足立 真一のTriton Blog

株式投資の実践、グローバルな視点での投資戦略。
銘柄選択は、成長株、中・小型株、新興市場株にバイアスを置く。

円安トレンドが相場のカギ

2016-11-30 06:30:44 | 投資戦略
NY株は小幅高。金融、バイオ、ハイテクが上昇した。
引き続きトランプノミクスのインフレ政策、減税の政策に期待感が続く。
焦点のひとつは水曜日のOPEC会合での原油減産の合意が決まるかどうかである。10月に決まった水準が守られず、サウジアラビアがこれまで合意への参加を渋ってきた。
最近はイラン、イラクも減産に前向きの意向を示し、ロシアも同調する動きを表明するが、必ず順守するかどうかにサウジは疑問をもつ。
サウジが減産合意に同調しなければ、年明けの相場は$45まで下落する(現在$47)可能性が考えられる。

週末にはイタリアで国民投票が行われる。現在の上院、下院の2院制だが上院の定員を減らし。政策の決定権を下院に集中し、事実上の一院制にするというもの。政府の権限を強化する。これまでの政策の決定のスピードを上げる狙いである。否決されれば政治体制は現状のまま。先の英国民投票と同じようにチェンジを選択すうrかどうか?欧州には大きな関心事である。日本では関心は薄いが、欧州では大きな問題。

東京市場は決算の関心は円安トレンドが継続するかどうかにある。米国での政治空白期間で新政権が為替についてどのような態度を取るか。
オバマ政権では円安に歯止めをかけたが、新政権の動きは読めない。
ただ為替の動向については日本に比べて投資家の関心は薄いことは確かだ。

昨日、任天堂(7974)が米ユニバーサル・スタジオとでのテーマパークの展開を正式に発表した。ディズニーに対抗するテーマパークで、大阪だけでなく、米国オーランド、ハリウッドの3ヵ所で任天堂のエリアが登場する。アクションや冒険をゲーム上だけでなく、現実の世界で楽しめる場を開く。コムキャストのユニバーサル・パーク部門は第3四半期は前年比で60%増で14億ドル(1560億円)になった。年間で1兆円の売上を目指すエンターテイメントの大手企業で、「ハリーボッター」「トランスフォーマ」のテーマパークを運営している。
任天堂は豊かな知的資産を、いよいよ本格的に活用し総合的なエンターテイメント・ビジネスに乗り出す。
コムキャストはウォール街の人気株で株価は4年で3倍になり、時価総額は30兆円で任天堂の4倍である。

次はクリスマス商戦の本番・・・任天堂NES復刻版に人気

2016-11-29 05:53:31 | 投資戦略
NY株は小幅安。先週1週間、トランプ相場が続いたがこの日はさすがに買い疲れ気分が濃厚。当然のコースで、ドル高も一服し円相場も小幅な反転。相場が一服するとドル高の弊害、金利の上昇に目が向かう。ただ下値には出遅れた向きの買いも出る。
海外ではイタリアでの国民投票(12月4日)を気にする。上院権限の縮小の可否を問う。首相の権限を抑制する動きが出る。英国離脱問題以来、政治の世界にはこれまでの常識を覆す事態が出てきているだけに、イタリア問題に欧米では大きな関心をもつ。

米国での感謝祭のショッピング騒ぎも一巡したが、任天堂(7974)のNES復刻版はゲームがフアンの間では大きな話題になっている。
1985年に発売された据え置型のゲーム機器だが小型版にして30種のソフトを付け年末商戦向けに販売された。小売価格は$60であったが、即日完売した。人気が沸騰しeBayのオークション・サイトでは$390の値が付いた。
ゲームショップでは用意した商品が払底し、次のクリスマス本番ではどれだけ市場に出るかに関心が高い。久しぶりのヒット商品だが、11月中旬に出したDS向けの「ポケモン・サン」「同・ムーン」にも人気が波及した。
12月にはアップルからスマートフォン向け「マリオ・ラン」がリリースされ、3月の新製品「スイッチ」の発売までに、スマートフォンの新作2本が後続する予定。向こう数ヵ月は任天堂に材料が集中する。今夏のポケモンGoのような人気再現があると予想する。

出遅れ分野を狙う・・・トランプ人気の背景

2016-11-28 06:36:48 | 投資戦略
“投資家が追いかけているのが気になる。遅れないようにと走りはじめた。このようなアニマル・スピリッツが出てくると危険信号だ”
“金融株が先走り過ぎ投資家は乗り遅れトランプ相場には乗れなかった。金融株は買われすぎたのでいま飛び乗るのは危険だ”
“むしろヨーロッパや日本の方に魅力が出てきた”
“金融株でなく、同じように規制緩和が期待されるヘルスケアや、インフラ投資の拡大の製造業に魅力が出てきた”
“ハイテクも選挙後はすぐにマイナスの反応をしたが、フェイスブックとアマゾン・コムは3%近く上がりはじめハイテクにも人気が戻ってきた”
このような雑音が乱れ飛び交うウォール街の模様をバロンズ誌は伝えている。
最近のメデヂアはトランプ効果の記事でいっぱいだが、そのなかで米大統領選で小政党からでた「緑の党」のスタイン氏の票再集計の要求に、クリントン氏も乗った。覆る可能性は低く相場への影響はないとみる。
 出遅れたのはハイテク、ヘルスケアであったが、強気人気がこの分野にも必ず還流する。
 ヘッジファンドのスターであるダン・ローブ(サードポイント)はアップル、デル、アリババに大きなポジションを取った。
 
