今日は朝9:30から「ALWAYS 三丁目の夕日’64」3Dを近所のシネコンで観た。前2作と同様、泣き笑いの至福の2時間半だった。今作ではいい写真がなかったので、前作の「続三丁目の夕日」のポスターを公式サイトから拾ってきた。今回の「三丁目の夕日」は、1964年(昭和39年)東京オリンピック年の話である。その年、私は小学四年生で、時代の息吹は映画と同じだった。四国に新幹線はなかったけれど、東京オリンピック、シェー、ひょっこりひょうたん島、コーラは田舎にもやって来た。でも実物のエレキギターを見たのは東京オリンピックから2年後だった。カラーテレビはそのさらに2~3年後に我が家に来た記憶がある。劇中、冒険少年ブックという少年雑誌が出てくるが、自分は小学館の月刊誌「小学四年生」を読んでいた。覚えているのは鉄人28号のような大きなロボットが出てくる横山光輝の「鉄のサムソン」という漫画である。「小学四年生」には茶川の書いていたようなSFの読み物もあり漫画同様好きだった。当時の少年雑誌は、「少年マガジン」や「少年サンデー」などの週刊誌、「冒険王」や「少年画報」などの月刊誌があり、友達から借りて読んだそれらの雑誌は、小学生にとってテレビ以外では唯一の情報源だった。オリンピック年で流行ったのは、何と言っても忍者物である。漫画の「伊賀の影丸」、テレビアニメの「少年忍者 風のフジ丸」、テレビでは「隠密剣士」や「忍者部隊月光」など忍者ものは大流行だった。だから学校でも放課後も休日も忍者ごっこに明け暮れた。「三丁目の夕日」で忍者ブームが出てこなかったのは、淳之介や一平が高校生(中学生?)になっていた所為かもしれない。
「ALWAYS 三丁目の夕日’64」2012、監督:山崎貴、出演:吉岡秀隆(茶川竜之介)、堤真一(鈴木オート社長)、小雪(ヒロミ)、堀北真希(六ちゃん)、薬師丸ひろ子(鈴木オートのおかみさん)、須賀健太(淳之介)、小清水一輝(一平)、吉岡秀隆は「北の国から」のジュンや寅さんの甥の満男のイメージのままなのだが、もう41歳になったらしい。残念だったのは、映画の最後の夕陽だ。六ちゃんが新婚旅行の新幹線から見る夕陽も、夕日町の人たちがそれぞれ見上げる夕陽も、もったいぶって見せず、最後に主人公の吉岡と小雪が赤ん坊を抱いて見上げるところから視点が空にせり上がり、東京タワーの向こうに夕陽が姿を見せるのだけれど、その夕陽が、観客に気を持たせたにしては、特徴のないぼやっとした夕陽なのである。前作の日本橋から見る夕陽同様の素晴らしい夕陽を期待していたのに。私の心象風景にある50年前の夕陽は、赤くて大きくて少し縦にへしゃげた楕円の夕陽が周りの雲と街を赤く染めるノスタルジーいっぱいの夕陽なのである。そんな夕陽を再現して欲しかった。それでも、★★★★★