足立 真一のTriton Blog

株式投資の実践、グローバルな視点での投資戦略。
銘柄選択は、成長株、中・小型株、新興市場株にバイアスを置く。

米経済の好況→世界で若い経済要因の現れ→企業業績の好転→トランプ大統領の柔軟性

2019-11-29 21:43:13 | 投資戦略
NY株は2019年の方向性を決める主な指数が歴史的な高値水準に突入し、2019年の相場は投資家を満足させる高値水準で終了しそうだ。
上昇相場を支えてきた要因は好調なファンダメンタル予想を上回る企業収益、連銀の連続の利下げが原動力になってきた。0.25%の利下げは3回にわたった。上昇相場の局面でも投資家は先行きに慎重な行動をとってきた。個人の資金は市場から流出、安全性の高い債券投資に向かった。
このような市場環境の中で楽観論が出てきた。それには次のような理由が上げられる。
①米国経済の継続的な好況。
最近の四半期の成長率は鈍化がみられる。景気後退の懸念は見られない。利回り曲線は右肩上がりである。
②世界経済でも若い筍の芽生えが見られ、ドル高が国際企業に追い風になってきた。投資家の若い筍のような成長が世界経済の成長率を押し上げる。
③米中間で貿易問題が出てきたが企業業績の好調が景気の上昇を支える。
④トランプ大統領は貿易の相手国との友好的な話し合いを継続する。
以上のような環境の中で米中間の貿易問題の話し合いが友好的に進みはじめた。
年初来、米中間での話し合いの行き詰まりの懸念が出たが、個別に友好的な解決が進んでいる。最も懸念されてきた米中間の問題も大きな衝突もなく、個々の問題が解決の道筋を作り上げることに成功している。
 景気の回復は順調に進み、株価の上昇トレンドに大きな貢献を続けてきた。企業間の競争も大きな問題に発展せず先に希望をもたせる。
 最近の世界的な株高は予想外で、株価を動かす大きな原動力になった。景気の落ち込みが和らぎ、次の上昇局面に向かって進行している。現在のような理想的なサイクルが、先行きの新しいサイクルを生み出す可能性が出てきた。

FOMOという強気投資家の見方

2019-11-27 16:22:53 | 投資戦略
ウォール街でFOMOということばが最近、目立つ。「the Fear Of Missing Out」を略したことばで、一群の銘柄にその名前が付けられたが、最近はFOMO銘柄の数がふえてきた。
言葉の意味は「取り残される不安」の頭文字を取った文字からきている。たとえば任天堂(7974)のような銘柄は多くの投資家の人気に支えられており、ここ数年は一貫して人気を集めてきた。最近は売買代金でNo1になることが多く、内外の投資家の人気に支えられてきた。
任天堂は典型的なFOMC銘柄である。任天堂のほかにはSMC(6275),キーエンス(6861)などが代表的な例である。
今回のNY株の上昇相場は2017年のトランプ大統領の人気とともに始まった。2011年を基点に始まった人気相場で、特にトランプ大統領が、その人気を支えてきた。
またキーエンス(6861)も人気を集め外人持ち株比率が60%と異常に高い。この2社は利益率が高く、株価の人気トレンドも似ている。
ほかにFOMO銘柄を上げるなら日本電産(6594)、ローム(6963)などがあげられる。
いままでのFOMO銘柄はかなり絞られてきたが、ごく最近は拡散する傾向が濃厚になってきた。2020年は大統領選挙の年である。トランプ人気が高くなれば来年の大統領選で銘柄の数が増える。
仲間にいれたいと本日、一案を考えたのはHOYA(7974)、ダイキン(8767)である。


