備忘録として

タイトルのまま

大都会のカワウソ

2018-02-24 19:08:48 | 東南アジア

 上の写真は、今日ジョギング中にFlower Dome(『風の谷のナウシカ』のオームのような建物)近くで撮影したカワウソ注意の看板である。カワウソに出会ったらどうするかの注意書きもある。シンガポールのカワウソは、NHKの『ダーウィンが来た』2017年7月9日放送”驚き!!大都会のカワウソ家族”や『ワイルドライフ』2018年2月5日放送”シンガポール大都会カワウソ家族 仁義なき争いを勝ち抜け”で紹介されたので、マリナベイ周辺をジョギングするときは、すぐ写真が撮れるように準備をして走っている。残念ながらカワウソに遭遇したことはまだない。

上の2つの写真は『513話ダーウィンが来た』より

 放送によると、ここにはビシャン一家という昔の任侠集団のような名前が付けられたカワウソ一家が棲みついている。1980年以前は海で、1980年代始めに埋め立てられ最近までカワウソはいなかった。2008年に埋立地の先端に堰(ダム)がつくられ、内部は貯水池(Marina Bay)として淡水化された。貯水池は浄化され、時間とともに魚が棲み、埋立地にはFlower Dome、Supertree Grove(大きな木のモニュメント)、自然遊歩道、人工池などからなる”Garden by the Bay”がつくられた。そこにマレーシアからカワウソ一家が移住してきたのだ。シンガポールには、北部の一部や中央の環境保護区を除き本当の自然はほとんど残っていない。しかし、シンガポールを一歩出たマレーシアには手つかずの自然の河川やマングローブの繁茂した海岸が残り、カワウソをはじめ多くの野生生物が生息している。シンガポールの人工の貯水池や公園が、カワウソの生息に適するようになったということだ。

 考えてみると、日本の里山も村人が長い年月をかけて自然と共生しながら造り出したもので、シンガポールの大都会の自然環境は形態は異なるが基本的には里山と同じだと思う。大都会の環境が生物を育み、長い年月の間にそれが自然と同化する。造った環境が劣悪だったら、何者も来ず、不毛の人工物で終わってしまうだろう。そういう意味でシンガポールの建設面での国造りは今のところ成功しているのかもしれない。シンガポールは何もかも人工物だと否定してはいけないのだ。

 貯水池ではドラゴンボートの練習をしていた。街は春節真っ盛りである。


オリエント急行殺人事件

2018-02-12 20:55:06 | 映画

 『Murder on the Orient Express:邦題:オリエント急行殺人事件』2017、原作:アガサ・クリスティ、監督:ケネス・ブラナー、出演:ケネス・ブラナー、ジョニー・デップ、ミシェール・ファイファー、デイジー・リドリー(SW7, SW8)、イスタンブールとロンドンを結ぶオリエント急行で殺人事件が起こる。アガサ・クリスティ原作、ベルギー人探偵エルキュール・ポアロが主人公の推理小説を映画化したもので、1974年のリメイクである。エルキュール・ポアロをアルバート・フィニーが演じた1974年版『オリエント殺人事件』は封切当時、仙台の映画館で観て結末に驚愕したことを思い出す。殺人犯は忘れようもなく結末はわかっていたのだが、事件の背景にある関係者の深い怒りと悲しみに感情移入した。1974年当時は事件の結末に驚愕したため気にもとめなかったが、今回、12人の容疑者の背景を短時間にすべて解き明かすポアロの推理には無理があると思った。結末を知っていた余裕の所為かもしれない。ポアロがイスタンブールに到着しブルーモスクの尖塔がボスポラス海峡から見える場面は行ったことがあるだけに感慨深かった。★★★☆☆

 ヨーロッパ各国を結ぶ豪華列車があることを知ったのは、この映画だった。1993年、ヨーロッパのオリエント急行を模して、シンガポールとバンコクを結ぶイースタン・オリエンタル・エクスプレスと呼ばれる豪華列車が運行を始めた。その間のマレー鉄道は電化されておらずディーゼル車がけん引する普通列車はシンガポールとクアラルンプール間を約7時間で結んだ。自分はマレー鉄道に乗る機会はなかったが、日本人小学校の修学旅行はマレー鉄道でクアラルンプールへ行ったので子供たちは利用している。2011年マレー鉄道はシンガポール内での運行が停止し、マレーシアのジョホール・バルが終点になった。今は、クアラルンプール・シンガポール間約350kmを1時間半ほどで結ぶ高速鉄道が計画され、日本、中国、フランス、ドイツ、韓国が入札に参加するはずである。インドやインドネシアでの高速鉄道導入の経緯から、中国と日本が有力視されている。

 アガサ・クリスティー原作でポアロシリーズの映画『ナイル殺人事件』1978は、『オリエントーーー』が面白かったことと、当時の売れっ子俳優が多数出る豪華配役(ミア・ファーロー、オリビア・ハッセイ、ディビッド・ニーブン等)だったので期待して観たが、『オリエントーーー』には遠く及ばなかった。次作の『地中海殺人事件』1982は、『世界殺人公社』のダイアナ・リグが出演していなければ観ていなかった。この映画でダイアナ・リグは陰険な富豪婦人を演じていて、コケティッシュな可愛い女のイメージが壊れ、”観なければよかった”とがっくりしたことを思い出す。そのため、その後も公開されたポアロの映画はすべてパスした。

『スパイダーマン・ホームカミング』2017、監督:ジョン・ワッツ、出演:トム・ホーランド、マイケル・キートン、ロバート・ダウニー・Jr、マリッサ・トメイ、3人目が演じるスパイダーマンなので、今更感が強かったのが観るものがなくて手をだしてしまった。アイアンマン(ロート・ダウニーJr)が出てきて、アベンジャーズの一員になるマーベルコミックになってしまった。★★☆☆☆

『Kingsman・The Golden Circle』2017、監督:マシュー・ボーン、出演:タロン・エガートン、コリン・ファース、マーク・ストロング、ジェフ・ブリッジズ、ジュリアン・ムーア、キングスマン前作で主人公のコリン・ファースが記憶喪失になって出てくる。ジュリアン・ムーアがサイコの悪役ボスで、麻薬に仕込んだ毒物で世界征服とキングスマンの壊滅を画策している。Elton Johnが本名で出てくる。この映画を観た後、ツアーをやめるというニュースが流れた。★★☆☆☆