足立 真一のTriton Blog

株式投資の実践、グローバルな視点での投資戦略。
銘柄選択は、成長株、中・小型株、新興市場株にバイアスを置く。

日銀新総裁、本物の国際派の登場

2013-02-28 07:49:39 | 株式

NY株は続伸した。週初めイタリア選挙の結果をいや気し下落したが国債入札が好調であったのと、米議会でのバーナンキ議長の証言の内容を好感した。

リーマンショック前のNYダウ平均の高値1万4164ドルに何回か挑戦しながら実現しなかったが再びあと一歩のところへ来た。

別に史上最高値を意識すするわけでなく、相場の環境は景気の先行きに明るさが見えてきたばかりだ。バーナンキ議長のQE(量的緩和)政策が効を奏して消費者心理が好転し住宅市場の回復につながっている。

市場の焦点はマクロよりもミクロの企業業績に移っている。昨日は日本流にいえば100円ショップのダラーツリー(DLTR)が好決算で株価が急騰し、機関投資家やヘッジファンド好みの旅行商品のプライスライン・コム(PCLN)も大幅高になった。決算が予想を上回った。東京市場では一休(2450)に当たるがが、われわれの注目株には追い風である。

海外の投資家の関心事は日銀総裁候補の議会での承認にある。黒田新総裁の就任への期待感は強い。本物の国際派の登場で、週初めにはバーナンキ議長が議会証言で日銀の緩和策にエールを送った。ここは躊躇わず理論通りの政策を遂行することへの期待をこめた。

最近、取り上げた日本取引所グループ(8697)が昨日は急騰した。TOPIXに採用され日本株の新しい顔が生まれた。

かつては平和不動産(8803)が国内の投資家には日本株のシンボルであったが、今度は外人投資家にも通用する東京市場の顔が出現した。平和不動産のような人気も期待でき、この銘柄はファンダメンタルでも評価できるところが大きな違いである。

時代は動いている。


バーナンキ議長の議会証言「安部首相の政策は正しい」

2013-02-27 07:55:08 | 株式

バーナンキ米連議長の年2回の議会証言がはじまったが「QE(量的緩和策)の効果は明瞭で、その結果としてのリスクはコントロール可能だ」と述べ、株価は好感した。この日はバーンナンキ発言のほか住宅、個人信頼感指数などが予想を上回り、低迷していたハイテク株を中心に株価は大幅高になった。

特に日本の投資家にとっての注目点は「現状は通貨戦争ではない。日本の安倍首相の刺激策には賛同したい」と議員の質問に応えた。日本の金融政策がバーナンキ流に軸足を取ろうとしているが、その進行に賛同するという配慮がみられた。世界の中央銀行といわれる米連銀の役目を世界に向かって発信した。

昨日の東京市場は大幅安になったが1月に続いて好調な相場展開で、やや過熱感が出てきた。昨日の下落で日経平均の騰落指数の移動平均(25日)は104%と中旬の102%に近づいたし、同乖離率も+2.04%と安定している。先行きは業種別物色の循環買いに立ち戻るだろう。

日本取引所グループ(8697)の株価展開が好調だ。昨日は相場全体に逆行高した。

東証、大証が合併するときに生じた自己株17999900株を全株(発行株の25%)、消却すると発表した。随分と思い切った政策だが、日本株のシンボルとしての責務を投資家に果たす。同時に100株以上の株主に3000円のクオカードを配布することを決めた。株主優待制度のひとつとしている。

同社の業績は市場の出来高に左右される。最近は出来高が急増し第3四半期(10~12月)の平均売買代金(1日当たり)の1兆1900億円が、ことし1月は22000億円と倍増し2月もその基調が続いている。20133月期の業績は大幅に増額修正される。

株価が昨日は7000円台に乗せた。投資家が売買するのには最低70万円が要る。売買しやすいように配慮するのが日本取引所の責務である。自社株の消却は株式分割の布石でもある。