米国株に個人の資金が目立ち始める

2019-11-26 17:24:06 | 投資戦略
最近のウォール街をみていると、JPモルガンを証券会社の代表的な存在とみるようになってきたことだ。
本日のウォールストリート・ジャーナル系のメデイアがJPモルガンの相場の見通しを紹介している。
見出しは「2020年まで強気相場が継続」という記事だ。
「米中間の通商問題の先行きに楽観的な見方が有力になってきた。トランプ大統領は両国間の話合いは先週にはヤマを超え、第一段階の交渉の決着が近い」と語ったことを紹介した。米中の首脳陣が貿易戦争を避けたいと一貫した本音をみせて始めたという、ウォールストリート紙の観測を掲載した。
これらの観測記事のトーンは、これまでの延長線上では一段と前向きの両国の貿易戦争の成り行きを伝えている。
この模様からJPモルガンでは「個人投資家の本年の姿勢は消極的で相場の上昇の頭を抑えてきた」とみているが、ようやく個人が動きはじめたことは2020年の相場には大きな材料である。
これまで相場の世界では個人も機関投資家も株式投資には距離を置き、資金は温存してきた。機関投資家も個人投資家も株式相場には一貫して慎重姿勢であった。
しかし2020年には機関投資家よりも個人投資家の資金流入に期待できるというのがJPモルガンの予想である。いまや証券会社のトップをいく、JPモルガンの強気見通しに個人は大歓迎。
金利低下が、個人投資家が蓄えてきた資金を株式相場が引き寄せているのは予想外の現象である。年末相場に光が一足早く点火された感じである。


ソロスの人気を肩がわり・・・・レイ・ダリオ(ブリッジ・ウォータ)

2019-11-25 16:09:56 | 投資戦略
かつてのジョージ・ソロスの人気を超えて、いまやヘッジファンドの世界でその存在観に大きな関心を集め始めているのがブリッジウォータ・アソシエーツである。
創業者の一人はレイ・ダリオだ。
その行動にはなやかさはないが、最近はウォール街でもその運用動向に大きな関心があつまっている。
先週末、ウォール・ストリートジャーナル紙は「ブリッジウォータ・アソシエーツが世界の株式市場で15億ドル(1500億円)空売りした」と報じた。
ブリッジウォータではすぐに否定、「市場の下げを予想して空売りしたという報道が出たが間違いだ」と打ち消した。
代表者のレイ・ダリオは「われわれが相場の下落を予見して売ったという報道が流れたが間違いだ」と語った。「先行きに弱気人気を駆り立てるためのウワサにすぎない」とコメント。
市場では最近、ブリッジウォータの動向に注目度が高まっており、特にレイ・ダリオがヘッジファンドの人気運用者の柱的な存在になってきた。
ウワサでは運用資産のわずか1%分を売り立てしただけだが、投資家はその運用に大きな関心を持つようになってきた。
ウワサを流したレポートでは「プットオプションを購入したが運用資産のわずか1%である。代表者のレイ・ダリオは「相場の先行きに弱気になったわけでない」と語っており、相場観には変はない」ことを強調した。
ただこれまで楽観的であった投資家が中立的な見方に転換しはじめたことには注目しなければならない。


10兆円超のヘッジファンドの誕生

2019-11-23 13:47:21 | 投資戦略
金曜日のNY株は109ドル高の2万7875ドルで引けた。1週間前のダウ平均は2万8000ドルであったので、週間では小幅安、高値圏での小動きであった。
NY株の先行きについては見方が分かれてきた。
市場ではいまや世界最大のヘッジファンドにのし上がったブリッジ・ウォータが相場観に弱気に転換し15億ドルのショートポジション(カラ売り)を仕掛けたことが話題になった。情報を伝えたのはウォールストリート・ジャーナル紙である。
特定の銘柄に集中してのショートポジションの増加で、米国株以外の銘柄も幅広くショートの対象にした。
ソロスの運用に仲間のヘッジファンドが行動を共にしたように、追随する運用者がふえてきた。それだけにときとして相場の方向性に影響を与えるケースがしばしば散見される。 
ブリッジ・ウォータを率いて有名な投資家になったレイ・ダリオは早速、「われわれが相場観から目先の下落を予見したと市場では解釈しているが、相場観と関係はない」とコメントした。
ファンドの代表者のレイ・ダリオにはソロスのようなカリスマ性は全く見られないが、最近は彼の相場観とファンド運用に関心を持つ向きが急増してきた。
今週も「弱気に転換した」というウワサが流れた。ブリッジ・ウォータでは「ショートをふやしただけでなく、ロングのポジションもふやしている。
 最近のレイ・ダリオの運用にウォール街の関心は高まってきた。ここ2~3年の資金の流入が目立ち、年初来の上昇率は+14.5%で投資家の関心は高まる一方である。第2のソロスやジュリアン・ロバートソンの誕生である。