42:47 | 株式

 今週のバロンズ誌にはコウズウェイ・キャピタルの共同経営者S.ケットラーの「ヨーロッパと日本での割安株投資のチャンス」という主旨の対談が掲載された。運用資産32000億円の運用会社で過去5年間の成果は+14.54%とモーニングスターのランキングのトップ10%のカテゴリーにはいる。

 米国株については割安株が少なくなってきたが、ヨーロッパ、日本、エマージング市場での割安株探しに注力していると語っている。

 

 日本株ではコマツ(6301)に注目する。米国での同業のキャタビラー(CAT)が過去1年間で32%上昇したが、コマツは4%(ドルベース)しか上がっていない。

 これまで好調であった鉱山関連の機械で2012年の日本株の底入れ時には反騰相場のリード役になったが、しばらく反動局面を迎え株価は軟調になった。そのためPER14倍、ROE12%、配当利回り2.4%には魅力が出てきた。最近は南ア、中欧、中国、アジア、中東などで建設、鉱山機械が底入れし需要が出てきた。これら新興諸国の需要がコマツの業績の回復に貢献し始めるとみる。悪材料を織り込んだ現在の株価は米国株のキャタビラーの好調な株価からして、買い場とみて投資を始めた。

 2012年末のアベノミクス相場の初期には人気株のリード役になったが、その後は低迷した。

 最近の東京市場での新興市場などの投機人気に目を奪われてきた市場からすると、ここでのケットラーの視点は参考になる。コマツだけでなく日立建機(6305)の配当利回り2.4%にも注目できる。

 

 

 


新興市場銘柄の人気株をどうみる

2014-06-28 07:34:32 | 株式

 NY株はナスダック指数が反騰し14年ぶりの高値になり、ダウ平均、S&P500も小幅高。

 この日は個人信頼感指数が発表になったが82.5581.9)と上昇したのが好感された。住宅市場の改善がセンチメントに好影響を与えた。

 新規公開したゴ―プロ(GPRO)が初日の+30%に続いて、この日も+14%続伸した。ウェラブル・カメラでスキーヤーなどのスポーツには格好の機器。

NY株はダウ平均17000ドル、S&P5002000ポイントを前に足固めしている感じを強くする。

 

昨日の東京市場は最近の相場のけん引役であった新興市場の人気株であるミクシィ(2121)、CYBERDYNE(7779)が大幅安になり相場全体の人気を冷やした。

 しかしこの日、公開のメドピア(6095)がIPO価格の2.3倍で寄り、レアジョブ(6096)は買い気配で終わった。引き続き新規公開には熱い人気が続く。前者は医師向け情報提供(ネットを通じて)、後者はフイリピン人講師とスカイプ(無料通信)を利用してのライブで英会話学習のサービスを提供する。いずれも時代の流れにのるビジネスモデルである。

 最近の新興市場の人気株が一斉に大幅安だが、これで人気が終わることはない。単なる仕手人気でなく、成長性を買うというのが、これまでの仕手株とは大きな違いだ。

 人気のリード役のミクシィの人気ソフト「モンスト」のダウンロード数が900万人を超えた。大台を変える日数が縮ってきた。先輩挌のガンホー・オンライン(3765)の株価が544倍という歴史に残る大化けをした先例があり、その再現の夢を追う人気は続くだろう。

 


市場人気の拡散が続く

2014-06-27 06:18:30 | 株式

 NY株は小幅安。

 セントルイス連銀のブラード総裁が「利上げは来年第1四半期」とインタービユーで語ったことが相場に影響した。イェーレン連銀総裁が動くのは来年半ば以降という市場の見方に冷や水を浴びせた。

 相場は高値でもみ合っているときだけに、ブラード総裁の見方で相場は揺れた。しかし引けにかけて戻しした。

 この日の市場の注目点は話題のウェラブル・カメラのゴ―プロ(GPRO)の公開。フェイスブック、ツィツターいらいの人気。公開価格に対して一時は35%上回った。現在、市場で人気テーマのドロウン(drone・無人飛行機)などに搭載され新しい市場を開拓する。時価総額は30億ドル(3060億円)を超えるハイテク企業が誕生した。

