足立 真一のTriton Blog

株式投資の実践、グローバルな視点での投資戦略。
銘柄選択は、成長株、中・小型株、新興市場株にバイアスを置く。

NY株、「火曜日のマジック」生きる

2014-04-30 07:20:44 | 株式

 

NY株は続伸した。決算発表は予想に対してはまちまちだが、この日も“火曜日のマジック”が働きS&P5007連騰した。ことしは火曜日は高いというジンクスがみられ、ときとして途切れながらも、連騰記録を続けている。特定の目新しい材料はないが、投資家の心理は一種の魔術にかけられ、火曜日は高いというジンクスが実現するのか。

 

長期的には相場形成には合理性が存在するが、いまのころ火曜日高を説明する科学的な理由は見当たらない。

 

この日の相場の上昇を支えたのはウクライナ問題でのロシアへの制裁である。第一回目に比べ事前の予想ほど厳しくなかったことを好感した。

 

ソフトバンクの傘下にはいったスプリント(S)が決算発表した。損失が大きく縮小し、株価はその材料を好感して引け後+11%と急騰した。顧客のスマートフォンへの切り替えが順調に進展している。

 

目先の関心事は米連銀のFOMC後の政策へのコメント。今回はイエーレン議長の記者会見が行われない。ただ週末には講演会があり、それが事実上の記者会見になる。株価への積極的な講演を期値する向きが多い。

 

東京市場では飛び休中も好調な決算発表があり、連休明けの相場への影響が期待される。月曜日にはコロブラ(3668)の営業益6倍になった20143月中間期決算が発表になったが、引き続きSNSゲームが市場の人気テーマとして注目される。株価が調整局面にあっただけに好材料として反応するだろう。

 


医薬品業界にM&Aの波・・・いずれ東京市場でも・・・

2014-04-29 09:26:00 | 株式

NY株は反騰した。注目されたのは世界最大の製薬会社ファイザー(PFE)による英アストラ・ゼネカ(AZN)の買収の動きだ。現在の時価総額はファイザーが2045億ドル(21兆円)、アストラゼネカは971億ドル(10兆円)だ。ことし1月にもファイザーが動いた。当時は時価に30%のプレミアムを付けたが買収は成立しなかった。今回は1000億ドルというウワサが出ており、ファイザーの意欲は強い。現在の製薬業界は新製品の開発競争がし烈になり、特にがん治療薬の分野が年々、大きくなってきており、ファイザーでさえ他社の新薬開発の力を取りいれなければ、成長が停滞してしまうという懸念がつきまとう。いまひとつファイザー側の思惑は海外に積み立てた現預金を国内に還流すれば課税されるので、節税対策としても大型買収を狙う。

ファイザーの時価総額は2040億ドル(21兆円)、アストラゼネカは970億ドル(10兆円)で規模は半分である。いったん出した買収の矛先を収めず、いままで水面下では交渉が続いていたフシがる。

このM&Aをみて考えさせられるのは日本の製薬業界の現状である。トップの武田薬品(4502)でさえ時価総額は35000億円で、アストラゼネカの足元にも届かない。欧米の製薬会社が世界第2位の市場の日本を見過ごすことはなく、M&A時代がやってくるだろう。日本の製薬業界に残された材料である。歴史的にみて米英やドイツ、スイスに比べて製薬業界の再編成は国内にとどまってきた。新薬開発では大きな遅れをとっている。

今週は米国で連銀FOMC2930日に予定されている。市場では政策当局が方向感を失った株式相場にイエーレン議長がどうみているかに関心がでてきたが、ウォール街には連銀の政策判断に期待を寄せる声が出てきた。東京市場とは大きな違いである。


今週は5月相場入り・・・バロンズ誌の機関投資家アンケート

2014-04-28 06:48:35 | 株式

米バロンズ誌は機関投資家を対象に春秋に年2回の相場観のアナンケート調査を行ってきた。今週は春のアンケートの集計を発表した。3月末にEメールで回答を回収した。

相場観は強気が56%と昨秋の68%から減少した。

相場は天井圏とみるのは早すぎるというのが強気意見の大勢で、現在の上昇相場は減速しながらも来年までは続くとみる。

ただ物色対象は小型株から大型優良株に移行し、投資家は安定志向の投資態度をとる。

連銀が金利の引き上げに踏み切るのは2015年の第2四半期が28%、第3四半期が28%で両方を合わせると56%となり、来年半ばには金融政策の転換を予想している。

このアンケートは3月末にEメールで回答を収集したが、NYダウ平均は3月末が16,457ドルで先週末が16,361ドルであったので、今月の相場は現在の機関投資家の相場観を先に織り込んだとみられる。

