英文Wikiの外部リンクにあったUniversity of Californiaの物理学専攻の研究者の論文”Can hot warter freeze faster than cold warter?”に、以下の複合的な理由を上げていた。(一部意訳)
1.温かい水は蒸発量が多く、水量が減り冷却に要するエネルギーが少なくて済む。
2.温かい水は溶存ガスが少なく熱対流が起こりやすくなり冷却効率が上がり単位当たりの熱量が少なくて済む。または、溶存ガスがないことで氷になる温度が0℃より高くなる。
3.温かい水は全体に温度が不均質で表面が熱く容器の底が冷たいので、熱対流が冷たい水より早く起こり冷却効果を上げる。(この部分の原文を理解するのが難しかったのでこれは自己流解釈による)
4.周辺環境の影響。冷たい水を入れた容器の周辺部と温かい水の容器の周辺では環境が異なってくる。例えば、冷却装置に霜がついていたら温かい水は霜を溶かし冷却効果が上がる。
5.過冷却現象(Supercooling)が重要な要素である。温かい水は-2℃で凍るが、冷たい水は-8℃で凍る過冷却現象というものがある。ただし、実験で確認されても、この過冷却現象の説明ができていないので、過冷却をムペンバ効果の原因とすることは疑問をすり替えただけになるのだ。
結局ムペンバ効果は、まだ全面的に解明されていないのだ。
ムペンバ効果は、35℃と5℃の水で効果が最大限に発揮されるらしい。ムペンバ君はこれを発見した時に学校で変人扱いを受けたそうだ。たまたま彼の高校を訪れ、ムペンバ君の意見を取り上げた物理学者のオズボーン博士が、大槻教授のような人であり、後日実験で確認することもなかったなら、ムペンバ効果は世に問われないままだった。合理的な科学者は理論に囚われているが故に、直感的に理論的でない現象を容認できないのである。超常現象と対決してきた大槻教授ならなおさらである。私も科学万能癖が強い上に頑迷で、納得できないことには聞く耳を持たないことが多く、虚心坦懐を心がけようと前々から思っているのだが、よく忘れる。
なお、ムペンバ効果を1963年に発見したムペンバ君は、今60歳前後で、アフリカ森林および野生動物委員会(African Forestry and Wildlife Commission)で働いているそうだ。