中野みどりの紬きもの塾

染織家中野みどりの「紬きもの塾」。その記録を中心に紬織り、着物、工芸、自然を綴ります。

冬の装い

2013年02月08日 | 着姿・作品
友禅ワンポイントの半襟は仁平幸春作 

寒い日が続いていましたが、急に暖かくなったり、また東京では雪が降ったり体調を崩されている方も多いのではないでしょうか?
1月下旬に地方へ出かけていたのですが帰る頃には風邪の症状が出始め6日間寝込んでしまいました。
久々に高熱が出ましたが、野口晴哉さんの考えに基づき薬は飲まずに水分だけは補給しながら経過させて治しました。
自分の体が治そうと必死に頑張っていますので、横から邪魔はせず、病の様子を観察しながら自分の体の声を聞いていました。
「生身の体、私を大事にしてください」と言ってました。

さて、毎年12月から3月初旬くらいまでよく締める帯があります。
着尺地から帯に仕立て変えたものですが、銀糸が使われていて光ります。
25~6年前のことですが、ある人から「この着物を何にしようかしら?」と相談を持ちかけられたとき、即座に「帯にしましょう!」とお勧めしました。
そしてちゃっかり私の分まで作らせてもらいました~。
素材の絹糸もとても質の良いものです。
クリスマスの頃になると飾りつけされた街路樹をよく見かけますがそんなイルミネーション風にも見えますし、うっすら雪化粧のようにも、また寒い地方の樹氷のようにも見えてきます。

そして着物は…紬にヒカリモノ?と思われる方もあるかもしれませんが、やはり冬の着物の自作の梅染刺子織の着物に合わせてみました。

縞はよこ絣の技法と組み合わせて織り出しています。
この刺子織は織るのは大変ではありますが、刺してある分地厚ですので単衣でも対応できます。
とても着心地が良くシワにもなりにくいです。張りはあるけれど柔らかいのです。

作品集『樹の滴』の中でも「早春の光」と題して刺子織をご紹介していますが、公募展に出品していた頃の入選作品です。刺子織は現在この1点のみ在庫しています。

染は梅ですが、木をチップにして煎汁をとります。煮出している時には梅酢のような気品のあるいい香りがします。
母が梅の花が好きで実家の庭に植えてありましたので、たくさん染めてきました。
一輪咲いても凛と絵になる梅の木に、故郷を離れ東京で生きる自分を梅の一枝に重ねていたのではないかと思います。
梅を見ると優しく強かった母を思い出します。
梅の開花も待たれます。

季節を楽しみに待ち、季節感のある着物や帯があるのは幸せなことですね。
寒い冬を気持ちは暖かく過ごしたいものです。








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