夢逢人かりそめ草紙          

定年退職後、身過ぎ世過ぎの年金生活。
過ぎし年の心の宝物、或いは日常生活のあふれる思いを
真摯に、ときには楽しく投稿

優れた書評のひとつには、池谷裕二氏のW.アイザックワン・著『スティーブ・ジョブス』があり・・。

2011-11-19 16:36:36 | 読書、小説・随筆
私は東京郊外の調布市に住む年金生活の67歳の身であり、
過日、読売新聞の日曜版の定例特集記事として、『本よみうり堂』があるが、
最近出版された本を選定し、確か10冊ぐらいの書評が掲載されている。

たまたま私は読んでいて、圧倒的に魅せられた書評があり、深く心に残った。

池谷裕二(いけがや・ゆうじ)氏が、
ウォルター・アイザックソン著(訳・井口耕二)の『スティーブ・ジョブズ』1巻・2巻(講談社)』を書評され、
話題の本であるが私は未読であったが、
氏は脳研究者であり、東京大学准教授をされている方であるので、
読書好きな私は、好奇心さながらに、氏の綴られた書評を精読したのである・・。

結果としては、圧倒的な魅力ある文体で綴られ、優(すぐ)れた書評のひとつと確信を深めた。

先ほど、偶然に読売新聞の基幹ネットの【YOMIURI ONLINE】に於いて、
この書評が掲載されていたので、再読したりした。

http://www.yomiuri.co.jp/book/review/20111107-OYT8T00430.htm
☆【YOMIURI ONLINE】<==【本よみうり堂】
<==『書評』 池谷裕二 
        ウォルター・アイザックソン著(訳・井口耕二)の『スティーブ・ジョブズ』1巻・2巻(講談社)☆

この中の書評文の中で、特に圧倒的に魅せられたのは。
《・・
若いうちに成果を残さねば――夭折(ようせつ)を予期したのか、急(せ)き立てられるように生き抜いた。
「幸運だった」と当人が振り返るその人生は過剰な刺激に侵蝕(しんしょく)され、
本当に幸せだったのかと凡庸な私は疑いたくなる。

常にもがき、戦い、挑んだ。スマートな生き方ではない。
偏執的な完璧主義。辟易(へきえき)するほどの自己顕示欲。
現実を歪曲(わいきょく)する虚言癖。傲慢で攻撃的。ときに酷薄で奸計(かんけい)高い。
人格障害さえ疑われる複雑な性格は、社会的成功へと導く不可分な矛盾だろう。
・・》
注)原文にあえて改行を多くした。

もとより書評は、単に「あらすじ」をまとめるのではなく、
書評であるならば少なくとも著作者への思考の発露、
そして本書の綴られた内容の表現の筆力、行間に秘められた著作者への深い洞察力の思い、
こうしたことが表示されなければ、読む方の余りにも単純で、つまならい時間の無駄の書評となるのである。

今回、改めて池谷裕二氏の綴られた書評は、私は初めて読み、未知の人であるが、
圧倒的な優(すぐ)れた表現力に感銘さえ覚えている。

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