足立 真一のTriton Blog

株式投資の実践、グローバルな視点での投資戦略。
銘柄選択は、成長株、中・小型株、新興市場株にバイアスを置く。

中・小型株の人気

2006-03-31 19:31:54 | 株式

ウォール街でも「今年は大型株が有利」という見方が、年初には多かった。金融の引締め策が続き、中、小型株には金利高がマイナスに働くという理由がひとつ。

いまひとつは1987年のNY株のクラッシュ以来、18年間にわたって休みなしに上昇をつづけてきただけに、大型株フアンにとっては「もういいだろう」という自己主張と願望からである。年初の米バロンズ誌の座談会でも「今年は大型株の時代」で意見は一致した。

しかし中、小型株指数であるラッセル2000の上昇トレンドはとまらず、最近も新高値を更新を続けている。

大型株フアンは大きな資金を運用するファンドマネジャーに多い。

トム・テリフォードというアメリカン・センチュリー・ニューオポチュニティーの運用者がいる。運用資産は2億7300万ドルである。コンセンサスの逆をいく投資戦略をとるのを得意とするが、中、小型株に注目する。

最近の注目株として3銘柄をあげているがチタニウム・メタルズ(TIE)、グリーンヒル(GHL),アフィリエィテッド・マネジャー・グループ(AMG)。

チタニウム・メタルズは金属チタンのメーカー、グリーンヒルは投資銀行サービス、アフィリエィテッドは投信や機関投資家に投資アドバイスをする。いずれも株価チャートをみればびっくりするようなパフォーマンスをしているが、それでも強気。彼の見方に勇気づけられる。


TOPIX1750ポイントの壁

2006-03-30 18:44:36 | 株式

相場は外人投資家が気にするTOPIX(東証株価指数)の1750ポイントに接近してきた。

本日のTOPIXの終値は1726.68ポイント。1989年に資産バブルのピークを打った東京市場は15年余を経たが、1991年以来、1993年、1994年、1996年、2000年と戻り相場があったが、いずれもTOPIX1750ポイント前後でピークを打ち、その抵抗線を越えることができなかった。

2003年春以来の上昇相場で「資産バブル崩壊の清算は終わった」という見方が有力になってきた昨今であるが、TOPIXのチャートをみるかぎりボックス圏は、いまだ抜けていない。

相場が1750ポイントを抜けて1800ポイントに接近するようなら、外人投資家の日本株を見る眼も大きく変化し、「日本経済の再生相場」という見方を確認、一段と日本のウエイトを高めることになるだろう。

日経新聞がタイミングよく「強さ増す日本経済」という特集を3月29日から始めた。読んでいてTOPIX1750ポイント抜けへの素地が、ファンダメンタル面でも整ってきた感じを強くする。手元にあれば1990年以来のTOPIXのチャートを見てもらいたい。


IPO市場の新顔をみる

2006-03-29 18:18:38 | 株式

4月陽春相場に向けてスタートした。皮肉なことに米連銀FOMCでの利上げがきっかけになった。

新興市場も息を吹き返してきた。今日の日経平均は+1.4%であったが、マザーズは+4.40%、ヘラクレスは+2.95%であった。個人投資家の健在ぶりと力がわかる。

先週末と今週に公開された銘柄は大物揃いであった。ベンチャー企業ではないだけに公開株式数が多く、新興市場への投資になれた投資家には多少の戸惑いがあった。

しかしチャンスでもあった。

28日のアトリウム(8993・JQ)はIPO価格8500円。寄りは9200円と穏健であった。「トリトンスクエア通信」では理論株価を22,000円とした。あくまでひとつの計算式だが、この株がベンチャー企業なら確実にその株価が実現する。クレディセゾン(8993)の子会社で小型株ではない。不動産流動化と再生というビジネス。それに不動産融資の保証という、ベンチャー企業にはできない魅力がある。

親会社のクレディセゾンは外人の持ち株比率が50%超でHOYA並みの人気株である。

アトリウムも外人投資家が狙うだろう。長期的にも魅力がある。安く寄ったのはチャンスであった。

本日の東洋炭素(5310)も長く経験しなかったカーボン関連株のIPOである。特にこの会社の魅力は既存のカーボン株のように景気変動の影響を受けることが少なく、高い技術力がある。同業とは差別化できる。ナノテウノロジー関連でもある。「トリトンスクエア通信」では8800円という理論株価を出した。

IPO市場に出る銘柄の幅が広がってきた。


新年度いりの戦略にヒント

2006-03-28 17:39:45 | 株式

金相場を追いかけて銀、プラチナ、パラジウムが動いている。なかでも、先週来、ウォール街で注目されているのは銀である。

銀相場が史上最高値をつけたのは1980年で$49.45であった。石油で成金になったハント兄弟が銀投機に乗り出し、世界的な仕手相場に発展した。ここ6ヵ月、銀相場に引きずられるように銀も上がってきたが、1980年当時と比べるとまだまだ大きな差がある。銀相場は金の52分の1である。1980年には17分の1に接近した。古代エジプトや中世ヨーロッパでは銀の方が金より高かった(27日の海外の銀相場は$10.90)。

銀は金と異なりおもに工業用などに使われる。実需がある。世界的な景気の回復に加えて、投機マネーの一部が流入を始めた。

昨日のウォール街ではニューモント・マイニング(NEM)が人気を集めた。

本日の東京市場でも非鉄が値上がりトップであった。非鉄株を調べると高収益会社に変貌してきている。新年度いりの戦略を立てる上でのヒントがある。


連銀が主役

2006-03-27 17:49:59 | 株式

世界の投資家の目はウォール街に集まる。

「連銀が株式市場の主役になる。同時に債券相場の反応が株価の方向性を決める」というのが専門家の一致した見方である。

シカゴ取引所の金利先物は100%の確率で0.25%の利上げを暗示している。問題は利上げ後の声明文に金利がどう反応するかである。特に逆イールド(長期金利が短期金利を下回る)という異常な状況の解消に向かうかどうか。長期金利の方が低いのは、先行き景気の減速を意味している。今回はそうでないという見方を投資家に与え、それの正常化に連銀が動くかどうか。

いまひとつ先週から原油価格が再び動意を見せている、週末は$64.26であった。

東京市場は明日は3月決算の権利、配当落ちである。29日からはすべてが新年度の売買になる。投資信託の大量の設定が続く。野村など4月は上限8000億円の大型ファンドを計画している。差し当たり1万7000円台に乗せることは確実だが、その後はウォール街が気になる。

28日のIPO(新規公開)は大型のアトリウム(8993)。親会社のクレディセゾン(8253)は外人投資家の人気が高い。