足立 真一のTriton Blog

株式投資の実践、グローバルな視点での投資戦略。
銘柄選択は、成長株、中・小型株、新興市場株にバイアスを置く。

金属チタン株

2006-07-31 17:57:47 | 株式

先週は住友チタニウム(5726)が第1四半期の決算を発表し2007年3月期の業績を売上げ(当初)390億円→404億円、経常利益(同)122億円→142億円に増額修正した。同時に配当を80円(同)→90円に増配を公表した。4月からのスポンジチタンの2万4000トンへの増設(1年前1万8000トン)がフルに寄与する自信をもったことが、大幅な増額修正の理由である。スポンジチタンは設備を増強しても、そのまま増産につなげることが難しい製品だ。設備を動かすスタッフの熟練度が必要で、なかなかマニュアル通りには行かないようである。日本のモノづくりの真髄があるだけに、需要の本家本元の米国でもなかなか日本に追いつけない。

当面、金属チタニウムの最大の需要は航空機であるが、日本の2社(住友チタニウム、東邦チタニウム)を追いかける第3位の米チタニウム・メタルズ(TIE)も思うように増産ができていない。住友チタニウムの能力2万4000トン(年)に対してチタニウム・メタルズは9000トン。

株価はここ1年で住友チタニウム2.4倍に対して、チタニウム・メタルズは3.6倍にもなった。同社のハロルド・サイモンズ会長は、7月中旬にも自社株を買い増し、持ち株が59.8%になったというインサイダー届けを出してウォール街では話題になっている。先行きにだれよりも経営トップが強気なのは、金属チタン株を評価する上では注目される。

8月2日には東邦チタニウムが第2四半期の決算を発表する。


Blogと並ぶネット革命の柱・・・ウォール街では顕在化

2006-07-30 19:00:05 | 株式

ブロッグ(blog)については「Triton Blog」でその機能、そして有用性については本欄の読者が十分にご存知なはず。ここ数ヶ月の間に株式市場でも第2のインターネット革命の柱の一つとして日々実感しておられるはずである。これからも株式市場で新しいネット関連株として注目株が出てくるだろう。

そして早くもブロッグと同じように、いや、さらに大きい広がりをみせるかもしれないビジネスにSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)関連がある。この言葉をグーグルで検索してみると「参加者が互いに紹介しあって、新たな友人関係を広げることを目的に開設されるWebサイト」とある。さらに詳しくはグーグルのサイトで理解してほしい。

昨年、有名なロバート・マードック(ニュース・コーポレーション)がマイスペース(MySpace)というティーンエィジャー向けのSNSを5億8,000万ドルで買収した。

ほかにも10億ドル~20億ドルと呼び声の出ている新しいネット関連のベンチャー企業が出てきている。「Web2.0」革命はいよいよ顕在化してきている。その名はユーチューブ(YouTube)やフェイスブック(Facebook)である。東京市場でも新しい成長企業の発掘のチャンスが出てくる。


今週のウォール街の上昇率は年間で最高

2006-07-29 17:41:02 | 株式

金曜日の第2四半期のGDPの発表を受けてNY株は力強い足取りで上昇した。今週は週間でナスダック+3.5%、S&P500+3.0%、ダウ平均+3.1%と今月の相場のもたつきを吹き飛ばした。週間での指数の上昇率はここ1年間での最大の上昇率である。

GDPは事前の予想は+3.0%であったが、速報値は+2.5%。特にバーナンキ議長が問題にしているインフレだが、物価の動きを示すデフレーターは+3.3%と、エコノミストの予想+3.4%をわずかだが下回った。このような数字をみてシカゴ商品取引所の金利先物では8月8日の連銀FOMCでの利上げの確率は30%と急低下した。

金曜日のウォール街ではナスダックが好調。ハイテクが相場をリードした。これまで決算発表をきっかけに調整していたグーグル、アマゾン、Eベイ、ヤフーなどのインターネット関連が揃って上昇した。今回のハイテク相場はウォール街よりも東京市場が先行したことに注目したい。松下電産、ソニーなどの民生用エレクトロニクスのほか、三菱電、富士通、アドバンテスト、東京エレクトロンなど産業用、半導体にも広がった。

来週の東京市場での物色銘柄を考えるヒントにしたい。


予想外に弱い米GDOの数字・・・相場にはプラス

2006-07-28 22:58:46 | 株式

注目の第2四半期の米国のGDPの速報値が発表になった。事前のエコノミストの予測値は年率3.0%であったが、公表数字は2.5%と大きく下回った。8月8日のFOMCでの利上げ休止の材料の一つである。次の大きな材料は7月の雇用統計であるが、その数字が連銀の金融政策を決めるカギになる。

仮に金融政策の転換が行われると株価はそれを好感して一つのヤマ場を作りそうである。

ここでいつもわれわれの頭を掠めるのはウォール街での「5月に売って退却しよう」という相場の季節性である。この経験則を信じるかぎり8月の相場の盛り上りはキャシュ・ポジションを引き上げるチャンスであるとみる。日米とも決算発表は一巡しミクロベースの材料にも期待できない。このようにみると8月上旬には相場の短期のピークを迎えることを頭においておきたい。


日米とも決算は好調・・・成長株を発掘

2006-07-27 16:32:37 | 株式

日米とも決算発表が本格化。

ウォール街では第2四半期(4~6月)は予想を上回る数字になりそう。6月末にはS&P500の増益率は前年比で+10.9%と見られていたが、時間が経つにしたがって予想数字は上昇、現在では+13.6%。同時に第3四半期は+15.0%、第4四半期は+14.2%という見通しが出ている。第2四半期で12期間の連続増益になるが、さらに記録は伸びる。

東京市場でも今週から本格化してきた。病める市場のセンチメントに、元気を与える決算が出てきた。ハイテクの松下電産に次いで、本日のソニー。ハイテクの決算発表が、このグループの株価を見直すきっかけを作りはじめたのは久しぶりのことである。

今週24日に決算発表した任天堂(7974)に注目したい。2007年3月期の売上げは6000億円→6400億円、同経常利益を1100億円→1450億円に増額した。株価をめぐってアナリストの評価はまちまち。

2004年に出した「ニンテンドーDS」、2006年3月の「ニンテンドーDS Lite」が絶好調で、さらに増額されるだろう。携帯ゲーム機器の世界を変革したとみる。岩田社長の「ハイテク」と

山内前社長の「遊びごころ」が合体した商品である。会社は新しい成長期に入ったとみる。アナリストの見方が一致していないのがよい。1株当り利益1000円台乗せが視界に入ってきた。ポートフォリオに入れたい。