 

東京市場ではテクニカル面での過熱が気にされる。騰落指数(25日移動平均)が149%と過熱サインの125%超を続ける。一方、乖離率(対25日移動平均)は+2.0%と過熱ラインの7%を大きく下回る。騰落指数の過熱化は上昇銘柄が広範囲に及んでいることを意味するが、乖離率の低位安定は日経平均の採用銘柄の上昇率が相対的に低いことだ。現在の相場の特徴だが市場への流入資金が効率よく相場を押し上げている。特に個人投資家やトレダーの関心は日経平均以外の銘柄に集中しているのが、今回の相場の特色である。昨日も売買代金ビッグ10にはアイフル、ミクシィ、日本通信、ケネディクスと小型株が4銘柄もはいった。この現象をどうみるかだが、資金が変動率の大きい銘柄に拡散している。

 


ウォール街のロボット関連

2014-06-26 06:09:32 | 株式

 NY株は3日目に反騰した。特に材料はなかったが、投資家の心理の中には「次は1万7000ドル台での動き」というコンセンサスが形成されている感じである。そのためには小休止したほうが健全という読み通りの動きか。

 昨日のハイライトは大手化学会社モンサント(MON)の自社株買いだ。100億ドル(1兆円)の大規模な金額で、株価は5%上昇した。時価総額が660億ドルなので、その15%に当たる。日本の基準からすると目を疑いたくなる数字である。このような企業の思い切った行動が現在の米国の株価形成の中には組みこまれている。経営者のガバナンスにひきつけられる。彼らの自社株買いの常識には発行株式の10%といった目標値がある。

 昨日のNHKテレビで医療用ロボットの特集があった。最近の株式市場でのテーマが社会的にも大きな関心を呼び始めた。

 同じような現象がロボットで先行する米国でも、市場でのテーマになってきた。こちらの方の関心のひとつはドローン(drone)だ。遠隔操作の飛行機で、いわゆる無人飛行機である。軍事用には米国が先行している分野で、民間向けにもさまざまなアイディアが出てきた。インターネットと組み合わせて流通面での利用などへの実用化が進んでいる。関連探しも盛んでロボットの部品に注目する投資家も多い。日本より現実的な視点である。ロボットを駆動させる電源が中心である。そのほかジャイロスコープが話題に上がっているがロボット駆動のコントロール関連。

 具体的にはインベンセンス(INVN)がある。株価が動き始めた。ハイテクのヘッジファンドには格好の材料である。

 


日米ともひと休み

2014-06-25 07:21:41 | 株式

 NYダウ平均は1万7000ドル台乗せを控え足踏み状況。

 ウォール街では「ここはスピード違反をしない方がよい」という見方で一致して見送り気分が高まった。足元の景気指標では消費の好調、住宅価格の上昇が伝えられたが反応はなかった。せっかくの上昇相場は大切にしたいという投資家の気持ちが現れた市場であった。

 

アベノノミクスの第3の矢が決まったが海外では大きな反応はなかった。ウォール街と同じように東京市場もテクニカル指標は過熱している。騰落指数(25日移動平均)は146%と過熱ゾーン(125%以上)にはいった。ただ日経平均の乖離率(25日移動平均)は+3.05%と過熱ソーンの+7.00%には達していない。やはり、ここは小休止したほうがよい。

 引き続き新興市場の銘柄が売買代金の上位に顔を出す。

 昨日、新規公開のフリークアウト(6094・マ)は買い気配で終わった。本日から現金の即日預託という規制が発動される。インターネット広告の効率化という新しいビジネスモデルだけに人気は高い。特にモバイル時代にはいりネット広告の市場が一段と拡大し、成長機会が広がってきたが、その先兵役を果たす。クラウド時代の落とし子であるだけに人気は高い。

 初値形成後は市場でのトレーディング銘柄の仲間いりをするだろう。