客席の電気が消えて、舞台の明かりがつく。
その…喉が一瞬からからになるような感じをまだ覚えている。
でも今いるのは、もう明かりが消えた客席だ。
安心して、唾を飲み込んだ。
舞台に、ドレスを着た彼女が現れる。
優雅に一礼して、舞台の真ん中のピアノの前に座る。
曲が始まった。
私も大好きなこの曲。でも実はほんの一部しか知らなくて…
結構前に、会って、とあるカフェでご飯を食べた時に…今回の演奏会の話を聞いて。
そのものすごい量の楽譜を見せてくれて、うちが「たしかこんな感じのとこ…がめっちゃ好きやねん!」とか、なんのヒントにもなってない説明と(しかも「たぶんクライマックス…みたいな盛り上がりのとこ」という誤情報付き)、下手な鼻歌だけをたよりに一生懸命その部分を探してくれて、「きっとここやわ!」と笑顔で指し示してくれた彼女。
それから今日まで、ずっと楽しみだった。
舞台の上の彼女とはそんなに距離はないはずなのに、
ものすごく現実感がなくて、遠くに感じた。
時折、ネックレスや髪飾りが照明に反射して光る。
美しく着飾っていて、舞台の中心にいて、たくさんのお客さんの視線を受けながらピアノを堂々と弾く彼女は、夢のように…遠かった。
でもあの日の、私の正面でご飯を食べていた彼女のイメージが、私を現実に引き戻す。
そこでの忘れられない会話が、いつもの彼女のイメージを、夢のような映像とダブらせてくれる。私は、同時に二つの姿を見ることができるようになる。
まだその時、私はお菓子教室をやっていなかった。形すら、なかった。
ただ、直接のきっかけとなった…同じ職場の、パンの先生をやっている方からの…特別講師としての「お誘い」を受けた後だった。身近な友人にその話をしたのは、確かその日が初めてだった。まだその時は、本当に自分にやれるのか…とか、迷っていた部分もあったのだけど、この日に、口に出してみるうちに…どんどん「やる」方向に気持ちが固まっていった。
彼女の、心からの励ましがあったからに他ならない。
彼女は、同じだ、と言ってくれる。
ピアノと、お菓子と、種類は違うけれど…
わかりやすいゴールが用意されていない道を進んでいく…その生き方が。
一緒にがんばろう、と言ってくれる。
眩暈がするほど遠くに感じる時もあるのに、
そうやって伸ばしてくれる手を見ていると、
私もある程度は進めているのだ、と…少しだけ、思える。
手を伸ばし返したら、地面が遥か下に見える。
これでいいんだ、このままやっていけば、と…思える。
曲は進んでいく。
あの「大好きなところ」に近づいているのがわかる。
イメージがダブる。
舞台の上の彼女と、目の前で手を伸ばす彼女。
その部分で、涙がこぼれた。
前日、なにげにバイト先で、若い同僚の方に「明日お友達の演奏会で…」とか話をしてたら、ものすごく驚かれた。
「そんな知り合い、いませんよー!!」って。
…うーん、吹奏楽部だったしねー、高校も音楽に力入れてる(?)とこだったし周りにそういう知り合いがいるのはそのせいかもねー(訳:うちは全然全くすごくない)とか言いつつも「そうか、なんかちょっと慣れてきちゃってたけど、やっぱりこういうのって、すっごく…すごいことなんだな。」とかなりうれしくなった。
心から誇れるくらいの自慢の友人が、
「一緒にがんばろう」と言ってくれる…なんて、
これ以上の励ましはない。
ありがとう。
その…喉が一瞬からからになるような感じをまだ覚えている。
でも今いるのは、もう明かりが消えた客席だ。
安心して、唾を飲み込んだ。
舞台に、ドレスを着た彼女が現れる。
優雅に一礼して、舞台の真ん中のピアノの前に座る。
曲が始まった。
私も大好きなこの曲。でも実はほんの一部しか知らなくて…
結構前に、会って、とあるカフェでご飯を食べた時に…今回の演奏会の話を聞いて。
そのものすごい量の楽譜を見せてくれて、うちが「たしかこんな感じのとこ…がめっちゃ好きやねん!」とか、なんのヒントにもなってない説明と(しかも「たぶんクライマックス…みたいな盛り上がりのとこ」という誤情報付き)、下手な鼻歌だけをたよりに一生懸命その部分を探してくれて、「きっとここやわ!」と笑顔で指し示してくれた彼女。
それから今日まで、ずっと楽しみだった。
舞台の上の彼女とはそんなに距離はないはずなのに、
ものすごく現実感がなくて、遠くに感じた。
時折、ネックレスや髪飾りが照明に反射して光る。
美しく着飾っていて、舞台の中心にいて、たくさんのお客さんの視線を受けながらピアノを堂々と弾く彼女は、夢のように…遠かった。
でもあの日の、私の正面でご飯を食べていた彼女のイメージが、私を現実に引き戻す。
そこでの忘れられない会話が、いつもの彼女のイメージを、夢のような映像とダブらせてくれる。私は、同時に二つの姿を見ることができるようになる。
まだその時、私はお菓子教室をやっていなかった。形すら、なかった。
ただ、直接のきっかけとなった…同じ職場の、パンの先生をやっている方からの…特別講師としての「お誘い」を受けた後だった。身近な友人にその話をしたのは、確かその日が初めてだった。まだその時は、本当に自分にやれるのか…とか、迷っていた部分もあったのだけど、この日に、口に出してみるうちに…どんどん「やる」方向に気持ちが固まっていった。
彼女の、心からの励ましがあったからに他ならない。
彼女は、同じだ、と言ってくれる。
ピアノと、お菓子と、種類は違うけれど…
わかりやすいゴールが用意されていない道を進んでいく…その生き方が。
一緒にがんばろう、と言ってくれる。
眩暈がするほど遠くに感じる時もあるのに、
そうやって伸ばしてくれる手を見ていると、
私もある程度は進めているのだ、と…少しだけ、思える。
手を伸ばし返したら、地面が遥か下に見える。
これでいいんだ、このままやっていけば、と…思える。
曲は進んでいく。
あの「大好きなところ」に近づいているのがわかる。
イメージがダブる。
舞台の上の彼女と、目の前で手を伸ばす彼女。
その部分で、涙がこぼれた。
前日、なにげにバイト先で、若い同僚の方に「明日お友達の演奏会で…」とか話をしてたら、ものすごく驚かれた。
「そんな知り合い、いませんよー!!」って。
…うーん、吹奏楽部だったしねー、高校も音楽に力入れてる(?)とこだったし周りにそういう知り合いがいるのはそのせいかもねー(訳:うちは全然全くすごくない)とか言いつつも「そうか、なんかちょっと慣れてきちゃってたけど、やっぱりこういうのって、すっごく…すごいことなんだな。」とかなりうれしくなった。
心から誇れるくらいの自慢の友人が、
「一緒にがんばろう」と言ってくれる…なんて、
これ以上の励ましはない。
ありがとう。
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