足立 真一のTriton Blog

株式投資の実践、グローバルな視点での投資戦略。
銘柄選択は、成長株、中・小型株、新興市場株にバイアスを置く。

懐かしのメロディーではなく、時代のリード役か?

2005-02-28 20:56:18 | 株式
この日の値上がりベスト5をみてみる。
?@鉄鋼?A鉱業?B海運?C石油?D非鉄。
このように並べると「懐かしのメロディー」を聞いている気分に浸る。いつかきた道である。1970年代半ばから1980年代初めまで、世界の商品市況は急騰した。日欧の復興が終わり、米国の後を追いかけて「せめて普通の暮らしを」と、日本、ドイツが猛烈に米国経済を追い上げた。技術革新が石油化学を生み、エネルギー意外にも石油が使われるようになるとは、産油国も想像できなかった。オイルショックは供給サイドが火をつけた。今回は中国、インドなど需要サイドが商品市況に火をつけた。1979年に来日した友人のマーク・ファーバー博士とゲリー・シリング博士(その後、全米の人気エコノミストになる)と食事している時、彼らは砂糖相場での「お金儲け」の話をしていた。砂糖はその後、数倍に上昇した。欧米のエコノミストのプラグマティズムには、その時、身をもって感銘を受けた。エコノミストは理屈をこね、論文を書くだけではない。自分の信じるところを実践に移す。
いままた石油、コーヒーが急騰をしている。マーク・ファバー博士は3年前から「中国人がコーヒーの味を知ったら、コーヒー価格は急騰する」と言っていた。彼は「原油100ドル説」をここ数年、主張している。20ドル台の時に聞いたが、「気が狂ったか?」と内心は感じたものの、ここへきて彼の主張の道半ばまできた。彼の言い分が実現したら、株式市場での人気株は大きく変わる。
この日は石油開発、石油関連が注目を集めた。今年の相場の大きな柱が出来たと私は思う。
国際石油開発(1604)に注目したが、帝国石油(1601)にも注目しよう。1980年には1460円、1989年には1850円があった。

今日は紙面の都合で書けなかったが、新興市場も出直ってきた。2月のIPO銘柄から人気株が必ず出る。



NY株の傘の下・・今週は金曜日の雇用統計が焦点・・独自性を発揮する分野もある

2005-02-27 21:55:43 | 株式
目先の相場観を立てる上で、一番に重要視しているのはNY株の動向である。
年初来の日米の株価について、先週末までの動きをみてみると日経平均+1.4%、NYダウ+0.5%とほぼ同じ動きをしている。その差は誤差の範囲内である。
日米とも全く同じ方向に進んでいる。いや、日本がNY株の傘の下に入ってしまってなかなか独自性を発揮できないと表現した方が適切かも知れない。日本のマクロ経済、企業業績、金利の動向などを分析して相場観を立ててながあ、いつも「むなしさ」を感じる。ここでは感情的な議論をしても始まらない。現実を直視しなければ・・。
今週のNY株は金曜日(3月4日)の雇用統計の発表が大きな焦点である。いまのところ新規雇用についてはエコノミストのコンセンサスは22万5000人増(2月)である。1月が14万6000万人であったので、予想通りになるか、それを上回ればNY株は上昇するだろう。
あとの問題は原油価格である。50ドルの大台に乗せて、$51.49ドルで引けた。これといった材料が出たわけではないが、投機筋のカラ売りの積み上げが、一つの材料といえば材料。ここ2年間、石油相場を支えてきた上昇のファンダメンタルは不変である。
昨日も書いたように、原油高→インフレ懸念のシナリオは当分、いつも頭にいれて、ポートフォリオの中にはエネルギー関連株を入れておくことをお勧めしておきたい。
日経平均、NYダウは年初来、ほぼ同じ動きをしてきたが、日本株にも救いはある。年初来、ジャスダック指数+9.4%、マザーズ指数+8.1%と、日本株の特別のセクターはNY株とは別の動きをしている。年初来、米ナスダックは-5.11%だから、日本の新興市場の動きをみているとうれしくなる。これからの日本経済の先行きと、われわれの投資戦略のあり方を教えてくれている。
3月も新興市場にバイアス(力点)おいた戦略をとるつもりでいる。


商品相場の上昇への戦略

2005-02-26 21:36:18 | 株式
今日、2月26日の日経新聞の夕刊の第1面に「指数24年ぶり300」という見出しで、原油、穀物価格の上昇が報じられていた。CRB指数という商品先物市場の動きの指数の上昇である。株式投資をしている人にとっては、商品相場は別世界かも知れないが、これからの世界の投資市場を見る上では無視できない存在になっててきた。
私は大学を卒業して日経新聞の記者になったとき、一番初めに担当させられたのが商品市場であった。政治部や社会部のハデな記者を夢見て新聞記者になったのに、商品相場の世界は、いままで生きてきた世界とは全く異質の世界ではあった。
しかしそこでの経験は相場を勉強する上では、単純ではあるが投機というものを実感する上では、なによりもの勉強になった
金と石油に昨年来、大きな関心を持ってきたが、それは商品相場を追っかけた記者時代の経験のおかげである。
昨日の本欄では原油相場のことを書いた。おそらく向こう2~3週間のうちには、原油は昨年10月の高値55ドルに接近するのではないか?あるいは抜く可能性もある。
今年の株式相場を判断する上では大きな材料である。しかし1970年代の石油危機に比べて、世間の見方は随分と落ち着いている。これが逆に気になりところである。

