宝塚仁川/山田歯科エクセレンスクリニック 歯科医師・山田忠生
どのようにすれば歯科医師が支払い能力を事前に判断できるのか、あるいは不本意と不能との違いを区別することができるのか。この回答への適切な領域を占めるものとして、完全な病歴を聴取する方法をあげることができる。
未だよく知らない歯科医師から、自分の財政状態や経歴などを直接に質問され、それに答えるような新しい患者は稀である。そこで、一般的にはこの情報を提供するように仕向けなければならない。“仕向ける”という概念には、“ワナをしかける”とか、“トリックをする”という意味はない。、うしろ患者は間接的に情報を提供するのである、というのも患者はリラックスできるようになっており、歯科医師が主として患者の幸福に関心を抱いているという事実を認識して、それ故に信頼されているわけだが、そして口腔外の要因が歯科疾患に影響することを知った現状では、この歯科医師は話せば話すほど、さらに自分を援助してくれるようになるということを認識するのである。
ときには経済的な情報を提供することに慎重で話そうとしないこともある。しかし、リラックスした状態になれば、(それを話したいと思っていたがために)そのことを話すようになり、貴重な経験や、患者自身のこと、そして家族や経済的情報などについて包み隠さず明らかにするようになる。