足立 真一のTriton Blog

株式投資の実践、グローバルな視点での投資戦略。
銘柄選択は、成長株、中・小型株、新興市場株にバイアスを置く。

ショックは軽微で済んだ・・・戻りは波乱だが

2007-02-28 17:26:05 | 株式

昨日の世界的な株安が東京市場を直撃した。

ウォール街で気にされているのは円高に振れたことで、キャリートレードの解消が出ることである。円資金を調達して、米国や収益性の高い新興市場に投資する運用が、逆流する懸念である。「円のキャリートレードは金利と円相場がカギをにぎる。しかし今回の円高程度では懸念の必要はない。日本の金利とドル金利の差があまりにも大きいからだ」(コーヘン&Coのアナリスト)というのが、今のところのコンセンサスである。

暴落を1987年10月のNY株のクラシュと結びつける向きもあるが、当時は-20%も下落した。今回のNYダウ平均は-3.29%である。特に10年国債の金利は前日の4.62%から4.51%に下がった。

シカゴ市場での金利先物市場では「8月までに連銀が利下げに踏み切る確率が62%に急上昇した。バーナンキ議長に対する市場の信頼感の現れである。

ヘッジファンドの投げのリスクが言われているが、逆であると思う。1998年のLTCM破綻を経験しているだけに、リスクコントロールを徹底しており、1.4兆ドル(170兆円)の資金のうち、ショート・ポジション(カラ売り)をとっている分がかなりみられる。

東京市場へのショックが-2.9%とNYダウよりも小さかったのは信用取引の売りポジションとヘッジファンドのショートの買い戻しがはいったからでもある。投げではこんなに大きな売買代金にはならない。本日の売買代金の4兆8000億円(ライブドア・ショック時は3兆9000億円)がこれを証明している。

この原稿を書いている現在、グローベックスのNY株は大幅に反発している。

これまでの経験則では今回のようなショックがあれば、しばらくは戻りは売られるのが普通であるが、これまでとは異なる動きが出るかどうか、今夜のNY株に注目したい。

それにしても東京市場の売買代金の4兆8000億円は市場のスケールの一大変化を示している。


目先、小休止か。

2007-02-27 18:16:37 | 株式
本日の売買代金は3兆5000億円と今月9日の3兆6000億円に次ぐ水準になった。 9日はSQ当日であったので、今日の3兆5000億円は事実上は本年最高水準である。 昨年の相場のピークは4月7日の日経平均1万7456円であったが、当時の日経平均の25日移動平均との乖離率は6.08%、同騰落指数は128%であったので、その水準からすると現在の相場は過熱とはいえない。 ただ問題は人気業種には極端な「は行性」がみられ、偏りがある。 相場にはしばしばみらfれる現象であるが、この現象をみていると、売買代金の高水準が気になるところである。 相場のリード役の鉄鋼、商社、海運、資源関連のPER(株価収益率)は平均よりはるかに低いので、これからも相場の主導権を握るとみるが、売買代金の高水準が目先、気になるところである。 それに引き換え中・小型株や新興市場は全く人気がない。 成長株フアンにとっては大きな欲求不満がつのるところである。 しかし相場には人気の循環現象がある。現在、売買高が少なく、見放されている銘柄にも必ず人気は回帰する。 目先は相場は小休止を必要としている。

ソフトバンクの動きをどうみる?

2007-02-26 18:48:24 | 株式

今日はソフトバンク(9984)の売買代金が先週末に引き続いて活況。相場のリード役をはたした。

2月8日の決算発表時にはアナリストの評価は冷めた見方が多かった。それが株価にも現れ信用取引の取り組みをみてもカラ売りが買いを上回り、連日の逆日歩であった。外資系には「売り推奨するとろが散見される。

ここへきて上昇に転じた背景は?

先週のウォール街では週間ではナスダック指数だけがプラスでダウ平均とS&P500マイナス。ナスダックは過去8日間の取引で6日が上昇するという、久しぶりに全体の動きに逆行した。

先週のバロンズ誌には“ついに到来ビデオ革命”という記事が掲載された。IPテレビの時代が来たという内容である。米国の通信会社は、この分野に積極的に投資を急ぎ、大きな収益源にしようとしている。

それに携帯電話によるネットでの画像の閲覧が本格化してくる。これまでは掛け声倒れの感があったが、デジタルTV時代がここへきて一機に花を咲かせそうな気配である。

ソフトバンクの価値をこれまでのNTT,KDDI,NTTドコモなどの評価の延長線上で考えたら間違う。ここに取り上げた通信会社はいずれも新時代入りの入り口に来ている。

そういった意味ではヤフー(4689)をもっているソフトバンクの価値は見直そうという動きが出てきたのではないか。


ミツミ電機の1月の受注をみる

2007-02-25 21:28:44 | 株式

ミツミ電機(6767)が2月初めに2007年3月期の業績の増額を発表した。

売上げ2610億円→2760億円、経常利益120億円→202億円、1株当り利益97円→155円である。増額の原動力になったのはゲーム機器の予想以上の好調であった。任天堂向けである。

先に公表した月間受注も1月は+42%と、電子部品メーカーの中ではずば抜けた数字になった。昨年第3四半期の受注が10月=+17%、11月=+26%、12月=+36%とうなぎのぼりに増加してきたが、今年の1月も伸びに加速度がかかってきた。ちょうど日東電工(6988)の2005年秋から2006年春までの状況と同じである。日東電工の株価は1万円台に乗せた。

ミツミ電機はこの調子でいくと2007年3月期の業績はさらに増額されるだろう。2008年3月期の1株当り利益は200円の大台に乗せる可能性も考えられる。

当面は電子部品株の中でも異色の存在として注目されるだろう。


任天堂の株価

2007-02-24 19:32:54 | 株式

任天堂(7974)が銀行等保有株式取得機構の保有株の売り出しを発表した。

ここ数日、株価は底入れ人気化していただけに今回の売り出しに株価はどう反応するるかにわれわれの関心がある。売り出し価格は3月5~8日に決まる。おそらく株価の変動の激しい銘柄だけに5日に決まるだろう。価格は時価の0.9~1.0の予定で需要によっては5日の引値という可能性が強い。

出遅れた機関投資家にとっては投資するチャンスでもある。会社は個人株主の比率を増やしたいという気持ちもあるようだが、それには別の手段も考えられる。株式分割である。これまで同社は値がさ株であっても、「頑な」と思えるぐらい株式分割を避けてきた。1991年の1対1.35の分割以来、16年間も分割を行っていない。現在は最低単位を投資するのに300万円超の資金がいる。「魅力はあるが値がさ過ぎて・・」という話をこれまでよく耳にした。

値がさといえばウォーレン・バフェットのバークシェア・ハザウェイの1株10万ドルという株価もウォール街にはある。100株購入するのに10億円以上が要る。ウォーレン・バフェットは頑固に分割は避けてきた。それでも人気は衰えない。

オーナの山内氏にも、この種の哲学があるのか?

あるいは今回の売出しをきっかけに株式分割を行い、個人投資家を呼び込む策に出るのか?

3月末か遅くとも4月上旬には再度の業績の増額修正が確実にある。今回の第3世代のゲーム機器がもたらす技術革命が同社の成長に大きな弾みをつけることは確実である。われわれの関心事は、2~3年以内に経常利益が現在の2倍以上の4000億円になるかどうかにある。ゲーム機器のもたらす革命はそれぐらいのパワーを持つとみる。

今回の売り出しは時価総額の1.4%なので株価のトレンドには基本的には影響はない。ファンダメンタルからすると一つのハズミになるだろう。