中野みどりの紬きもの塾

染織家中野みどりの「紬きもの塾」。その記録を中心に紬織り、着物、工芸、自然を綴ります。

第4回 自分でつむいだ糸を染める

2009年07月20日 | 紬塾 '9~'12
第4回(7月19日) 自分でつむいだ糸を染める


 
櫻工房キッチンにて



テーマ:前々回に各自でつむいだ糸を染める作業です。染材は柿(小枝と葉)で、
    チップを作るところから、染め→媒染を各1回ずつ体験しました。
    帯揚げも1枚染めました。次回に使う糊も同時並行して作りました。



1.[湯通し](糸はあらかじめ湯につけておきます。染めむらを防ぐため。)

  



2.柿の葉と小枝のチップを作ります。(抽出しやすいようになるべく細かく)

  
                           斜めに切って断面を大きくする



3.染材を煮出して染液をとります。

  



4.染液は2~3回煮出す。色の様子を見ながら煮出します。

   






5.染液に糸をつけて、染め始めます。

  
                       途中で1度絞る(糸の繊維の間に風を入れて発色させるためです。)


6.染めたあと、火を落として放冷します。

葉っぱの染液  

小枝の染液


7.放冷のあと水洗いして、灰汁で媒染します。

  
灰汁媒染。黄色味が増してきました。(葉っぱで染めた方)          媒染中の絞りは手早く。



8.媒染後は水洗いして干します。(1工程の終了)

手前の薄ピンクは小枝で染めて灰汁媒染したもの



9.次回に糸につける糊を同時並行で作っておきます。素材は布海苔(ふのり)。

  


以上で、本日の全工程が終わりました。



【中野の言葉から】

ほんのわずかな糸量でしたが、、草木を使っての染色の体験をしてもらいました。
布なら染めた経験のある人もいましたが、糸を染めるのはみなさん初めてでした。
染めた糸で織ると、生まれてくる織り色は布染めとは違って、
複雑な色を呈します。
友禅の華やかさとは対照的に、一見無地のような静かな作品でも、
存在感は格別のものがあります。


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