懸念された10月の世界の株式相場は、大きな波乱もなく終わった。
問題は日本株で円高に苦しみNY株高に追随できなかった。目下、発表中の中間決算は好調であるが、下半期については慎重な見通しが目立ち、市場では決算の数字への反応に継続性がなく、昨日の相場では新安値が400銘柄にものぼった。8月24日の361銘柄以来の高水準である。
来週の米連銀FOMCでの金融緩和策の内容を気にする。予想以上の緩和策が出れば米国での金利の下落で、円金利との差が縮小し円高に振れることを気にする。
今月初めから始まった日本企業の業績には経営者の先行きに対しての不透明感がにじみ出ており、それが株価の圧迫材料なっている。
個々の企業では下半期についても強気のところも散見される。しかし株価が人気付かないのは、相場全体への投資家の自信喪失でもある。
ウォール街では今週28日(木)に、いま話題のレアアース関連株のETF(Market Vectors Rare Earth/Strategic Metals ETF)が公開された。
銘柄はグローバル・ベースでオーストラリア23.9%、カナダ19.8%、米国18.8%、中国14.8%、日本11.1%、メキシコ4.4%、アイルランド4.0%、ブラジル3.2%である。これらの国から24銘柄が選ばれた。ビッグ10のなかには金属チタン株が含まれており、日本からは大阪チタニウム(5726)が入っている。
いまさわがれているのは中国が主産国であるネオジウム、セレニウムなどで、ここ2ヵ月間で価格は10倍以上になった。
金属チタンもこの種の戦略的な金属に選ばれた。
この種の商品を次から次へと生み出すウォール街のエネルギーには新ためて敬服させられる。