宝塚仁川/山田歯科エクセレンスクリニック 歯科医師・山田忠生
7-4 歯科に関する知識の欠如
歯科以外の分野では豊富な情報をもっていても、進歩した現代歯科医学のもたらすもの、享受できる利点については知らされていない人が多い。自分の口腔がそれとは反対の状態にあること、そして続いて生じる不幸な結果に気づかず、欲望を満たすために所有するゼイタク品のほんの少しほどにも歯科医学を重要なものと考えていないのである。
「なぜ、レントゲン写真のことでこんなにも大騒ぎになるのですか。以前の歯医者さんは撮りもしませんでしたよ。」
「歯医者に来ると、必ずといって面倒なことになるのですね。」
「なぜ、歯の抜けた個所を治療するのですか。いずれスキマはなくなってしまうと聞いたことがあります。」
患者がこのような見解や、誤った考えをもっていることは、患者に責任があるのだろうか。患者の歯科に関する知識が乏しいのである――しかし、完全な診査がどのようなものであり、歯の抜けた個所は修復することがほとんどの場合は重要なことであるということを理解していない。しかし、その責任を患者が負うべきであろうか――以前の歯科医師がそれを負うべきではないのか。