足立 真一のTriton Blog

株式投資の実践、グローバルな視点での投資戦略。
銘柄選択は、成長株、中・小型株、新興市場株にバイアスを置く。

レアアース関連のETFが登場・・・ウォール街の威力

2010-10-30 11:27:10 | 株式

懸念された10月の世界の株式相場は、大きな波乱もなく終わった。

問題は日本株で円高に苦しみNY株高に追随できなかった。目下、発表中の中間決算は好調であるが、下半期については慎重な見通しが目立ち、市場では決算の数字への反応に継続性がなく、昨日の相場では新安値が400銘柄にものぼった。824日の361銘柄以来の高水準である。

来週の米連銀FOMCでの金融緩和策の内容を気にする。予想以上の緩和策が出れば米国での金利の下落で、円金利との差が縮小し円高に振れることを気にする。

今月初めから始まった日本企業の業績には経営者の先行きに対しての不透明感がにじみ出ており、それが株価の圧迫材料なっている。

個々の企業では下半期についても強気のところも散見される。しかし株価が人気付かないのは、相場全体への投資家の自信喪失でもある。

ウォール街では今週28()に、いま話題のレアアース関連株のETFMarket Vectors Rare Earth/Strategic Metals ETF)が公開された。

銘柄はグローバル・ベースでオーストラリア23.9%、カナダ19.8%、米国18.8%、中国14.8%、日本11.1%、メキシコ4.4%、アイルランド4.0%、ブラジル3.2%である。これらの国から24銘柄が選ばれた。ビッグ10のなかには金属チタン株が含まれており、日本からは大阪チタニウム(5726)が入っている。

いまさわがれているのは中国が主産国であるネオジウム、セレニウムなどで、ここ2ヵ月間で価格は10倍以上になった。

金属チタンもこの種の戦略的な金属に選ばれた。

この種の商品を次から次へと生み出すウォール街のエネルギーには新ためて敬服させられる。


ソフトバンクの決算・・・アップルの成功の影響大

2010-10-29 07:40:26 | 株式

昨日のドル相場はNY市場で下落した。

来週の連銀FOMCでの金融緩和策の第2弾の額が1兆ドルを下回り5000億ドル規模になるという見方が出て、ドルが買われた。金利はそんなに下落しないという見方からだ。しかし昨日はドル相場の反騰がここ2日間、急激であったことで、下落した。いずれにしても来週は中間選挙、FOMCというビッグ・イベンツが控えているだけに投資家は動きにくい。

東京市場では決算発表が本格化してきた。

昨日はソフトバンク(9984)が発表したが、インターネットで同社の孫社長が決算についてライブ中継した。さすがインターネットの先駆者という自認がこの種の催しにも表れている。ネットさえあればだれでも視聴できる。2時間弱にわたる中継であった。最近の発表会はいつも初めに同社長が現在の状況を端的に表現してはじまる。今回は「順調」という一言であった。現在のモバイルの顧客を10年以内に倍増する方針を打ち出した。数年以内には営業利益ではNTTドコモを追い抜く。すでに中間期ではKDDIを引き離した。

決算ではアップルのスマート・フォンとスマートPCが業績のけん引役になったが、アップルの躍進をいち早く取り入れたのがモバイルビジネスの短期間での成功につながった。

日本でアップルの成功の影響度が直ぐに現れるビジネスモデルになった。

今回のプレゼンテーションではアップルの成功物語が日本にいながら実感できる内容であった。株式には新しい魅力が出てきた。


円安がNY市場でも進む

2010-10-28 08:03:24 | 株式

昨日のNY市場ではドル高が進んだ。

来週水曜日(3日)の連銀FOMCでの量的緩和第2弾(QE2)での市場からの証券買上げ額は、これまでの予想1~2兆ドルに比べてかなり低い数字になるという見方が浮上してきたからである。

