中野みどりの紬きもの塾

染織家中野みどりの「紬きもの塾」。その記録を中心に紬織り、着物、工芸、自然を綴ります。

半巾帯連作プロジェクト進捗状況 ・その2

2021年02月06日 | 紬の上質半幅帯
たくさんの糸の中から、今回たて縞の方(変奏曲)に使う糸を選ぶのに思案中。
毎日午前中は色糸と格闘する感じでした。

東南の和室の障子越しの光は安定して見やすいのです。隣り合う糸を見比べながら、慎重に決めていきます。
木枠に巻かれた残糸もとても貴重なもので、最初は総動員して並べます。
徐々にイメージを固めながら選んでいくのですが、整経直前まで決めきらずに新たな可能性も視野に入れておきます。

部屋の中は糸枠や糸綛で混乱、雑然とした感じになります。
もし、そんな光景写真をここに上げていたら、初めて見た方は、なんと片付いてないひどい仕事場!と思われてしまうかもしれませんので上げません。(^^ゞ


でもその状態がすごく大事で、混乱の中、隣り合う色や、少し離れて見るときに表れる光景にハッと気づくこともあります。
自分の外から生まれる現象が、実は大事です。

上の写真は整経に使う糸枠がほぼ決まりかけた状態ですが、手前の糸からよりよくなるものはないか、、新たな可能性はないか、、まだねばって考えているところです。

半巾帯制作は糸の選定、整経、経て巻きまで終えました。

整経も5本分の半巾帯の長さ(約着尺2反分)なので腰が持つか心配しました。時間は若い時のように早くできませんが、無事によい整経ができました。


3時間近くに及んだ細かな縞の整経を終え、輪になっている糸束を切り離します。何百回やっても緊張する瞬間です。

経て巻きもとても重要な仕事です。
巻き始めにテンションを糸に触れながら確認しているところ。
この時も糸を伸ばさないよう、緩いギリギリのテンションで巻込みます。
風合いの良い、締めやすい帯になります。

ほぼ完璧に巻込みましたが、神経が一番ピリピリする仕事です。

機にかかってからは、今回は10本の柄違いの帯を織りますので、これからがまた大変なのです。(^-^;


近所の傾斜地にある大きな蠟梅。柵があって近づけないのですが、とてもよい香りが漂っています。
こころ休まる瞬間です。
早春の花は黄色が多いですが、希望の光が見えてくるようです。

良き布を、良き帯を織れるよう祈るような気持ちです。





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