日本株の顔として着実に人気を高めているのに注目したい。


目先は押し目買い作戦

2013-02-26 07:49:47 | 株式

NY株は大幅安になった。

きっかけはイタリアの選挙である。現職のモンテ首相の緊縮政策が受け入れられるかどうかが、混沌としてきた。

いま一つは米国での月末に控えた財政支出の延長問題。期限が木曜日にくるが議会では結論が出ておらず懸念が再燃した。昨年末と同じようにぎりぎりで議会でまとまるだろう。

日本の次期の日銀総裁に黒田アジア開発銀行総裁が候補として浮上したが海外では好感する論調が多い。

東京市場での関心事は円相場の急反発で日本での94円か、らNY市場では91.77円。これまでのほぼ一本調子の円安に冷や水を浴びせた。

国会で新候補が承認されるまで、新しい政策については空白を迎え、短期的には円は現在の水準で方向感のない動きを繰り返すだろう。

昨日の日経平均は11662円と戻り高値になり、先行きの相場の見方について強気論も台頭してきた。日経新聞によると野村証券は年末の目標値を14500円と現在の水準より+24%高を打ち出した。りーマンショック直前の14489円(20086月)を上回るという目標値だが、実現すればNY株の水準にキャッチアップが出来るトレンドを取り戻す。

昨日の相場は出遅れ株へ人気が還流し大幅で高になったが、ショートカバー(買い戻し)も出た感じである。

目先の押し目では迷わず本欄で注目してきた銘柄の押し目買い作戦で行きたい。


日銀総裁候補の報道を好感する

2013-02-25 08:42:38 | 株式

日銀総裁の候補にADB(アジア開発銀行)の黒田総裁が政府案として明らかになった。

海外の評価は高くデフレファイターとして安部首相の積極的な景気対策を金融面で支える人物として伝えられている。

黒田ADB総裁はかねて日銀にはさらなる金融緩和政策として資産買い上げなどの選択肢のあることを主張してきた。また

財務官の時代には再三、為替相場にも介入し200211月には円相場が120円まで下落した。この時もドル相場は高すぎると行動を起こした。

小泉首相のときには内閣官房参与として政策に関与した。オックスフォード大で学んだ国際派で海外との人脈も多い。この点も白川日銀総裁とは大きく異なる。日本でも久しぶりに国際金融市場で顔の広い人物の登場が期待される。

海外メディアも早速、報道したが好意的な反応が多い。

本日の東京市場は黒田候補の報道を好感するだろう。

NY市場はバーナンキ連銀議長の半年に一回の議会証言が火、水曜日と行われる。市場にくすぶる金融緩和策の転換について、不安感を払しょくする発言が期待される。

商品市場では金相場への弱気が増えている。

19日に終わる1週間の金のオプションの残高が40%急減した。金相場の先行きへの関心が薄れていることを示す。特にヘッジファンドのコール(買い)のポジションの減少が目立つ。

金だけでなく砂糖、コーヒーなどの売買残も減少している。ドル、ユーロが安定し資金が証券などのリスク資産への還流が続いている。

証券、銀行、自動車などの主流株の押し目買いに注目したい。


ローム(6963)に注目をはじめたデビッド・ヘロー

2013-02-23 08:07:35 | 株式

NY株は2日間の続落後、昨日は反発しNYダウは14,000.57ドルで終わった。200710月の最高値14,164ドルに再挑戦の動きにはいった。

ゴールドマン・サックスのヘッジファンド725社を対象にした最近の調査で、昨年第4四半期に株式への強気が52%と2007年以来の高水準になった。昨年は慎重姿勢で年間の成果が+8%とS&P500+13%を下回っただけに、株式の比率を高めの出遅れを取り戻す。

そんななかでロング・オンリーのオークマーク・インターナショナルのデビッド・ヘローの2012年のパフォーマンスは年+29%と快進撃を続けた。

彼は20世紀初め(2000~2009年)の10年間の最高の運用者という栄誉をモーニングスターから受けたが、最近も他を圧する成績が続く。昨年末の運用資産は1兆円を超えた。

最近、彼は投資家に2012年の運用についての手紙を送ったが大和証券、トヨタ、ホンダ、キャノンなどの日本株への強気がパフォーマンスに貢献した一因にあげている。昨年10月の円相場の高値時にバロンズ主催の講演会で「日本株に魅力がある」と語ったのは神技であった。

株主への手紙には昨年第4四半期にはローム(6963)に投資したと書いている。来日して経営陣とも面談したようだが、東京市場では半導体から人気が全く離散していたときだし、いまでも先行きには慎重論が多い。そのような人気のなかでの注目で、昨年、人気が最低であった大和証券に投資した先見力が新しく投資しはじめた銘柄である。

手紙を読んでロームを調べ、われわれも彼に追随しはじめた。京都本社のロームにはこれまで数度,訪ねたことがある。