中野みどりの紬きもの塾

染織家中野みどりの「紬きもの塾」。その記録を中心に紬織り、着物、工芸、自然を綴ります。

紬のショールの連作を織っています!

2022年10月02日 | 制作工程
秋の訪れを日々味わっています。
工房の銀木犀もいい香りを放っています。

ショールの連作を続けています。
経糸は同じですが、緯糸でかなり雰囲気は変わります。
どんなものになるか私にも分かりません。
設計図は描きませんので。描いてもその通りにはならないからです。
季節を感じながら朝の光で判断しています。



平織、綾織、七子織などの織りの違いと、糸質の違うものを織り混ぜ、風合いのある温か味、野趣味、そして洗練を併せ持つものを目指しています。

それは扱いにくい粗い糸も使うことになりますので、経も緯も糸巻にとても時間が掛かります。ネップも取ればいいというものでもなく、残せばいいというものではなく、一つ一つを見極めながら織り上がりを想像し、処理していきます。

以前、平絹系の精緻な織物を織る知り合いが、経糸に赤城の節糸を使ってみたが、引っかかりなどで織れなかったと言っていました。織るのにも、糊付けなどにもコツがあり、とても難しいのです。

今までショールは100点近く制作しましたが、全て草木染の一点物です。
もう味わいのある糸を作る人もなく、今残っている貴重な糸で制作しています。
毎回新たな気持ちで、もう再び出会えないであろう糸と向き合い、取り組んでいます。
まだ3点目の半ばですが、今月中には何とか、、と思っています。
完成しましたらお知らせします。

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