足立 真一のTriton Blog

株式投資の実践、グローバルな視点での投資戦略。
銘柄選択は、成長株、中・小型株、新興市場株にバイアスを置く。

欧米から調整気分が強まる

2017-06-30 05:53:03 | 投資戦略
NY株は久しぶりに大幅安。
NYダウは167ドル安、S&P500は20ドル安、ナスダック指数は90ドル安。
NYダウ平均の100ドル以上の下落は先月中旬いらいのことである。
先頭を切って下落したのはバイオ、医薬品、コンピュータで、逆にゴールドマン・サックス、JPモルガンの金融株は上昇した。この現象をみるかぎり、相場の基調を覆すような決定的な悪材料の出現でなく、先月下旬からNYダウ平均は2万1000ドル台での堅調な相場展開をおこなってきたことへの反動安である。
NYダウ平均も構成銘柄は金融株を除き前面安。久しぶりのことである。
企業業績は堅調で米第1四半期の+1.4%増益と速報値+1.2%を上回っており、相場が本格的な調整局面にはいるとみる向きは少ない。
今回の相場のけん引役になった金融株が上昇したのは、投資家の先行きに対しての不安感を和らげた。
世界の株価をみてのいまひとつの注目点はユーロ高である。ユーロ圏の株価の再評価を考えたい。

NY株が調整局面にはいれば東京市場もテーマを材料にするより、個別物色の強い相場の展開になるだろう。
昨日の東京市場での売買代金の上位を任天堂、三菱UFJ,ソフトバンク、トヨタ自、東京エレクトロンなど好業績銘柄が占めた。テーマや業種で買うのでなく、個々の業績を買う動きが主流になってきた。この人気が一段と強まるだろう。



NY株が存在感

2017-06-29 08:36:48 | 投資戦略
昨日の世界の株価はアジア、ヨーロッパは不調であったが、時間が進みNY市場に移ると人気は一転し反騰した。アジア、欧州の不振人気が払拭されNY株は2ヵ月振りの高値に反騰した。NY市場の健在ぶりを証明する動きであった。
この日は銀行、保険、ハイテク、コンプータ、製造業と物色人気の幅が拡大した。
目立ったのは銀行株でストレステストでは大半が合格したことを好感した。
相場のリード役の先頭を切ったのはJPモルガンウェルズ・ファーゴ、バンク・オブ・アメリカで前日までの株価のもたつきが嘘のようであった。ポートフォリオの40%を金融株が閉めるバフェットの笑顔が映る。

このように相場を押し上げる資金はどこから出てきたのか?
これまでのトランプ相場に懐疑的な機関投資家、ヘッジファンドが動きはじめたからだ。
またEU中央銀銀行ドラギ総裁の欧州景気についての前向きな発言も相場の上昇を支援した。新興諸国だけでなく、世界の景気回復は欧州に及ぶ。

ウォール街で大手銀行株が軒並み上昇した人気には大いに注目される。バフェットがポートフォリオの40%近くを金融株で運用しているのが、米国経済の大動脈という強い判断があるからだ。金融株のほか、ハイテク株にも人気かした。最近は両者の動きはちぐはぐの動きが普通であった。
市場の空気が好転すると、トランプ大統領の次の一手である規制緩和、公共投資の拡大に関心が移る。

東京市場も欧米の株価の不振に押され、世界の株式市場の人気の圏外にあった。
昨日は最近の超人気銘柄の任天堂が暴落したが、相場の太い大黒柱であることには変わりはない。

NY株の微調整は当然・・・日本の隠れた成長株

2017-06-28 07:06:15 | 投資戦略
NY株は久しぶりの下落、過去6日間のうち5日間の下落になった。
これまで相場の基調を支えてきたナスダック指数が100ポイントの下落になった。
これといった材料が出たわけでなく、比較的に下方硬直性の高かったハイテク、バイオの人気に陰りが出てきた。当然の動きである。

下落をけん引したのはハイテク株でアルファベット(グーグルの親株)が売られた。現在の米国の象徴的な銘柄である。ほかにナスダック市場を支えてきた バイオ、医薬品大幅安。ただ、トランプ相場の代表格の金融株は堅調。
これらの動きをみるかぎり下値硬直性の強かった相場に、相場のもつ上下変動の本来のリズムが蘇ってきた感じである。
トランプ相場の行き詰まりとみるには早い。

