博客 金烏工房

中国史に関する書籍・映画・テレビ番組の感想などをつれづれに語るブログです。

『民初奇人伝』その5

2020年09月13日 | 武侠ドラマ
『民初奇人伝』第21~25話まで見ました。

「将軍百戦」に敗北した白錦ですが、今度は墨班の裏切り者馮本諾の力を借り、その根城の墨城を攻め落とそうと画策。華民初は墨班行の幹部たちにその危険を訴えますが、墨城が難攻不落と信じて疑わない彼らは危機感が薄く……ということで前回紹介した土楼に似た墨城ですが、客家の土楼と見た目は一緒でも随所に墨子以来の築城技術が施された要塞という設定のようです。

そんな中、年に1回の墨班師の資格試験が開始されたますが、墨班行の幹部たちは世のため人のため役立ちそうな技術に関してもどしどしダメ出ししていき、民初はそんな態度に疑問を感じます。このドラマ、やっぱり武侠的門派の近代化という視点から面白い描き方をしていますね。

そして墨班行の裏切り者馮本諾が登場。こいつはこいつで、技術の軍事利用というアカン方向で近代化を図りたがっているのですが……中国人だって素朴に科学技術の軍事利用はアカンという規範意識は持っており、それが『墨子』の兼愛・非攻から導き出されたという設定になっているのが面白いです。で、柯書の父親柯図が犠牲となりつつ、攻め寄せてきた佬礼泉を何とか制圧。墨班を解散に導きます。

これで広州での案件があらかた片付いたかと思いきや、広州駅で絵巻の奪取を狙う方遠極らが民初らを襲撃。「十行者絵巻」が奪われたうえ、方遠極は鍾瑶と希水を人質にとり、どちらかひとりだけを助けてやるから選べという選択を突きつけます。そこで鍾瑶を選んだ民初ですが、希水が瀕死の重傷を負わされてしまい……


で、方遠極&華諭之により外八行の不満分子をかき集めて新外八行が成立。あくまで新持巻人は方遠極で、仕掛け人の華諭之は仙流之主に就任ということですが……?


舞台は広州から上海へ。希水は救えず、手元に残された「万山河絵巻」もどうやら偽物らしいということで傷心の民初は上海の街で酒浸りに。一方、これまで民初たちに協力し、広州では金綉娘に映画を通じてプロポーズしようとしていた啓鳴が怪しげな動きをし始めます。彼は清朝の末裔なのですが、外八行の隠された財宝を奪取し、清朝の復辟を果たそうとしている模様……
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