期待された米国の金融安定法案であるが、僅差で否決された。
“夢のような話だ。今回の金融危機が発生して以来、最悪の事態である。なぜ反対票が多いのか、完全に理解するまでは相場は売られるだろう”
“台所に火が着いているに、それが家全体に及ぶのを見ていられるのか”
多くの有権者からはこのような、悲鳴に近い声が上がっている。
与党である共和党の反対票で否決された。
時間の問題で金融安定化法は通ることは確実であるが、失われた時間の代償は日々、大きくなっていく。
今回のNYダウ平均の下落-777ドルは幅としては史上最大であるが、率では-6.89%と、1987年10月のクラシュ-22.61%には及ばない。
それにしても、このまま放置されることはない。
下院を通過させるにはどうすればよいか、ポールソン財務長官とバーナンキ議長の再検討が始まった。
時間的には一刻一秒を争う時にきているのは確実である。
金融安定化法の柱である7000億ドル(75兆円)を投じた場合の、損失をどうするか?
世界の債券王といわれるビル・グロスは「税金を使っても、今回の措置では必ず利益が上がる」と発言している。
明日から「魔」の10月にはいる。
そのことも政策当局の頭には十分にあるはずだ。
連銀の利下げの確度が一段と高まった。