足立 真一のTriton Blog

株式投資の実践、グローバルな視点での投資戦略。
銘柄選択は、成長株、中・小型株、新興市場株にバイアスを置く。

アジア、欧州株が堅調・・・円安に振れる 新しい成長株

2016-05-31 05:15:52 | 投資戦略
NY市場はメモリアル・ディで休場。この日からサマーシーズン入り。
昨日の日本株は久しぶりにアジア株の中で気を吐いた。
先週末のハーバード大での講演会で米連銀イエレン議長が利上げの近いことをほのめかしたが、市場の反応は前向き。彼女が若いころ教鞭をとった大学だ。
米景気回復の足取りが確なことを確認し、ドル、金相場が上昇、円相場は111円台に下落した。今週末には米雇用統計(5月)の発表があるが、米利上げの方向性を決めるだろう。6月23日の英国でのユーロ圏を離脱するかどうかの国民投票があるが、利上げがそのあとのFOMCで決断されるだろう。

ヨーロッパ株は独、仏、英が堅調でやはりイエレン議長の講演内容を前向きにとらえた。
円相場も米利上げ観測を反映して、NY市場では111.50円をつけた。
先週はウォール街でS&P500が50日移動平均を上回ったことを好感するストラティジストもみられたが、地固めが進んでいる。

東京市場ではヘルスケ関連の人気回復が本格化してきた。
これまでの牽引役はそーせいG(4565)と小野薬品(4528)であったが、小野薬品の人気にややかげりが見え、代わって日本新薬(4516)と塩野義製薬(4507)の勢いが出てきたことに注目。今後はそーせいGを加えたトリオ銘柄の人気がリード役になるだろう。この3本柱をみて医薬品株の動向を判断していきたい。
日本新薬は5月25日の「トリトンスクエア通信」で詳しく取り上げた。2016年3月期の見通しは慎重な同社が、めすらしく強気の予想を出したのは、成長路線が確認できたことだ。
日本ペイント(4612)に注目。バフェットが最近、米国の塗料株に再注目をはじめた。もともとこの業界には関心があったが、最近はデヂュポンから分社化した米塗料メーカーのアクサルタ(AXTA)に関心をもち、投資をはじめた。
このヒントから日本ペイントの業績の展開に注目。新しい成長株とみる。

NY株の新値更新の公算大

2016-05-30 04:57:11 | 投資戦略
月曜日はメモリアル・ディでの休場。今週は4日間の立会い。
材料としては木曜日の産油国OPECの会合、金曜日の連銀FOMCのイベントがある。
OPECでは大きなニュースはない模様だが、関心事は金曜日のFOMCだ。先週金曜日のハーバード大でイエレン議長が講演したが、利上げの決断は今週金曜日か、7月の27日のどちらかという印象であった。

市場が気にするのは6月23日の英国のEU問題の国民投票で、脱退か現状維持かの結果が決まる。仮に脱退の結論が出れば世界の株価は一時的には大きく下落することは間違いない。最近のNY株高はヨーロッパ株の堅調がプラス効果をもたらせてきた。
イエレン議長の選択は7月の決断という見方が有力である。
目先の市場の関心事はS&P500が史上最高値2130.82を更新するかどうかにある(週末は2099.06)。いったん新値を更新したあと調整のコースが考えられる。

当面の有望株は金融、エネルギー、ヘルケア、ハイテク、通信である。金融は連銀の利上げで貸付とコストの利幅が拡大して収益力の回復期待。エネルギーは原油価格の大幅な回復で業績の好転が目立つ。
ヘルケアはバイオ関連を中心に業績面での先行きの安心感を買う。ハイテク、通信は足元の業績好調でクラウドの普及が関連企業に新しいビジネスチャンスを生み出しはじめた。
ヘッファンドが集中投資をし始めたのはフエィスブックとアマゾンで、ハイテクのリード役にのしあがった。