東京市場もNY株の動きに左右されるだろう。

外食企業のハイデ日高(7611)が好調。昨日、第1四半期(3~5月)の決算を発表したが、税引き利益が22%増と6年連続で最高益になった。外食企業が取り組み始めたアルコール類が好調のほか、一貫したぶれない低価格路線が定着し、常連顧客を引き付ける。
「中華そば」が主体で成長してきたが、営業政策は同業各社とは一線を画し、主力のラーメンでも人気をひきつけるために絶えず工夫して競争に立ち向かう経営姿勢にはかねて引き付けられてきた。
トリトンスクエア通信では外食産業の成長株として注目してきたが、これからも成長路線は衰えない。営業は首都圏に絞った政策だが、ラーメン店運営での成長株とみてきた。これから成長できる地域は広い。
ぜひポートフォリオに入れたい消費関連株である。

AR(拡張現実)とVR(仮想現実)・・・任天堂、ソニーの開発はじまる

2017-06-27 08:26:27 | 投資戦略
NY株はこれまで相場をけん引していたハイテク、バイオ、コンピュータが売られ,代わって銀行、エネルギーが堅調。
この日はダウ平均、S&P500は堅調、ナスダック指数は売られるという、これまでとは逆のパターンになった。
6月末という2017年の上半期の成果が明らかになる時期ガ近づき、ヘッジファンドや機関投資家は動かない。大手投資家の1~5月の成果はS&P500の+7%という上昇率の近辺で推移してきただけに、ここでは大きく仕掛けることを控える。

最近、ウォーレン・バフェットのメデイアへの露出度がめっきり減った。5月初めの株主総会後、その動向があまり伝わってこない。手元には史上最高の現預金を抱えながら全く動かないというのは、超大物を狙っていることか?

東京市場では任天堂(7974)人気が続く。昨日の売買代金ランキングでは1419億円と2位の三菱UFJの380億円の3.7倍と異常な人気であった。時価総額は5兆5000億円になり、ソニーの5兆4000億円を超えた。ハイテク株の別格的な存在であるキーエンスの時価総額6兆1000億円を目指す。

株価がここまでくると、普通の株価尺度は通用しない。これまでの任天堂フアンにとっては、目標値をどこに置くか、これまでとは異なる新次元の世界に突入するのか?
今週の「トリトンスクエア通信」では、これからのハイテクの新技術のVR(仮想現実)とAR(拡張現実)が、向こう1~3年以内に任天堂とソニーの新技術の大きな柱になることを論じた。
次から次へと材料が出る段階にははいってきた。
AR(拡張現実)は昨年のポケモンGoの超人気で有望性は実証済みだ。

ハイテク人気を読む

2017-06-26 06:29:37 | 投資戦略
昨年11月の大統領選後のウォール街をみると2つの大きな課題に直面する。
一つは「トランプ相場は終わった?」と「ことしにはいって物色銘柄は変わった?」といことだ。

第1の問題は「いまさら・・」といわれるかも知れないが、トランプ相場は続いているということを強調したい。日米の株価の本年のパフォーマンスはNY株が+8.2%、日経平均は+5.3%。両国の景気基調は明確に回復トレンドにはいったが、NY株は東京市場のパフォーマンスを大きく引き離した。理由は新大統領を選んだ米国民の先行きへの期待観を変え、先行きに対しての自信を国民に植え付けたことだ。
新大統領は公共投資の拡大、減税というだれにでも理解しやすい政策を掲げ、株式相場の方向性を上方に変えた。それが昨今は米国が誇るハイテク、バイオの人気復活にもつながってきた。
特にハイテク業界ではアマゾンのようなか怪物が出現し、技術革新が進展していることを強く印象づけた。仮にクリントン候補が当選した場合には、このような現象は出現しなかっただろう。
トランプ大統領のアンチ・ジャーナリストの考えは変わらないが、アップル、アマゾン、アルファベット(元のグーグル)、フェイスブックのような、先のITブーム(1995年~2000年代はじめ)のときとは規模の次元が大きく変わる怪物が出現した。

いち早く、このことを察したのは投資の神様であるウォーレン・バフェットだ。アッブルの大株主になり、いままで買いそびれたアマゾンを絶賛する。彼は今回のハイテクの技術革新の大きな破壊力をだれよりも早くにつかんだ一人だ。
第2のトランプ出現の功績はバイオ、ハイテクが市場の人気の主柱に加わったことである。金融、製造業、エネルギーに加わって新しい視点での成長業種だ。

日本のハイテク企業の3月決算を分析していると、2000年代をはるかに上回る成長の可能性が期待でき、今後、有望株の出現を実感させる。

東京市場でのハイテク人気の復活に注目するとともに、ソニー(6758)のように、新成長株に変貌した銘柄の数が増えていくことを認識したい。東芝事件は日本ハイテク再生につながるイベントのひとつだ。