NY株のスクリーンの背景には利上げという文字が刻まれてきた。
連銀は目下のインフレ退治のために2018年以来の金融引き締めにはいった。新金融政策の幕開けである。
これまで金融緩和政策を支えに米国経済の景気は好調を続けてきた。そのなかで物価上昇が問題になり始め、政策当局は政策転換に追い込まれた。連銀の会合ごとに利下げが継続してきたが、アメリカ国民は低金利のなかで生活を続けてきた。本来はインフレに過敏な中央銀行であるが昼寝なれか、細かい金利の変動から目を外してきたような感があった。
ここへきて超低金利が経済システムに悪影響を及ぼす懸念が出て来た。世界の中央銀行がようやく重たい腰を上げたのには、低金利の弊害が大きく表面化しないまでの先手を打った。今回の利上げには反対論者はみられず、国民にとっても納得のいく政策転換である。
2022年以来、7回の利下げの弊害にこれから政策当局は立ち向かう。
現在の世界の株価は米国の政策転換にも反応なく安定している。米連銀の政策転換のタイミングの読みは見事であった。