今日こんなことが

山根一郎の極私的近況・雑感です。職場と実家以外はたいていソロ活です。

900m台の山をクリア

2018年05月20日 | 山歩き

左脚の腸脛靱帯が山の下りで炎症を起こすので、ZAMSTの専用サポーター(RK-1)を付けたら、痛みが出ないで下れるようになった。
といってもすぐには安心せず、下りの距離(高度差)を慎重に伸して、その限界(の無いこと)を確認したい。

まずは高尾山(599m)、次に高水三山(700m台)をクリアしたので、今回は900m台に挑戦。
どうせなら自分にとって未踏の山にしようと、奥武蔵の丸山(960m)を選定。
この山は展望が売りで、西武線の芦ケ久保駅からじか(バスを使わず)に周回できるのがいい。
ついでに下りが急らしいので、挑戦しがいがある。

晴天の登山日和の中、芦ケ久保駅に降り立つ。
日曜だが降りた客は数名(さほど人気のある山ではない)。

駅前の情報によると、経由地である大野峠にクマの親子が目撃されたとのこと。
ある程度深い山に一人で入る時のために熊除けの鈴を持ってきてよかった。
駅前で登山届けを出し、出発。 

車道を30分ほど歩いて、大野峠に向う山道に入る。
クマ除けの鈴をONにしてしばらく一人で歩いていると、後から男女の若者のグループが登ってきた。
元気そうなので、先に行かせ(以前だったら追いつかれるようなことはなかった)、あえて歩幅を小さくして、脚に負荷をかけないで登る。
ZAMST以前は、すでに登りの段階で左脚の腸脛靱帯に違和感を覚えたものだが、装着している今回は何も感じない。
狭い歩幅ながら調子がいいので歩速は軽快で、どんどん登れる。
中高年のグループを追い越し、さらに先にゆずった若者グループに追いつく所で大野峠に着いた。
ここで標高850mほどに達したので、あとは楽。
若者グループは眺めのいい草原で大休止。
私は休まずにすぐ先の丸山を目指す。 

丸山自体は樹木に覆われているが、3階建ての展望台が設置されて、そこからの眺めの広さに定評があり、埼玉県文化財になっているほど。
幸い晴天なので、その展望を満喫できた。
展望の良さは、単に周囲が開けているだけではダメで、地理上の位置が重要。
たとえば、奥多摩の山は地理上の位置が悪くて周囲の奥多摩の山(と富士・丹沢)しか見えない(すなわち東京都心と同じ範囲)が、奥武蔵のしかも北に開けたここ丸山だと、浅間山から日光連山、そして筑波山まで北関東の山が一望。
残雪の谷川岳連峰が北の地平線を画し、一番遠くは奥志賀の岩菅山まで見える。
丸山は秩父市の東隣りに位置しているので、武甲山が目の前で(写真左)、秩父盆地(写真右)が眼下に拡がり、秩父の水源に当る甲武信岳(写真中央)から両神山までの奥秩父の山々が拡がる。
そしてその間に顔を出している白く高い山は八ヶ岳(赤岳〜天狗岳)だ。
以前、八ヶ岳の硫黄岳から武甲山が見えたから、こちらから八ヶ岳が見えておかしくない。

南には丹沢が見え、本当は富士の山頂部も蕎麦粒山の肩に顔を出しているらしい(今日は富士だけは見えなかった)。
東側にはスカイツリーも見える。

かように八ヶ岳も富士の頂もギリ見えるという所が地理上の位置の賜物。

ここの展望台は、Nikon製の双眼鏡が複数台設置されていてしかも無料なのがうれしい。
はるか彼方の残雪の八ヶ岳や谷川岳を間近な大きさで見れた。

次から次に、家族連れがやってくる。
実はこの山、自動車道路が通っていて、車で上がってこれるのだ(だから、わざわざ駅から登る人はそう多くない)、

幸い、大人数が坐るスペースがなく(2人程度なら坐れる)、また日陰もなく、私以外の人たちは展望を満喫すると足早に帰っていくので、単独行でツバの広い帽子の私だけ展望台に残ってのんびり昼食(出がけにコンビニで買った食パンとおにぎり)をとる。

さて、いよいよ芦ケ久保駅への”下り”にとり掛かるので、靴ひもとZAMSTを締め直す。
一部あまりに急な箇所があったので、ストックを出したものの、あとは腸脛靱帯を格別いたわることもせず、普通ににスタスタ下る。
そしてそのまま芦ケ久保に着いた。

900m台の山を下っても(比高600m)、腸脛靱帯はなんともない。
ZAMST一枚着けただけでこれほどの変化とは…。
駅前の道の駅(車利用者で混雑)で、缶チューハイを買って軽い祝杯(ビールは家で)。
次はいよいよ、4桁、1000m台だ。