今日こんなことが

山根一郎の極私的近況・雑感です。職場と実家以外はたいていソロ活です。

土砂災害の危険箇所を知っておこう

2020年02月06日 | 防災・安全

新型コロナウイルスの感染拡大に日本中が右往左往しているが、その実日本では死者0で、感染力はともかく、毒性はインフルエンザ並みであるらしいことがわかってきたその頃※、

※インフルエンザと違うのは、予防接種による抗体がないため、免疫的に無防備なこと。

私にとって真に心肝寒からしめる事故が起きた。

神奈川県逗子市での突然の土砂崩れである。
歩道の真上から、68トンもの土砂が前兆がないまま落下してきたのだ。
運悪く巻込まれて亡くなった女子高生は、何がおきたか判らないままだったろう。

そもそも日本の国土の75%は山地で、いわば平地より斜面の方が3倍もある。
そのなかで最大の貴重な平地は関東平野で(そこに人が集まるのは必然)、そこだけは土砂災害の危険はない。
その関東平野の南を画す、神奈川県の横浜から三浦半島にかけては幅広い丘陵地帯で、しかも東京に近いので、宅地造成が盛んなため、人工的に削り取られた崖がやたら多い。

そういう所は、あちこち土砂災害警戒区域に指定される。
もちろん今回の場所も指定されていた。
いいかえれば、土砂災害のリスクがある斜面は、事前に判り、公開されている。

私が担当している防災の授業で、まずは学生に自宅付近のハザードマップを確認させるのだが、自治体が発行しているハザードマップは地震(液状化)・浸水・津波に限られている。
地震でも大雨でも発生する、すなわち一番リスクの高い災害である土砂災害の情報が載っていない。
なので、自治体のサイトとは別に、国交省の防災サイトで、自宅付近や通学路に土砂災害の危険区域の有無を確認させる(→国交省ハザードマップポータルサイト)。
これが防災の第一歩といっていいくらい。

地震や大雨でなく、長年の風化によって崩落する場合はこれといった前兆がないので恐ろしいが(逗子の崖は、火山灰が固まった凝灰岩なので風化しやすいという)、せめて自分の生活圏内に土砂災害の危険箇所であるかどうかは、事前に知っておく価値がある(それによって近づかなくなる)。

ちなみに、土砂災害警戒区域内に人家があるのはおかしいと思うなかれ。
警戒区域は、人が住んでいる地域にこそ指定されるから。
山がちの日本では急傾斜地のそばにも住まわざるをえないのだ。