中野みどりの紬きもの塾

染織家中野みどりの「紬きもの塾」。その記録を中心に紬織り、着物、工芸、自然を綴ります。

半巾帯連作プロジェクト進捗状況 ・その3

2021年03月19日 | 紬の上質半幅帯
春は一気に加速し、様々な植物が花を咲かせています。
都内では史上最早、昨年同様の14日に桜の開花宣言がありました。

花が咲くのは嬉しいですが、若いころからの季節の感覚と大きくずれ、徐々に開花していたものが、一斉に咲いてしまい、温暖化の加速に不安を覚えます。

トップの写真は工房の庭の片隅に咲くクサボケです。
コンクリートのテラスとぶどう棚のアーチの柵に挟まれるように生えています。
元々自生していたところへ、宅地として土地が造成され、コンクリートを敷かれ、でも生き残ってくれたのでしょう。

ここへ移り住んだ時から葉だけは覗かせていましたが、あまり花はつきませんでした。
今年初めてたくさんの花を咲かせました。


朱赤のボケも暴れた枝ぶりが好きで、大きな壺によく活けましたが、このクサボケは色が白やコーラルピンクの交じりで咲くので、優しくて好きです。蕾が丸くて可愛いです。
母からクサボケの名は教わりました。大事に育てていきます。


さて、前回の半巾帯進捗報告からひと月半が過ぎましたが、順調に進んでおります。
現在10本中、5本を織り上げました。
これから6本目の織り付けに入ります。
多分名古屋帯10本分以上に相当するエネルギーをすでに使っています。(;^-^A


経て巻きの後、経て継ぎ(新旧の糸端を繋ぐ作業)を経て、
織り付けに入ります。上の写真は変奏曲「早春賦」。


同じ縞でも地色を少しづつ変えたり、よこの段柄は毎回新たに考えますので、織り付けにかなり時間を掛けます。

何種類かのオフホワイト系の糸を混ぜながら、縞の色の出方や、参加者がお持ちの着物の色、ご本人の肌色などを考慮し、見当をつけていきます。途中で色が何段階か変わっているのがお分かりいただけると思います。
地糸を決めてから、よこの段柄のデザインに入ります。


ベースになる緯糸もいくつか候補を棚から出して選びやすいように、仮設の台を設置しています。
また、今まで40年余り、夢中で染めてきたこの他のたくさんの色糸たちも出番待ちしています。糸の方で「使って」と声を掛けてくるような時があります。
随分染めてきたのだと、改めて思います。(-₋-)°°゜

織り上がりは5月初旬の予定で、それから仕上げをし、仕立て上がりは6月を予定しています。
まだまだこれからも大変さは続きますが、今までの集大成のつもりで頑張りま~す!(^^)/








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