足立 真一のTriton Blog

株式投資の実践、グローバルな視点での投資戦略。
銘柄選択は、成長株、中・小型株、新興市場株にバイアスを置く。

決算への反応は歴史的(NY株)

2010-04-30 07:45:40 | 株式

休日前の海外市場はギリシア問題や過熱感から先行きに不透明感があったが、昨日のNY株はその種の材料が払しょく、好調な企業業績の方に関心が移った。

「決算発表を素直に好感するのは歴史上でも数少ない反応だ」といわれるぐらい、決算の数字には敏感である。それというのも戦前の大恐慌に匹敵する苦難期を乗り切ってきた直後の米国企業の先行きに対しての自信を相場が織り込み始めた。

本日の日経新聞のトップ記事の楽天の「ネット通販・楽天、全国で即日配送」とニュースはサプライズだ。

ビジネスモデルは米国のアマゾンに類似はしていたが、自社での仕入れ商品の販売ではなく、ウェブ上でのサービス機能を小売業者に貸し付けて手数料をとるというビジネスモデルであった。それを、これからはリアルの世界の小売業に一歩近づく。

アマゾンが自社で電子書籍のキンドルを開発したように、楽天も独自の端末を開発して消費者の利便性を向上させ、アマゾンのビジネスモデルに接近する。このニュースは材料として評価できる。

PERはアマゾン61倍、楽天30倍、ROEはアマゾン23%、楽天26%である。問題は成長率の差であったが、先行き楽天の成長率が増加すれば、アマゾンの人気に接近する可能性が考えられる。

時価総額はアマゾンが6兆円、楽天は9500億円である。

中国の百度(BIDU)との提携も将来の成長要因である。株価は新興市場の復活の先導役を果たす可能性が出てきた。


米連銀の金融政策は不変

2010-04-29 09:15:17 | 株式

NY株は連銀FOMCの声明文にひと安心。

「雇用、住宅に回復はみられるが、インフレをもたらすほどの元気さではない」という趣旨の内容で当面の政策転換はないという見方が強まり、相場は反発した。

次のFOMC62223日まで長い空白期間が続くがバーナンキ議長は、世界の株式市場が依然として金融不安に敏感なことを注視している。

8月までは連銀の声明文には変化はない」

「来年半ばまでは利上げはない」

このような見方が出るウォール街だ。

火曜日の暴落はなんであったのか?好調な企業業績の発表で8週間にわたって上昇を続けたNYダウ平均であるが、相場の短期的な過熱に対しての反省人気である。

ただ相場の調整が始まれば5%内外の株価の下落を見込む向きも多く、このまま調整が終わったかどうかには確答ができないというのが、いまのウォール街である。

昨日、引け後、HPが業績不振に陥るパームの買収を発表した。好調なスマートフォン市場で製品の開発に遅れ、競争から脱落していた。HPが投じる金額は12億ドル(1100億円)。PC市場では世界最大の企業もアップルの好調を横目でみてはいない。本格的に乗り出す。

日本はこの分野で立ち遅れている。

今週27日のソフトバンクの決算発表では孫社長はiPhoneが業績に貢献したことを強調し、モバイル・イインターネット時代の到来を宣言した。

決算発表後、ソフトバンク(9984)の株価は下落した。「ユーストリーム」と「ツイッター」時代の到来に言及したのは、注目点。ソフトバンクの時代が来たように思う。

インターネットの進化を株式市場がこれから追いかけ始めるだろう。ネット関連の新成長株が出てくる。


相場は調整局面に戻る・・・ここでの戦略

2010-04-28 07:59:10 | 株式

NY株が暴落した。これまでダウ平均は8週間の連続上昇してきただけに、市場は調整を期待していた。今週の月曜日の米バロンズ誌の表紙にはブル(牛)が運転する自動車にベアー(熊)が正面衝突する挿絵が掲載された。

