足立 真一のTriton Blog

株式投資の実践、グローバルな視点での投資戦略。
銘柄選択は、成長株、中・小型株、新興市場株にバイアスを置く。

平穏な週末

2008-11-29 17:00:19 | 株式

世界は感謝祭の休日ムードにはいったが、今週の週末は久しぶりに平穏な雰囲気である。NY株が、先週末から久しぶりの5連騰になった。

S&P500の週間の上昇率+12%は1974年以来の記録である。

第一次オイルショックから相場が反転に転じたときである。

相場の変動率が大きい昨今だけに、この種の数字にも投資家も「そうだったのか・・・」と、大きな感動はない。

それでもシティ・グループに投資している向きは、1121日の$3.77から昨日は$8.29まで短時日に2.2倍になったのだから、気分的には大きな安心感をもった。

市場の不安心理を駆り立てていた自動車株も反転した。

週末はGM+8.9%、フォードが+25%とそれぞれ上昇した。

来週火曜日にビッグ3は再建策を、政府に提出する。

GMが検討しているのはこれまでのブランドを減らし、コスト競争力をつけることだ。

オバマ新大統領は昨日、ラジオを通じて週間の声明演説を行った。

「アメリカ国民が金融危機を乗りきるためには、勤勉、技術革新、サービス、競争力が必要。政策や政府の援助だけでは無理だ」と、国民すべてが、政府と団結して危機を乗り切る必要なことを呼びかけた。

ケネディ大統領が就任したとき、政府に求めることよりも、国民は何ができるかを考えて欲しいと呼びかけと同じだ。

1960年代の「黄金の60年代」を築き上げたアメリカ精神の喚起である。

11月は東京市場がNY株のパフォーマンスを上回った。

月間では日経平均は‐0.8%、NYダウ平均は‐5.4%であった。


ヨーロッパ株は好調

2008-11-28 07:17:23 | 株式

米国市場は感謝祭で休場だが、ヨーロッパ株をはじめシカゴのGlobexでのNY株の夜間取引は堅調であった。感謝祭をはさむ1週間の相場は季節的にみても、好調なことが多く、その経験則が働いている。

今週の米バロンズ誌によると、先週はウォール街で半世紀ぶりという記録が出た。

S&P500の配当利回り3.79%が10年国債の金利3.20%を上回った。

普通は国債より配当利回りはたいが、株式相場の先行きに慎重な投資家の株離れを示す指標である。

いまひとつの注目点はここへきてヘッジファンドに解約の延期を決めるところが出てきた。破綻ではなく、解約の一時停止である。

ソロスの下で働いた運用者が設立したサテライト・アセットであるが、年初来35%下落したので、解約が殺到した。まあブルーベイ・アセットもパフォーマンスが年初来53%下落し、運用者が退任した。

12月末の解約の期限を迎えて、投資家の資金引き上げが目立ち、資金手当てに追われるところが出ていた。差したり解約延期という策で乗り切る。

最近は75社以上のヘッジファンドが解約のストップか、解散をした。

S&P500は年初来(1~10月)で33.2%下落した。ヘッジファンドの業界平均では1525%の範囲に収まっているところが大半で、ひところ懸念されたような、ヘッジファンド危機とは程遠い。大半の大手ファンドは解約資金を用意してある。年内についてヘッジファンド問題は起こらないとみる。

問題は次の解約期限の20093月末である。

資金の流出は、先行きの株価の動向にかかっている。


年末相場がくるのか?