バロンズ誌はアンケート結果をまとめて「慎重な強気姿勢」と表現している。

現在の相場の環境が1年前と異なるのは、当時は相場の天井についての関心は薄かったが、現在では20093月に大底をいれ5年の及ぶ上昇相場の終焉を機関投資家が気にし始めた。

結論としては連銀が利上げを始める時期が上昇相場のピークとみる投資家が増えてきている。

また日本株についてアンケートに1項目を加え回答を求めた。強気が48%、弱気が58%と強弱が弱気に傾いた。アベノミクス効果も株価には一巡とみるのが増えた。

これに対してヨーロッパ株は強気が78%、新興国市場は強気が53%であった。今後の国際投資の選択肢にヒントを示している。

今週のウォール街はマクロの材料が山積。2930日の連銀FOMC,金曜日(53日)の雇用統計である。連銀は資産買上げの縮小を決めるのが相場には織り込み済み。雇用統計では218000人の雇用増になり、雇用市場の回復の最低条件(月間20万人増)を充たす。

先週はNY株が大幅安(NYダウ140ドル安)であったが、日経平均のシカゴ先物への影響度は軽微であった。前月末比で日経平均は-3%、NYダウは-1.0%である。


ウクライナ問題に欧米の株価が反応

2014-04-26 08:44:53 | 株式

ウクライナ情勢がヨーロッパ市場に暗い影を再び落とし始め、それがウォール街にも波及した。ヨーロッパ諸国のロシアへの制裁でロシアが大きな打撃を受けるだけでなく、ドイツ経済など発動側にも悪影響として跳ね返ることを懸念した。

ウォール街では決算への反応はまちまちで、この日はアマゾン(AMZN)の第2四半期の営業利益がマイナスになる見通しや、バンク・オブ・アメリカ(BAC)への損害賠償金が株価に打撃を与えNYダウ平均が大幅安になった。

S&P500が先週来6連騰しあとだけに、市場では調整局面を予想する向きが多い。

東京市場は来週から飛び休にはいる。20143月期の決算発表は連休後に本格化するが、これまでの既発表の企業では消費税の引き上げのマイナスの影響を問題にする企業は少なく、金融緩和を背景にしたアベノミクス効果をテコにした景気の自律回復に賭ける経営者が増えてきた。

東京市場では業種やテーマでの相場から、個別物色の相場の色彩が一段と強まり、新しい人気銘柄が出てくるだろう。

NY市場での中国ネット企業アリババのIPO人気がインターネット関連に波及するだろう。


ウォール街のハイテク人気

2014-04-25 07:50:30 | 株式

 

ウォール街では前日来の好調な決算発表に反応してナスダック指数、S&P500は上昇したが、ダウ平均は変わらずで終わった。

 決算発表でのハイライトはアップル(AAPL)、フエィスブック(FB)、マイクロソフと(MSFT)で予想を上回る数字に株価は反応した。また中国ネット株のバイドゥ(BIDU)も第1四半期の利益が+59%になり人気化した。中国での検索エンジンのリーダーである。

 決算発表で市場人気のリード役になったのはハイテク企業で、ナスダック指数の牽引役だ。

 このようなハイテク人気に警鐘を鳴らすヘッジファンドがある。

 リーマンショック時に早くから相場の天井を予想したデビッド・アインホーン(グリーンライト・キャピタル)である。年初来のハイテク人気に背を向けてきた。そのため第1四半期の運用成果はマイナスになったが、ハイテク株の人気は14年ぶりのバブルとみる。いまのところウォール街では少数意見であるが、この種の見方が最近はメディアに散見されるようになってきた。彼の運用資産は12000億円を超える大型ヘッジファンドである。

昨日のウォール街ではエクソ・バイオニクス(EKSO)が+25%と急騰し$3.5をつけた。東京市場で3月末に公開されたCyberdyne(7779)と同じビジネスモデルのベンチャー企業だ。慈善団体が10体のロボットを購入し、半身不随の傷痍軍人向けに寄贈したニュースが流れた。1体が1000万円強である。臨床試験が済んでいよいよ実用化の段階にはいったようだ。エクソの株は1月に$1で公開され一時は$8まで買われたが、その後、人気が離散していた。

日本のCyberdyeはこの会社より1年早く創業された。

東京市場で相場の牽引役であったソフトバンク(9984)が市場の人気を左右するが、昨日は売られて市場の人気を冷やした。ウォール街でのアリババの公開人気についての関心度が株価に影響を与える。

昨日、サイバーエージェント(4751)が2014年3月中間期の決算を発表した。期初の予想を上回る数字になった。これまで進めてきた構造改革が狙い通り進みサプライズ決算でえあった。

通期の予想は変えなかったが増額されることは確実である。スマホの普及をいち早く成長戦略のとりいれたのが効を奏した。株価は上昇トレンドに再び回帰した。