世界の投資家の関心はギリシアからスペインに移った。
スペインの金融機関の危機が始まり、それがイタリア、ポルトガルに波及する懸念が表面化した。先に本欄で世界最大のヘッジファンドにのし上がったブリッジ・ウォーターの運用者レイ・ダリオの「30%の可能性でユーロ圏が挫折する可能性がある」という見方を紹介したが、彼が予想する2013年より早く事態の悪化は進んでいる。
最近、日本でも投資家の間で普及してきたVIX(恐怖)指数だが、昨日は24.14と今月初めの16.59から急上昇したが、リーマンショック時の40には程遠い。
しかし足元の動きにより敏感に反応するCNNMoneyの「Fear&Greed Index」は17と急低下した。この指数はVIX指数とは逆に市場での恐怖感が高まると下落するように設定されている。1ヵ月前には41であった。
昨日、海外で問題にされたのはリーマンショック時には積極的に国内の景気対策をとった中国が、今回は前向きに動かないことだ。同じことが米国の連銀にもいえる。
しかしユーロ圏での金融不安が、世界の株価に与える影響度は日増しに高まっている。
いまひとつ注目されるのはカナダ市場で取引されている「Canadian Black Swan ETF」の最近の動きである。発生の確率の少ない「Black Swan」に賭ける投資だが、リーマンショック時にはこの指数をベースに組成したヘッジファンドが10倍に値上がりした。
投資の世界では様々な運用手段が開発され、それが相場の人気に影響を与える時代になってきた。