備忘録として

タイトルのまま

人生を二度生きる

2012-05-05 13:46:53 | 映画

井上陽水は”人生が二度あれば”と唄ったが、仮に二度あっても人間は必然的に同じ人生を繰り返す。かも。

「The Vow(邦題:君への誓い)」2012、監督:マイケル・スーシー、出演:レイチェル・マクアダムス(Rachel McAdams)、チャニング・テイタム、妻は交通事故のため、夫と出会う以前の記憶は残るが、夫との出会いから以降の記憶を失くしてしまう。妻は夫を受け入れられず、断絶していたはずの実家に戻り、かつての婚約者と出会い動揺し、辞めたはずのLaw Schoolに入り、という夫と出会う前の生活を再び始める。夫は自分を受け入れられない妻の愛を取り戻せるか、というお話。妻が途中で記憶を取り戻しHappy Endという映画だったら観るのを放棄していたかもしれないが、そうではなくて妻は記憶を失くした期間の人生を必然的にくり返していくのである。そういえばレイチェル・マクアダムスは「The Time Traveler's Wife」でも幼い時に出会ったTime travelerと必然的に結ばれる役を演じていた。愛は必然なのだ。レイチェル・マクアダムスは今売出し中で「シャーロック・ホームズ」や「Morning Glory」にも出ている。どことなく若いころのジェーン・フォンダに似ている。ような気がする。★★★★☆

左:The Vow (IMDb)                                   右:The Time Traveler’s Wife (IMDb)

左:アイリーン・アドラー役Sherlock Holmes A Game of Shadows (IMDb) 右:Morning Glory (IMDb)

「Morning Glory(邦題:恋とニュースのつくり方)」2010、監督:ロジャー・ミッシェル、出演:レイチェル・アダムス、ハリソン・フォード、ダイアン・キートン、視聴率の振るわない弱小テレビ局の若いプロデューサーが、盛りが過ぎて犬猿の仲の二人のベテランキャスター・ハリソン・フォードとダイアン・キートンを使って視聴率をあげることに奮闘する。出演者の掛け合いが面白く、また昔見たアンカー・ウーマンを思い出した。ハリソン・フォードも「God Father」のダイアン・キートンも確実に老いてるがいい味を出していた。ダイアン・キートン(当時57才)はジャック・ニコルソンと共演の「Something Gotta Give(邦題:恋愛適齢期)」2003でヌードを披露したのには驚いた。★★★☆☆

次は、妻を亡くし残された家族を描いた映画2編

「We bought a Zoo(邦題:幸せへのキセキ)」2011、監督:キャメロン・クロウ、出演:マット・デイモン、スカーレット・ヨハンセン、妻を病気で亡くし、息子と娘と夫の残された家族全員が立ち直れない中、つぶれかけの動物園のオーナーになり、次の人生に踏み出すという話。妻との思い出、母親の記憶は残されたものたちにとっては宝物なのだ。飼育係のスカーレット・ヨハンセンと安易にくっつかないマット・デイモンもよかった。動物には喪失感を癒す力があるのだ。★★★★☆

「The Descendants(邦題:ファミリーツリー)」2011、監督:アレクサンダー・ペイン、出演:ジョージ・クルーニー、シェイリーン・ウッドリー、死んだ妻が浮気をしていたことがわかり、浮気相手を突き止めようとする夫は、母親の浮気を知って家を出ていた娘と再生活を始める。「We Bought a Zoo」のような感動が何もない映画だった。妻が事故死し残された家族の悲劇を深刻にせず喜劇にするところまでは「We Bought a Zoo」と同じなのだが、浮気した妻をとことん悪者にしたため映画が薄っぺらになってしまった。ハワイの自然が守られたのでおまけして、★★☆☆☆

上のふたつは残された家族を描く同じ設定の映画だが、「We Bought---」でなく、「The Descendants」がアカデミー作品賞にノミネートされたというから審査員の感性がわからない。下の「Hugo」もアカデミー賞をいっぱい取った話題作だが面白くなかった。

「Hugo(邦題:ヒューゴの不思議な発明」2011、監督:マーティン・スコセッシ、出演:ベン・キングズレー、エイサ・バターフィールド、クロエ・グレース・モレッツ、サシャ・バロン・コーエン、、謎の機械仕掛けの人形が動きだし不思議な冒険が始まるという予想は見事に裏切られた。ジュール・ヴェルヌの「月世界旅行」の映画創世記へのオマージュと美しい映像だけでは星はあげられない。★★☆☆☆

「Tower Heist(邦題:ペントハウス)」2011、監督:ブレット・ラトナー、出演:ベン・スティラー、エディ・マーフィー、久しぶりにエディ・マーフィーをみたが昔の輝きはなかった。ベン・スティラー得意のドタバタ映画。★★☆☆☆

「A Big Hand for the Little Lady(邦題:テキサスの五人の仲間)」1966、出演:ジョアンナ・ウッドワード、ヘンリー・フォンダ、ポーカーの手に銀行家が大金を投資するのを印象的に覚えていて、シンガポール航空のClassicの中にこの映画を見つけて真っ先に観た。ジョアンナ・ウッドワードは好きだったポール・ニューマンの奥さん。いつ観たか覚えていないが、後の「スティング」や「マーヴェリック」に繋がるあっと驚く詐欺の手口が懐かしい。★★★☆☆


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