東京市場では消費税の引き上げ延期が本決まりになったが、それにともない景気刺激策の第3弾の発動が見込まれる。「リーマンショック以来のリスクを抱える」と安倍首相が声を高めるが、投資家は冷めた感じである。引き続きNY株の動きが世界の株価に最大の影響力をもつ。

ヘルスケ関連の人気回復が本格化してきた。
これまで業種の牽引役はそーせいG(4565)と小野薬品(4528)であったが、小野薬品の人気にかげりが見え、代わって日本新薬(4516)と塩野義製薬(4507)の勢いが出てきたことに注目。今後はこの3銘柄の人気がリード役になる。この3本柱をみて医薬品株の動向を判断していきたい。
日本新薬は5月25日の「トリトンスクエア通信」で詳しく取り上げた。

武田薬品が動き出す

2016-05-28 07:13:50 | 投資戦略
注目された米連銀イエレン議長のハーバード大での講演会だが「利上げは1~2ヵ月以内」という表現であった。遅くとも7月のFOMCでの利上げが決定的になった。
市場はすでに織り込み済みで小幅高に終わった。
ウォール街でもっとも注目度の高いストラティジストのジム・ポールソン(ウェルズファーゴ)は「インフレと賃金の上昇が利上げにつながる」と従来の見方を繰り返し、「向こう数年はリセッションにならない」ことを強調した。S&P500は史上最高値2127ポイントを上回るのは時間の問題とした(昨日は2099ポイント)。
この日は引き続き金融、バイオ、ハイテクが好調であった。米国株に先行してアジア、ヨーロッパも上昇、世界的な株価の上昇の背景は出来上がった。ポールソンは「市場では慎重派が多い」のにも注目する。
週明け月曜日はメモリアル・ディでNY市場は休場である。

武田薬品(4502)がウォール街での話題の医薬品バリアント・ファーマシューティカルズ(VRX)にTOBを仕掛けていたのが明らかになった。
ウォール街では台風の目になった人気株で、株価が1年間で90%も暴落した。米国のヘルスケア関連の超人気株で過去10年間に27倍も値上がりした。
昨年、話題になったのは、空売り専門のヘッジファンドのシトロン・リサーチが「売り」推奨し、それが引き金で暴落した。同社の製品の価格政策に問題があると疑点を出した。
この株に強気していたのは人気ヘッジファンドのビル・アックマン(パーシング・スクエア)で、大株主であったが暴落の過程では株価の下支えを強引に実行し大損をした。
ソロスなら「間違いと知ったら退散する」ところだが、新世代のアックマンはこの銘柄に惚れ込んだ。経営トップを交代させ、新経営陣を送り込みアックマンも自身も社外取締役になった。失墜した企業のイメージの回復に全力を上げ企業のもつ新薬開発力に賭けた。暴落した株価は超割安とみる。
武田薬品が大手投資会社TPGと組んでの買収を申し込んだが会社側は拒否した。

注目したいのは武田薬品がようやく動き出したことだ。これまで世界戦略では後手に回わっていたが、遅まきながら世界での存在感を高める動きに出た。
ウォール街ではバイオ人気に底入れの兆しが出ている。これまで積極的な戦略に遅れをとった武田薬品の動きには注目される。




NY株は小休止だが底堅い・・・25年間で年率20.5%の銘柄

2016-05-27 06:26:35 | 投資戦略
中国、香港、インド、独、仏、英などアジア、ヨーロッパ株は上昇したが、強気人気はNY市場でストップした。
NY株は2日間の続伸のあと小休止。ダウ平均、S&P500は小幅安、ナスダック指数は小幅高。来週金曜日の米雇用統計を見極めたいという投資家が多い。
週末にはイエレン連銀議長の講演会があるが、発言が大きな注目点。利上げは6月~7月のどちらかに行われることは間違いない。相場の基調は強く押し目買い人気が優勢で、この日はナスダック市場が堅調。ハイテク人気が続く。