日本ではトランプ人気は低い。本日の日経新聞の世論調査では「歓迎せず」56%と出た。同紙は過激な物言いが影響したとしている。
同紙の日曜版の「経済論壇から」には慶応大学教授の渡辺靖氏が「政治エリートに反旗を翻すという、優れて米国的な現象」と指摘したのを取り上げている。少数意見だが的を射ている。「平和裏に権力を獲得したという意味で米国の民主主義が健全に機能した」とみる。NY株が大幅高になった背景が分かる。

東京市場でハイテク株が底入れた。TDK(6762),ローム(6763)、日東電工(6988)、HOYA(7741)に注目。

「掉尾の一振」が期待

2016-11-26 07:56:10 | 投資戦略
米国の感謝祭(木)の翌日はブラック・フライディでクリスマス商戦の幕開け。
商店やショッピングモールでは目玉商品の価格をディスカウントし、顧客を引き付ける作戦を練ってきた。人気商品の一つはアップルで各店ともディスカウント価格を提示し人気を集めた。お祭り騒ぎのショッピング街は避け、オンライン取引も活況で自宅に陣取ってPCの前でアマゾンの画面で商品を探す。
最近は店舗によっては1日繰り上げて木曜日から商戦をはじめるケースも出てきた。
トランプ新大統領人気で株価も好調。休み明けの金曜日も3指数が揃って新高値を記録した。公共、通信のほかバイオ株も復調。

本年も余すところ1ヵ月余になった。
株式相場は振り返ると波乱の年であった。
特に6月の英国のEU離脱、11月の米大統領選という歴史的なイベントがあり、両者とも市場の事前の予想を覆す結果で一時は投資家に大きな衝撃を与えたが、その後の相場は立ち直りショックをきっかけにした。
社会が通念を覆し新しい秩序を歓迎する方向に向かった。歴史の進歩のためには“変化”を求める民意が勝った。

本年の安値からの株価は米+21%、カナダ+31%、英国+23%、独+22%、オランダ+20%、ノルウェイ+31%、ギリシア+50%、ロシア+31%、アルゼンチン+87%、ブラジル+66%、中国+23%、日本+22%、オーストラリア+43%、サウジアラビア+28%であった。
世界の株価を牽引するダウ平均は+21%で先進国はそれに歩調を合わせての動きであったが、アルゼンチン、ブラジル、オーストラリアは50%以上の上昇になった。
この動きをみると新年は2016年をスタート台にした長期のブルサイクル入りのケースも考えられる。

東京市場は6日間の続騰になり久しぶりに存在観を示した。背景は円安で米国の金利の上昇が主因である。週末のドル相場は上昇の勢いは止まったが、微調整という感じである。米国景気は本格的な回復過程にはいり、米連銀の12月の利上げは100%の確率になった。トランプ相場の影響が濃厚で世界の株価はウォール街の写真相場になったが、12月相場では物色は横に広がるだろう。
ことしは「掉尾の一振」が期待できるだろう。


サンタクロース相場が始動

2016-11-25 06:50:39 | 投資戦略
11月24日は勤労感謝日で取引は休場。
東京市場を初めヨーロッパ、新興国市場の株価は堅調であった。
注目点は円相場の下落で113.38円。

メディアには次のような解説が目に付く。
“景気指標では耐久消費財と消費者心理が好転し、連銀は景気過熱に備えて利上げに踏み切る。円相場は113円台に乗り3月以来の高値。ユーロも上がった。トランプ大統領の景気刺激策と、連銀の利上げで先行きドル相場の上昇は続く。
投資家は年末に向かって目先、ドルを積み上げ、債券はショート、株はロングの投資戦略をとる。
ドル相場は微調整しても新値も上昇相場が続く”
“トランプ相場はデフェンシブ株(優良株)から金融や景気循環株への人気交代をもたらした。新政権はインフラ投資を促進し、消費の喚起のために減税に踏み切る。財政赤字を承知の上で経済成長とインフレに方向転換をする”

感謝祭の休日のあと米国は年末のクリスマス・シーズンに向けてショッピング・シーズンにはいる。
大方の予想を覆したトランプ候補の勝利は、相場には大きな衝撃を与え久しぶりのビッグ・サプライズが出現した。米国民の新しいエネルギーの発揚が感じ取れる。

東京市場も元気が出てきた。トランプ相場が始まってから物色銘柄の中味が変わってきたが、新年にかけて物色の範囲は広がるだろう。
本日はちょっと変わったところで、かねて注目してきたヤーマン(6638)とゲンキー(2772)を取り上げよう。両銘柄は来年も上昇はつづくとみる。強いのは業績の裏づけのあることだ。