ウォールトリート・ジャーナル紙は数百億ドルにとどまると報じた。

ウォール街ではバンク・オブ・アメリカが1兆ドル、ゴルドマン・サックスが2兆ドルという高い数字を出していた。

「デフレに陥らないためには手段を選ばない」という宣言を8月末にバーナンキ議長がしていらい、量的緩和策の金額については様々な数字が出てきた。

予定より金額が少なければ長期金利の下落は限定的になる。

債券投資のバフェットといわれるビル・グロス(ピムコの経営者)は「30年間にわたる債券の強気市場は終焉した」と自身のウェブ・サイトに書いた。

ドル相場はユーロ・ドル、円だけではなく対新興国の通貨に対しても上昇した。

ドル安は株高という人気が、このところ根付いていただけにウォール街にとっては好ましい動きではない。しかし株価はそれほど大きくは反応しなかった。

東京市場では決算よりも円相場の方に関心が移っている。好決算を発表しても人気に継続性がない。昨日の82円近い円安は株価には反応はなく、このまま円安トレンドが続くかどうかには疑心暗鬼である。


ドル高に傾く・・・NY市場

2010-10-27 07:47:21 | インポート

昨日のNY市場では久しぶりにドル相場が上昇した。英ポンド以外の通貨が対ドルで下落した。

来週の米中間選挙、連銀FOMCが株式相場の材料になるが、ドル相場にも転機が来るかどうかがわれわれの関心事である。

これまで発表されている米企業業績は事前の予想を上回る好決算である。また経営者の先行きにも自信の回復が読みとれる。

問題は連銀FOMCであるが、量的緩和政策の第2弾(QE2)の最大の関心事は連銀の市場からの資産の買い上げが5000億ドルか、1兆ドルになるのか。2008~2009年の金融危機時には17000億ドルの証券を市場から買い上げ、政府の財政赤字を補てんする役割も果たした。

バーナンキ議長は日本の失われた20年の失敗はすでに研究ずみで、政策を発動する以上はそれが最大の効果をもあらせることを狙い、消費者心理に影響を与える術を十分に心得ている。日銀が2000年以降に膨大な量的緩和を実行しながら、「異常な金融緩和」とゼロ金利について自らコメントしてせっかくの効果を帳消しにしたことを批判している。株式市場と金融市場が経済の要であることを意識して、政策の遂行を行ってきた。今回の政策発動は世界の株式市場にとってもプラスに働くだろう。

東京市場の関心事の一つは円相場であるが、いまのところ投機筋の円相場の80円割れへの攻撃を封じ込めている。

好調な決算が株価に反映するかどうかの今後の関心事である。

決算では今週の大阪チタニウムテクノロジーズ(5726)の発表に注目したい。


ドル安、NY株はことしの高値に顔合わせ

2010-10-26 08:08:37 | 株式

NYダウ平均は423日の本年の高値11,205ドルを一時は抜き、11,247ドル(引値11,164ドル)を付けた。

9月の中古住宅の販売が事前の予想を上回ったうえに、ドル安が相場の上昇に拍車をかけた。

週末のG20会合ではドル安については課題にはならず、市場参加者には安心感を与えた。

目下、発表中の第3四半期の業績は絶好調で既発表の86%が予想の上限の数字を達成している。ウォール街はドル安を満喫している。

この日の話題のひとつはインフレ連動型の国債の入札で落札価格の利回りが-0.55%と額面を割れたことだ。利子は消費者物価者物価指数をベースに支払われる。目先は連銀の金融緩和で流動性が増加し、やがてはインフレに結びつくという予想にもとづく。

国際商品市況や新興国株には追い風である。

この日はウォーレン・バフェットが投資部門の後継者としてヘッジファンド(キャスル・ポイント・キャピタル)のアンソニー・コウムをスカウトしたことが話題になった。当年39歳の若手野運用者で業界でも無名の存在で、ウォール街でも驚きの声があがる。

東京市場は昨日から中間決算の発表が始まった。

このところ日経新聞には連日、増額修正の記事が掲載されるが、足元の景況は鈍化しているとみる経営者も多い。

株価はこの種の見方を先に織り込む人気が強い。投資家心理の低迷が根強いからだ。