備忘録として

タイトルのまま

The Good Lie

2015-01-31 15:00:13 | 映画

「The Good Lie」2014、監督:フィッペ・ファラデュー、出演:リース・ウィザースプーン、スーダン内戦の難民(Lost Boysと呼ばれる)がアメリカに渡り、自分のアイデンティティーとアメリカ社会への順応に悩み葛藤しながらもアメリカで生きる実話をベースにした映画である。実際のLost Boysたちが出演し難民役を演じている。スーダンのあるが武装グループに襲われ両親が惨殺され、兄弟とその仲間たちはジャングルをさまよい逃げる。ライオンが仕留めたエサをハイエナのように横取りしなければ生きていけないほど逃避行は過酷で、体の弱い小さな子供から順に死んでいく。武装グループに遭遇したとき、長兄のセオは自ら捕らわれ兄弟たちの身代わりとなり仲間を逃がす。生き残った4人はやっとの思いでケニヤの難民キャンプにたどり着く。キャンプで成人した彼らはアメリカへの移民が認められ、男3人はカンサスに妹はボストンに引き取られる。兄妹離ればなれになるが、彼らをサポートするキャリー(ウィザースプーン)らの助けもあり、習慣の違いに苦しみながらも地域に溶け込み始める。ここは「Million Dollar Arm」のインド人大リーガーと似ている。医者志望のマメールは夜間学校に通い始める。授業で、マーク・トウェインの小説『ハックルベリー・フィンの冒険』のハックがついた嘘とスーダンで武装グループに遭遇したときに長兄セオが自分たちを逃がすためについた嘘を重ね合わせ、先生の質問に、人を救う嘘はGood Lieだと答える。

映画でハックの言った嘘の内容を覚えていないのだが、おそらく以下の箇所だと思う。ハックと黒人のジムがいかだで川を下っていたところに、逃亡黒人を追ってきたハンターが近寄ってきて向うのいかだにいるのは白人か黒人かとハックに尋ねる。ハックはいかだにいるのは白人で自分の父で病気だと返事をする。ハンターたちは自分で確認しようとするのに対し、ハックは”ちょうどよかった。ついでにいかだを岸に引いてください。誰も僕らを助けてくれないから。”と答えたところ、ハンターの一人が、”嘘だ!奴は天然痘だ!”と叫び去って行った。こうして、ハックとジムは助かる。

上の挿絵と全文がこのWeb-siteに載っている。http://www.gutenberg.org/files/76/76-h/76-h.htm#c16-126

"Well, there's five niggers run off to-night up yonder, above the head of the bend.  Is your man white or black?" I didn't answer up prompt.  I tried to, but the words wouldn't come. I tried for a second or two to brace up and out with it, but I warn't man enough—hadn't the spunk of a rabbit.  I see I was weakening; so I just give up trying, and up and says: "He's white." "I reckon we'll go and see for ourselves." "I wish you would," says I, "because it's pap that's there, and maybe you'd help me tow the raft ashore where the light is.  He's sick—and so is mam and Mary Ann." "Oh, the devil! we're in a hurry, boy.  But I s'pose we've got to.  Come, buckle to your paddle, and let's get along." I buckled to my paddle and they laid to their oars.  When we had made a stroke or two, I says: "Pap'll be mighty much obleeged to you, I can tell you.  Everybody goes away when I want them to help me tow the raft ashore, and I can't do it by myself." "Well, that's infernal mean.  Odd, too.  Say, boy, what's the matter with your father?" "It's the—a—the—well, it ain't anything much." They stopped pulling.  It warn't but a mighty little ways to the raft now. One says: "Boy, that's a lie.  What is the matter with your pap?  Answer up square now, and it'll be the better for you."  "I will, sir, I will, honest—but don't leave us, please.  It's the—the—Gentlemen, if you'll only pull ahead, and let me heave you the headline, you won't have to come a-near the raft—please do." "Set her back, John, set her back!" says one.  They backed water.  "Keep away, boy—keep to looard.  Confound it, I just expect the wind has blowed it to us.  Your pap's got the small-pox, and you know it precious well.  Why didn't you come out and say so?  Do you want to spread it all over?" "Well," says I, a-blubbering, "I've told everybody before, and they just went away and left us.""Poor devil, there's something in that.  We are right down sorry for you, but we—well, hang it, we don't want the small-pox, you see. 

マーク・トウェインの『ハックルベリー・フィンの冒険』は、ニガーという黒人を表すことばを多用するなど今の基準では人種差別的表現が多く、アメリカでは評価が割れていて、発禁や学校の図書館に置かないところもあるという。子供のころ読んでいた「ちびくろサンボ」が本屋から消えたことを思い出す。表現の自由とは言いながらムハンマドの風刺画も基本的には同じ問題を含むような気がする。

ジャングルで離ればなれになった長兄セオがケニヤの難民キャンプにいるという情報を得て、マメールはセオを助け出すためケニヤに渡る。マメールは難民キャンプでセオと再会を果たすが、セオがアメリカに渡るビザは発給されなかった。マメールが最後につく”Good Lie”に胸が熱くなる。★★★★☆