市場の心理状況を表すVIX(恐怖)指数が31%も急騰し22.81になった。2週間前には15.59まで低下していた。

VIX指数はことし2月上旬以来の数字に逆戻りした。

昨日の下落のきっかけはS&P社がギリシアの格付けを投資不適格に下げたことである。最近の相場の底流にある懸念材料であったが、この日はそれが表面化した。

しかし相場の調整の最大の材料は市場の過熱状況である。最近の米景気のファンダメンタルは好調だし、企業業績は事前の予想を大きく上回っている。

東京市場も昨日はファナック(6954)の決算のサプライズが調整場面を一転させたが、NY株の下落が調整のきっかけになるだろう。

銘柄によっては先週の高値から典型的な調整のコースを歩んでいた。もう一段の下落で買い場を提供するだろう。

今回の決算では、久しぶりに好材料にわれわれの時間が追いかけられるようになってきた。ここは決算分析をして銘柄の選択に時間を割きたい。

投資家はかねて買いチャンスを逃してきた銘柄の動きを注視すべき時である。


東京市場も桜が満開

2010-04-27 07:55:06 | 株式

東京市場では遅まきながら桜が満開。

今週から決算発表がはじまった。それに合わせて日経新聞の証券欄ではこれから発表する企業の大幅な増額修正が目白押しに顔を出す。銘柄を追いかけるのに時間が足りない、うれしい悲鳴だ。

本日の日経新聞の第一面に「業績・上方修正ラッシュ」という記事が掲載され日本電産、日立、東芝、キャノンなど大型企業の名前が並んだが、日本電産など今週のアナリストの強気レポートでさえ上回る数字が発表された。

ここ2年間、企業の減額修正に振り回されたが、180度転換した世の中になった。

日本企業の必死の生き残りの作戦が功を奏してきた上に、世界経済の回復への感応度が高くなってきた。

これで円相場がこのまま円安トレンドに向かうなら(向かうと思う)なら、日本のアジアでのプレゼンスは再び中国と経済面では真っ向からの勝負になる。

昨日は本欄でも再三とりあげてきたマクニカ(7631)が決算発表したが、大幅な増額修正で事前の予想を上回る数字であった。特にアジアでの拠点の展開に一足先に成功したことと、カーエレクトロニクス分野での好調が、業績回復のキーポイントになった。

昨日の東京市場では半導体関連商社に新高値が続出した。この分野の株価は出遅れている銘柄が多く、かつて、本欄で注目したパワービルダー関連のような人気になるだろう。

ウォール街でも好調な決算が続く。昨日現在ではS&P50034%が発表されたが、利益は+50%となっている。事前の予想は+35%。発表になった売上は+11%(事前の予想+9.1%)であるが、売上の増加に対しての利益の感応度が高いのが注目点だ。

世界的に景気は拡大のプロセスにはいった。


新興市場にも人気が戻る

2010-04-26 07:05:33 | 株式

先週は新興市場の活躍が目立った。

マザーズ市場の活躍が目立ち金曜日の売買代金が420億円と急増した。サイバーエージェント(6751)の売買代金が50%近くになったことにもよるが、それにしても市場に資金が還流し始めたことには注目したい。

ことしは日によっては売買代金が100億円を割り込んだ。

昨年3月に相場が大底入れして以来、日経平均は+54%、マザーズは+77%と新興市場が第1部市場を凌駕してきたが、20061月に大天井を打ち、マザーズ指数は10分の1にまで暴落したのだから、この程度の反動高は当たり前といえる。

しかし、売買代金の急増は明るいサインである。

ウォール街でも今回の反騰相場は中・小型株指数のラッセル2000NYダウ平均の上昇スピードを上回った。

新興市場の注目銘柄を「トリトンスクエア通信」では、これから増やしていく方針である。

ウォール街では先週の金曜日までS&P500の採用銘柄500のうち、172社が決算発表をしたが、公表のうち83%が事前の予想を上回った。相場が堅調なのは日々、好調な決算が個々の株価の材料になっているからである。

今週もこの人気が続くだろう。

東京市場でも決算発表が本格化する。

インテルの好決算で半導体関連への注目度を高め、エルピーダ(6665)、富士エレクトロニクス(9883)を取り上げたい。