8/7~週の日経平均は、米国と北朝鮮が非難合戦を繰り広げ、地政学リスクが
高まった事による、円高の動きが優勢となり、日経平均の下落要因となりました。
結局、日経平均は週間で222円(↓1.12%)下落し19729円の大引けでした。
さて、8月第3週(8/14~8/18)主なイベントと予定は、下記1.の通りです。
明日からのポイントは、北朝鮮を巡る地政学リスクへの警戒が継続するものの、
下げ過ぎているので、自律反発と下ひげ陽線からの戻りに期待したい。日本株の
出遅れ感は益々顕著で、割安感があり、個別物色の展開から、どこまで戻せるか、
正念場の1週間を想定している。
日経平均、8月第3週(8/14~8/18)レンジは19300円~19850円程度を
想定しています。
1.8月第3週(8/14~8/18)主なイベントと予定
8/14
日本 第2四半期GDP速報値
中国 7月小売売上高
中国 7月鉱工業生産
NZ 第2四半期小売売上高
8/15
日本 7月マンション発売
米 7月小売売上高
米 3月NY連銀製造業景況指数
米 国債償還 3年債(270億ドル)
国債償還 10年債(280億ドル)
国債償還 30年債(140億ドル)
米 ホーム・デポ、コーチ 各決算
独 第2四半期GDP速報値
英 7月小売物価指数
英 7月消費者物価指数
英 7月生産者物価指数
8/16
日本 7月訪日外国人客数
米 FOMC議事録(7/25、26日分)
米 7月住宅着工件数
米 7月住宅建設許可件数
米 週間原油在庫統計
米 ターゲット、シスコシステムズ 各決算
英 7月失業率
8/17
日本 7月通関ベース貿易収支
米 7月鉱工業生産(7月)
米 7月景気先行指数(7月)
米 新規失業保険申請件数(7/12日までの週)
米 ウォルマート、ギャップ、アプライド・マテリアルズ 各決算
米 ダラス連銀総裁、講演
豪 7月雇用統計
NZ 第2四半期生産者物価指数
EC ECB議事録
8/18
米 ミシガン大学消費者信頼感指数 速報
米 ディア 決算
米 ダラス連銀総裁、講演
中国 不動産価格指数
独 生産者物価指数
2.NY市場、為替/債券 各結果(8/11)
今日のNY為替市場はドル売りが優勢となった。朝方発表の米消費者物価
(CPI)が予想を下回る内容だった事がドルを圧迫した。年内の米利上げ期待
が後退し、CMEがFF金利先物の取引から算出してるFEDウォッチでは年内
の利上げ確率は36%程度まで下がっている。 前日は47%程度だった。
とはいえ、コアCPIは小幅ながらも4ヵ月連続で前月比増加して、前年比では
1.7%を維持している。利上げが全くできないというほどの弱さでもなく、この
先の指標を更に確認したい面もある。
先週の米雇用統計が強かったことからムードに変化も期待されたが、北朝鮮
問題などでリスク回避の雰囲気も広がり、今週のドルは上値の重い展開と
なった。きょうのCPIの発表がダメ押しとなりドル反転への期待は一旦完全に
後退している。
ドル円は一時108.75付近まで下落する場面も見られた。米株が反発していた
ことでそれ以上の下げはなかったが、ポイントとなっていた108.80水準を一旦
下回っている。108.80水準を完全にブレイクするようであれば、4月に付けた
年初来安値108.15付近が視野に入る。
一方、ユーロドルは買戻しが強まった。ロンドン時間の1.17台半ばから1.18
台を回復した。一時1.1845付近まで上昇。
ユーロ高についてECBも頭を悩ませているものと思われる。1.20を超えて
ユーロ高が進むようであればインフレ見通しに確実に影響する。景気回復の
兆候が強まっており、それをもってECBは出口戦略に乗り出そうとしている。
しかし、インフレに関しては期待が高まりそうな気配はない。米国もインフレ
鈍化傾向が見られているが、ユーロ圏も歩調を合わせるように同様の傾向が
見られている。
現段階ではECBが具体的にユーロ高是正に何らかの行動を取るとの見方は
少ないが、秋にも言及すると見られている出口戦略が市場の期待よりも緩や
かな可能性は留意される。現在の市場のコンセンサスは、現状月間600億
ユーロのペースでの資産購入を年内まで続け、来年の上半期は月間400億
ユーロに購入ペースを縮小することがコンセンサスとなっている。
ポンドも上昇し、ポンド円は200日線が控える142円ちょうど付近まで戻し
ている。前日は200日線を割り込む動きとなり下値警戒感も強まっているが、
来週以降の動きが注目される。
来週は英重要指標が目白押しとなる。英消費者物価(CPI)や英雇用統計、
そして英小売売上高などが予定されている。ただ、先週の英中銀金融政策
委員会(MPC)を受けて英利上げ期待は完全に後退しており、その期待を
確認する週になりそうだ。 http://klug-fx.jp/fxnews/detail.php?id=385217
米国債利回り
2年債 1.290(-0.035)
