「パティシエになりたーい!」ブログ。

元パティシエ・オペラのお菓子の話やらオタクっぽい話やらのごちゃ混ぜブログ。

行ったことあるとこマップ・北海道編

2014-08-22 23:45:07 | 行ったことあるとこマップ
ラスト!北海道です!
白地図は「Craft MAP」様からお借りしております。

地図見ながら点打ってるけど、目印が少ないから…すごいずれてるかも。真ん中へん特に。
まあ…めっちゃ今更だけど…。

九州編の長崎県のところで書きましたが、北海道は「行きたかったのに、行けなかった場所」でした。
修学旅行で間違いなく行けるはずだと、高校入学時からめっちゃ楽しみにしていましたので、「行けなかった」ショックはかなり大きいものでした。

手元に、今でも大事にしている一枚の絵ハガキがあります。
中学時代にお世話になった、英語教室の先生からのものです。

私はその修学旅行の際に、その先生に椿の石けんをおみやげとして買ってて…これはそのお礼のお手紙です。当時はメールとかもなかったし、高校に入ってからは全然連絡も取っていなかったその先生の家のポストに突然石けんとお手紙をつっこんだ高校生のわたし…。先生は驚いたでしょうね…、すみません。めっちゃお世話になったし、大好きな先生だったので(あ、女性です)(なんで注釈がいるんやろね…)お礼がしたかったんでしょうね。あと、単純に家族以外にも「おみやげ」を買って、渡したかった…んだと思う。
その時添えた手紙はもちろん手元にないので何を書いたかはうろ覚えなんですが、この「お返事」を読む限り、…当時の愚かな私はまた延々と「本当は北海道に行けるはずだったのに」とか愚痴を書いてたんでしょう(恥ずかしい)。先生は大人らしく、優しく、…そんな私をたしなめるような言葉を書いてくれています。
「いなかだけど、けっこういい所だったでしょ?」
「修学旅行でもなかったら、あんまり行く機会のないところだからねぇ…。」

そして、
「北海道なんて、これからなんぼでも行く機会あるよ。」

なのに、当時の私は、その言葉が信じられなかった。大好きな先生が、きっと私を心配して書いてくれた言葉なのに。
「(行けたはずなのに、行けなかった。あんな遠いとこ、もう一生行けないかもしれないのに…!)」
それしか、考えられなかった。そしてずっと嘆いてた。
…重ね重ね、最低ですね…ほんと…。

絵ハガキの最後の行。スペースが足りなくなったのか、少し小さい字で書いてある。
「P.S. このポストカードは北海道の美瑛にある景色です。ぜひ、いつか行ってみて下さい。すごくいいよ。」
…写真は、広々とした丘に、虹がかかっているものだった。
北海道に強く憧れていたけれど、「美瑛」という名前はそれまで知らなくて、
…それからは忘れられない名前になった。
一生、行けないかもしれない遠い場所。
だけどもし、行けることがあれば、ここに行こう。この素晴らしい景色を、自分の目で見に行こう。
そう、強く思った。

…それから10年も経たない間に、
私は、美瑛の地に立っていました。

当時、北海道に住んでいる友人のところへ、こちらの友人達と一緒に訪ねる形で…飛行機にて初上陸。
旭山動物園も楽しかったし、ふらののラベンダーもキレイだった。食べ物もすごくおいしかった。
だけど一番嬉しかったのは、ずっとずっと憧れていた美瑛の美しい景色を、自分の目で見れたこと。
広く、丘が見渡せる場所で車を降りた時、その景色にもう、言葉が出なかった。
思ったことはひとつだけ。
「(…先生、やっと来れました。)」

先生の書いてくれてたことは正しかった。
あの時、あんなに…涙を流さんばかりに嘆くことはなかったんだ。
これからも「なんぼでも」来れる。自分の足で、来れるんだ。

…どこにでも行ける。
憧れの場所に自分で行って、「大好きな場所」にできるんだ。

改めて、昔の愚かだった自分を思い出して…笑いそうになって、気づいた。
憧れの風景に癒されてるのに気づいた。
ああ、こうやって癒してあげてかなくちゃいけないんだ、やっとできたんだって思ったら、泣けた。
その場所に立つ前から、「さすがにあの時の自分は間違ってた」とは思ってたから…(いや実際、五島の方にはこれ以上ないくらい失礼だったんだけど、ホントに…)、その時の自分自身すら味方じゃなくて、ただただ、悔しくて苦しくて泣いてるだけで…。
愚かだった、間違ってた。
でも、あの時やっと、泣き止んでくれたと思う。


…えーとこれ、何の記事やったかな…(今かよっ!)
この、初めての北海道旅行は、私にとってものすごく大切な思い出でしたが、ああいうとても恥ずかしい経緯があるために、今までじっくり書く機会がありませんでした。…ようやく書けました。恥ずかしいですね。でも書けてよかったです。

まだ「なんぼでも」とは言えないかもだけど、実際この後も北海道に行く機会は何度かあって、「特別な場所」ってだけじゃなく…上の白地図も迷わずピンクで塗りつぶす「行ったことのある、大好きな場所」となりました。それが嬉しくてたまらない。
…でもまだまだ、行きたい場所はいっぱいです!
函館行って夜景を見たい!五稜郭見たい!ラッキーピエロのハンバーガー食べたい!
小樽、行ったんだけどほぼ通過だけだったから、じっくりガラス館とか見たい!
あと知床のイルカウォッチングとか…釧路湿原のタンチョウサンクチュアリも見たいし!あと流氷!バリバリ割って進む船に乗りたい!!
そんで写真をいっぱい撮るんだ…。美瑛行った時、もう「時(←デジカメ一眼レフ)」持ってたんだけど、あまりの景色の雄大さに、どこを切り取っていいのかほんとわかんなくて、あんま写真撮れなかったんだよね。次行ったらがんばって撮る!切り取れなくても切り取る!あきらめない!!

北海道の地に降り立つたびに、そしてその時の事を思い出す度に、
「もう、なんぼでも行けるんだよな」って思う。
行けるまでの紆余曲折は、無駄じゃなかった。嘆いて苦しんだけど、無駄じゃなかった。
より北海道という場所が好きになったし、…あんなに遠いところに行けるんだから、日本なら絶対どこだって行けるじゃん!って思えるようになったし。
「行ったことあるとこマップ」…時間はかかってもいいから、自分の中で更新できていけるといいなって思います。ひとつでも、暖色で塗りつぶせる「行ったことあって、大好きな場所」が増えるといいなって…!