2008-11-27 07:58:23 | 株式

ウォール街は休暇モードにはいった。

木曜日は休日、金曜日は半日立会い、そして週末を迎える。4連休をとるトレダーも多いし、期末の準備を終えたヘッジファンドの運用者も必要な手元資金は用意をした。

ショッピング・シーズン入りするが、過去10年間のシーズンの小売の伸びは最高が1999年の+8.3%、最低は2002年の+1.3%であった。

消費者心理がいかに株式相場に左右されてきたかがわかる。

1999年はITバブル相場のピーク、2002年は相場が大底いれしたときである。

今回はマイナスを予想する向きが多い。

ショッピング・センターもいつもの深夜開店ではなく、前日の10~11時に開店するところも出るという。

調査会社ストック・アルマナックによると、過去20年間の感謝祭をはさむ相場の動きは(水曜日~月曜日)は14回が上昇した。

なんとなくお祭り気分になる。

今週はS&P5005月以来の4連騰を記録した。

日曜日からのオバマ新大統領の主要閣僚の発表、シティの救済、8000億ドルに上る市場からの消費者関連商品の買い上げなど、一連の動きを相場は好感した。

オバマ新大統領のスピードを越す勢いでポールソン財務長官、バーナンキ議長も動いた。

われわれの関心事は年末相場にある。

9月末から日経平均は‐28%、NYダウ平均は‐20%と、2年分ぐらいを2ヵ月でそれぞれ大きく下落した。

これ以上の相場の崩壊は文字通り恐慌の到来である。

米国の動きに、麻生首相以下の政策当局は危機意識があるのかどうか、だれもが疑問に思う。

相場にはペントアップ(動反動)効果がある。短期の相場のリズムだが、それが現出するかどうか、NY株に注視したい。


米では週末がブラック・フライディ

2008-11-26 08:03:03 | 株式

今週のウォール街は木曜日が感謝祭で休場、金曜日の立会いは半日、そして週末の休日を迎える。

4連休をとるトレーダーも多い。

本格的なショッピングシーズン入りだ。

サブプライム・ローン問題で消費者の心理は冷え切っているようだ。世界最大のウォールマートでは、不況に備えて早くから対策をねってきたし、小売店によっては1品目購入すれば、さらにもう1品目無料で「おまけ」をつける商法をとるところも出てきている。

救いはガソリン価格の急落で、心配された顧客の出足は好調な状況になるだろうといわれている。

今週の金曜日は「ブラック・フライディ」という。

日ごろ赤字に苦しむ小売店でさえ、今週の金曜日は黒字になる。

話題を呼んでいるのは任天堂(7974)だ。昨年はWii本体が品不足で、予約チケットを出し、消費者の手に届くのは年越しになったほどであったが、今年も品薄感は消えていない。ただ昨年と異なり、任天堂もこのシーズンに備えて在庫を増やしてきた。

今年の問題は人気ソフト「Wii Fit」である。日本では人気がピークを越えたが、米国では今年は一段と人気が過熱している。

アマゾン・コムのオークションでは定価$90(9000)の「Wii Fit」が、$140(14000)で取引されている。

欧米の家庭用ゲーム機器の市場は日本の7倍もあるだけに、いったん火がつくと人気の強さは格段の違いだ。

任天堂の米現地法人では「ことしの積み残した分は来年に期待」とみるが、ソフト開発のエレクトロニクス・アーツなどが新製品を投入する。

Wiiのアキレス腱はソフトの種類の少ない点にあったが、サードパーティが動き始めた。


2日間の上昇幅は史上最高・・・ウォール街

2008-11-25 07:53:54 | 株式

11月のウォール街は波乱の大きい相場展開が続いてきた。本来なら「魔の10月」を経過すると、相場は安定期にはいり、新年に向けて期待感が高まるのが、これまでの経験則が、今年は働かなかった。

11月に入ってからの先週木曜日までは、異例な波乱の相場展開が続き、192911月以来の不安相場が続いてきた。

ただ先週末と週明けの2日間は、株価が大幅に反発、この間の上昇幅は史上最高を記録した。

特に月曜日は9月のリーマン・ブラザーズ破綻いらい、いつも相場の悪役になってきた金融株が相場をリードしたのは、久しぶりのことであった。

シティグループが+58%、JPモルガン、バンク・オブ・アメリカが各+21%となり、S&P500採用の金融株指数は+19%であった。

それに、エネルギーをはじめ国際商品関連も上がり、人気はハイテク株にまで波及した。

先週末にオバマ新大統領が新財務長官にNY連銀総裁のガイトナーを指名したことに加えて、クリントン政権下で実績を上げたサマーズ(ハーバード大学長)を国家経済会議々長に取り入れた。

この人気にポールソン財務長官も動いた。

市場では破綻しそうな株価をつけていたシティグループの救済に動いたことだ。

その資産3000億ドル(29兆円)を保証するという、異例の救援策だ。ビッグサプライズである。

米国の金融危機に対しての対応のスピード感を見せ付けられた。

危機に対しては超党派で動くというシステムの強さに感心させられる。