国際石油開発(1604)のほかに、帝国石油(1601)も、世界的な商品相場の上昇のリスクを避ける投資の手段になることを強調したい。


エネルギー関連株にバイアスを・・

2005-02-25 22:16:43 | 株式
昨日、米国の偉大な投資家のビル・ミラーのことを書いた。昨年もS&P500のパフォーマンスを上回る成果をあげ、14年間にわたってS&P500に勝った。数年は勝つ運用者はほかにも多いが、14年連続というのは驚異的である。彼は+11.96%、S&P500は10.88%で、ごくわずかではあったが・・・
第3四半期末までは負けていた。それをぎりぎりになって逆転したのは、10月からのナスダックリード型の相場展開である。インターネットや通信関連に助けられた。いや彼の超人的な投資行動に幸運の女神の恵みの光がいつもそそがれているのだろう。
そんなビル・ミラーが昨年を振り返って反省したのは「エネルギー関連株にバイアスを置かなかった」ことである。「エネルギー関連に注力していれば、最後まで苦闘することはなかったのに・・」と反省した。今年の年初来の運用については知る由もないが、おそらくエネルギー関連株に出動したのではないかと、私は思う。
年初来、落ち着いていた原油相場に上昇の勢いが再び出てきた。1年前は35ドル前後であった。それが昨年10月には55.67ドルをつけ、12月には40ドルまで落ちた。それが再び50ドル台に乗せた。今週、サウジアラビアの石油相のアルネイミは「現在の$40~$50の動きは今年末まで続く。ファンダメンタル、つまり在庫、供給、需要、そして世界の石油相場に対する願望を集約すれば、説明がつく」と語っている。
われわれもエネルギー株に注目しよう。昨年11月に公開された国際石油開発(1604)は、公開時が石油相場の調整期に当たり人気がなかった。しかし2月10日に発表した第3四半期の決算発表時に、今3月期の売り上げ4020億円→4410億円、経常利益2009億円→2350億円に増額した。原油相場は40ドル、円相場は100円が前提だ。すでにこれまでの2ヵ月はいずれの前提も、業績を再度増額する方向へ進んでいる。
来週月曜日からモルガンスタンレー・キャピタル・インターナショナル指数の見直しがある。国際石油開発のウエイトは高くなる。インデックス運用の機関投資家の買いが増える。公開後の高値58万7,000円を抜けるとみる。


ビル・ミラーとソロス

2005-02-24 19:20:56 | 株式
「投資?」、「投機?」。今年の年初来の相場展開をみていて戸惑う場面が多い。
最も尊敬する投資家はビル・ミラーとジョージ・ソロスである。以前にも本欄でビル・ミラーのことは書いた。過去14年間、S&P500を上回る成果を続けてきた。ウォーレン・バフェットと違う点は、ハイテクもバイオにも投資するという全天候型の運用をするが、ファンダメンタル分析を徹底はする。
いま一人、ヘッジ・ファンドの事実上の創始者であるソロスはカンタム・ファンドを30年間で1500倍にした。特に1980年代の央ばから、1990年代の後半までの間は、本領を発揮した。1992年にはイングランド銀行を相手にポンド投機を仕掛け、一躍、マクロ運用の世界でも注目されるようになった。
この2人を分類するならビル・ミラーは「投資」に徹し、ソロスは「投機」の世界を自由自在に動きまわった。
さて年初来の株式市場で儲けるためには「投資」に徹するのか、「投機」と割り切るのか。
年初来の日経平均はほぼ横ばい。いずれにしても、このような環境下で大きく成果を上げるのは難しい。ビル・ミラー式の「投資」ではなく、へlッジファンドのように「投機」と割り切らなければならない。その場合でもソロスが口癖のように言う「私が成功したのは、間違ったと思ったらすぐに手を引いた」ことを実行することにある。幸いオンライン取引のおかげで、取引コストが大幅に下がったので、ソロスの言うことが実行し易すくなった。
ニイウス(2731)に注目している。先週、2005年6月期の中間決算を発表した。同時に3月末で1対2の株式分割も発表。
IT業界は低迷しているが、売り上げは+27%、経常利益は+38%の予想。これまでの金融機関向けのウエイトは80%から、70%に下がり、病院向けの情報化投資のウエイトが増えてきた。自ら需要を作り出す経営力を評価したい。ソフト関連株では異色の存在である。
全く新しい分野であるオートノミック・コンピューティングに進出する。コンピュータ自体に人間の自律神経のような機能を持たすものだ。株式市場はまだその成長性を織り込んでいない。
今年の「投資」としてポートフォリオに入れたい。