10年債 2.189(-0.009)
30年債 2.786(+0.013)
期待インフレ率 1.796(-0.019)
※期待インフレ率は10年債で算出
今日のNY債券市場で10年債利回りは低下。この日発表の米消費者物価
(CPI)が予想を下回る内容だったことで、年内の米利上げ期待が後退して
いる。CMEがFF金利先物の取引から算出しているFEDウォッチでは年内
の利上げ確率は36%程度まで下がっている。前日は47%程度だった。
特に政策金利に敏感な2年債利回りの下げが目立っていたことがその表れで
あったように思われる。
とはいえ、コアCPIは小幅ながらも4ヵ月連続で前月比増加して、前年比
では1.7%を維持している。利上げが全くできないというほどの弱さでも
なく、この先の指標を更に確認したい面もある。
この日もカプラン・ダラス連銀総裁とカシュカリ・ミネアポリス連銀総裁の
2人の米地区連銀総裁の発言が伝わっていたが、2人ともハト派色が強い
総裁でもあり、年内利上げには慎重な見解を示していた。
2-10年債の利回り格差は90(前日87)に拡大。短期ゾーンの下げに
伴うブル・スティープ化の動き。 http://klug-fx.jp/fxnews/detail.php?id=385216
3.NY株式市場 結果(8/11)
NY株式11日
ダウ平均 21858.32(+14.31 +0.07%)
S&P500 2441.32( +3.11 +0.13%)
ナスダック 6256.56(+39.68 +0.64%)
CME日経平均 19420 (大証比:-290 -1.50%)
今日のNY株式市場でダウ平均は小反発。北朝鮮問題の緊迫化で前日のダウ
平均は200ドルを超える下げとなったが、序盤は朝方発表になった米消費者
物価(CPI)が予想を下回ったことで利上げ期待が後退し買戻しも入っていた。
ダウ平均も一時67ドル高まで上昇したが、北朝鮮問題も燻る中、上値では
利益確定売り出て伸び悩んでいる。
北朝鮮問題に関して、きょうもトランプ大統領から挑発的なメッセージが出て
いたが、市場は軍事行動が起きると見ている向きは少ない。ただ、テールリスク
としては意識されており警戒感を高めている。
夏休み期間中ということもあり市場参加者も少ない中、再び最高値を目指そう
という雰囲気までは出ず、次の材料待ちといったところのようだ。
前日急騰していたVIX指数(恐怖指数)はきょうは低下した。
セクターではエネルギーや銀行株の下げが目立つ一方で、IT・ハイテク株へ
の買い戻しが強まっており相場を支えている。
ダウ採用銘柄ではJPモルガンやゴールドマンが下落しているほか、エクソン
モービル、シェブロン、ファイザーも軟調。一方、アップル、マイクロソフト、
シスコが上昇している。
ナスダックも反発。エヌビディアは決算を受けて下げているものの、その他の
アマゾンやアップル、フェスブック、アルファベットなど主力株は上昇。
スナップチャットを運営するスナップが大幅安。前日引け後に4-6月期決算を
発表しており、利益、売上高とも予想を下回ったほか、1日アクティブユーザー
数も予想を下回ったことが嫌気されている。
エヌビディアが大幅安。クラウドやAI関連のデータセンター部門や自動運転
部門の売上高が予想以上に伸びず失望感に繋がっている。
きょうも百貨店の決算が幾つか発表されており、明暗が分かれている。ノード
ストロムとJCペニーが5-7月期の決算発表しており、ノードストロムの
既存店売上高は予想外の増収だったものの、JCペニーは予想以上の減収と
なった。JCペニーは大幅安。 http://klug-fx.jp/fxnews/detail.php?id=385214
4、NY市場、原油先物9月限/金先物12月限 各結果(8/11)
NY原油先物9月限(WTI)
1バレル=48.82(+0.23 +0.47%)
ブレント先物10月限(ICE) 51.99(+0.09 +0.17%)
NY原油は小反発。国際エネルギー機関(IEA)が発表した月報で7月の世界
原油生産高が前月比で23万バレル増の日量3284万バレルとなり、今年最高
を更新したことで序盤から中盤にかけ小幅安となり、期近9月限が48ドル割れ
を試す場面があった。しかしドル安に支援され買い戻され、プラスサイドに浮上
し、自律修正高となった。 http://klug-fx.jp/fxnews/detail.php?id=385224
、NY金先物12月限(COMEX)
1オンス=1294.00(+3.90 +0.30%)
NY金は続伸。12月限は序盤から中盤は短期的な買い過剰感から上げ一服感が
出たが、北朝鮮・米国間の緊張が一段と増し、強基調が揺らぐことはなく、終盤
にかけてジリ高となり、1298.1ドルまで上昇し、直近の高値更新の動きと
なった。ニューヨークダウは小反発したが、ドル安継続も追い風。
http://klug-fx.jp/fxnews/detail.php?id=385223