本日のMaeketWatch(ウォルストリート・ジャーナル紙のウェブ情報)に興味あるデータが掲載された。
米国株の過去25年間の投資収益率のランキングだ。
トップはロウズ(LOW)で年率+20.5%(過去5年間は年+29.1%)、住宅リフォーム・生活家電チエーン。第2位はラング(LANG)で年率+16.6%(同+20.1%)、サラダ・ドレッシング、ソースなどの調味料メーカー。第3位ははコルゲート・パーモリブ(CL)で年率+13.5%(同+13.3%)、石鹸・洗剤・日用品のメーカーである。株価のバフォーマンスはバフェットも脱帽する銘柄が散見される。ここに上げた3銘柄はいずれも消費関連銘柄である。米国のGDPの70%を占める屋台骨である。
銘柄選択の大きなヒントを与えてくれる。

2008年のリーマンショックの安値から最近の高値まで28倍になった株がある。
寿スピリッツ(2222)だ。鳥取県米子市が本社の製菓会社だが、最近の株価の人気はバイオ関連のそーせいG(4565)のように華やかでないが、今後も場合によればバイオ株並みの成長も期待できそうだ。
この株に注目したのは東京駅構内のショッピング・コーナでいつも行列ができている人気のお菓子があるので調べてみた。成長性に引き付けられた。行列は洋菓子「メープルマニア」で、これまでのお菓子にはみられない全くユニークな味覚がある。
この会社で注目されるのは2年前から経常利益率の20%を目標に上げてきたことだ。1年前は同9%になったが、20%にまでは道遠したが、2016年3月期には12.5%になった。目標にはまだまだだが、河越社長の経営力からは、最近は近いうちに実現するだろうという感じを持つようになった。株主は確信をもつ。バフェットの会社の一部を買うという投資の意味がよくわかる。

強気相場の地合が固まる

2016-05-26 07:21:58 | 投資戦略
アジアをはじめ欧米の株価も軒並み高。
この日は原油が急騰し7ヵ月ぶりの高値を記録した。米国での原油在庫の減少が材料。
前日、ドイツの景気指標の好調で買われたヨーロッパ株はこの日も買い人気が続き、NY株の上昇を先導した。
市場の雰囲気の転換を示すのは「米利上げは景気の先行きに安心感が出てきた証拠」と、金融政策の転換を前向きにとらえる向きも出る。物色は金融、ハイテク、ヘルスケア、通信、コンピュータ、石油、金鉱株である。
この日の金融株のリード役はゴールドマン・サックス(GS),JPモルガン(JPM)で米国を代表する金融株だ。相場の先行きを読む上では注目点のひとつ。
久しぶりに「日本、韓国、香港株の上昇も追い風で・・」といったコメントが世界の株高の説明に出てきた。これまで日本は世界の株価の弱気人気の代表格とみられてきた。

米国でのニュースレター発行の古参格デニス・ガートマンが先週末から強気に転換し「目先2週間の株価は上昇する」と、今回はヨーロッパ株の反騰に注目し、世界の株価に先導すると強気に転換した。ほかに米国の住宅市場の好調、商品相場の上昇に注目。
これまで慎重論を唱えてきたプロが強気に転換するケースが散見される。
ここ1年間の相場の足を引っ張った4悪はエネルギー、素材、ヘルスケア、金融であったが、目先は逆に相場のリード役に返り咲いてきた。

東京市場でこれまで人気株の主役であった新興市場の銘柄の下落が目立つ。東京市場での売買代金の上位に小型株が顔を出す人気から、主流株への回帰が出るだろう。ウォール街の人気からみて金融、ハイテク、ヘヘルスケア、通信が主役になるだろう。

伊勢志摩サミットが開幕。会議の舞台は志摩観光ホテル。かねて外国の友人から「日本のベストの観光地は?」と尋ねられると、かならず「志摩半島の賢島」と応えてきたが、日本が誇る観光地である。交通の便に問題があるが、真夏、しばしば訪れた土地だ。世界の人々の関心を呼ぶようになるだろう。