「The Equalizer」2014、監督:アントイン・フーカ、出演:デンゼル・ワシントン、クロエ・グレース・モレツ、メリッサ・レオ(The Fighter)、懐かしいGradys Knight & The Pipsの「Midnight Train to Georgia」が流れた。24,5歳のころ、Walkman発売前のモノラル音響の小型テープレコーダーを通して毎晩繰り返し繰り返し聞いていた。都会で夢破れ夜行列車で故郷に帰る男に向かって、私もついて行くと高らかに宣言する歌である。”The dreams don't always come true.”夢は必ずしも叶うものじゃない。” going back to find the simpler place and time"もっと優しい場所と時間を見つけるために帰る。”I'd rather live in his world than live without him in mine.”私は彼なしで生きるよりむしろ彼と生きていく。歌の後半、”For love, gonna board, gotta board the midnight train to go ”愛のために乗車すると何度も繰り返し、最後は”I got to go, I got to go”と絶叫しながら歌はFade outして終わる。Youtubeに歌詞付きがあった。https://www.youtube.com/watch?v=meaVNHch96o 

Gradys Knightの歌と映画のストーリーにあまり関係はない。強いてあげるとすれば、歌手を夢見るテリー(クロエ・グレース)は、ロシアマフィアのために客引を強要され、それを拒否したことで激しい暴行をを受けるが、最後は地道に生きる決意をするところかもしれない。元CIAエージェントで今は静かに暮らすロバート(デンゼル・ワシントン)は、彼女のためにマフィアを抹殺することになる。デンゼル・ワシントンが超人的能力で悪漢を裁く暴力シーンは過激である。ストーリーは単純で、元CIAの凄腕エージェントという設定はデンゼル・ワシントンの前作「Safe House」と同じだった。忘れかけていた懐かしい歌が聞けたので、★★★☆☆

「Eternal Sunshine in the Spotless Mind、邦題:エターナル・サンシャイン」2004、監督:マイケル・ゴンドレイ、出演:ジム・キャリー(Christmas Carolなど)、ケイト・ウィンスレット(タイタニック、Holiday)、キルステン・ダンスト(スパイダー・マン、Upside Down)、イライジャ・ウッド(LOR)、恋人クレメンタイン(ウインスレット)が自分との記憶を消したことを知ったジョエル(ジム・キャリー)は、自分も彼女の記憶を消す決心をする。記憶抹消を扱う病院で記憶を順次消していく中、ジョエルは無意識下の抵抗をする。病院助手のパトリック(イライジャ)はジョエルの記憶を利用してクレメンタインを誘惑していた。また、病院の受付のメアリー(キルステン・ダンスト)は自分が不倫相手の医者との記憶を消したことを知らされる。混乱したメアリーは病院に保管されていた依頼人の記録をそれぞれの依頼人に送り付ける。ジョエルとクレメンタインは送られてきたテープを聞きながら、かつて抱いていたお互いの思いを知る。映画では、ジムの頭の中の記憶と現実、現在と過去のストーリーが交互に語られ一度見ただけでは理解するのが難しい。特に、映画の冒頭、ジョエルとクレメンタインが海岸で出会いお互い惹かれあう場面は、実は二人が記憶を消したあとのことで、その海岸は二人の思い出の場所だったのである。二人の古い恋愛と新しい恋愛が同時進行するので、混乱せずに映画を観るのは大変である。いずれにしても、記憶を消した二人が偶然運命の再会をするということは、人間の本性あるいは深層心理が不変だということを示している。Eternal Sunshine in Spotless Mind(曇りのない心の中の永遠の太陽光=不変の深層心理)というタイトルが映画のテーマそのものであることに気付く。これは映画「The Vow、君への誓い」と同じである。二度鑑賞し、テーマはこれで決まりだと思うのだが違うかもしれない。★★★☆☆

「バニラスカイ」2001、監督:キャメロン・クロウ、出演:トム・クルーズ(Live Die Repeatなど)、ペネロペ・クルーズ、キャメロン・ディアズ(The Holidayなど)、カート・ラッセル、金と美貌をあわせ持ち世の中自由にならないもののないデイビッド(トム・クルーズ)は次々と女を変える。友人のつきあっている女(ペネロペ・クルーズ)と仲良くなるうちに、捨てた女(キャメロン・ディアズ)の自殺行為によって事故に遭い顔面を損傷する。美貌を損ない精神が病んでいく過程が重い。勝手気ままに生きていた金持ちの転落を描くアメリカ映画は多い。映画「エターナル・サンシャイン」と同じように、現実とデイビッドの深層心理の場面が交錯し話が難解になるが、再鑑賞して確認する気力もないので映画の評価は適当である。★★☆☆☆

「Tracks」2013、監督:ジョン・キュラン、出演:ミア・ワシコウスカ、オーストラリアをラクダで横断する女性の実話。横断中にこれといった出来事はなく、最大の衝撃が、愛犬が誤って毒を口に入れ苦しむので安楽死させる場面だった。縦断を成し遂げた達成感はあったと思うが、一人で横断した意味と意義、そして彼女が何を得たのかが伝わってこなかった。結局この冒険では、愛犬とラクダとアボリジニだけが信頼できて、文明人はうっとうしくて信用ならないということがわかっただけだったような気もする。★☆☆☆☆

「Guardians of Galaxy」2014、マンガの実写版。IMDbの評価点が高いのに驚いた。観た自分が馬鹿だった。こっちは星ゼロ。

「The November Man、邦題:スパイ」2014、元CIAエージェントがCIAエージェントの妻がCIAに殺されたことを知り元同僚たちと戦う。主人公のピアース・ブロスナンはアクションに切れがない。これも星ゼロ。

「Expendables 3」2014、昔のアクションスター勢ぞろいの豪華配役だったが、年寄のアクションを見せられてもスタントとの入れ替えが大変だろうなと映画と関係ないところが気になった。これも観た自分が悪い。星ゼロ。


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