goo blog サービス終了のお知らせ 

博客 金烏工房

中国史に関する書籍・映画・テレビ番組の感想などをつれづれに語るブログです。

『七侠五義 人間道』その6(完)

2013年02月15日 | 中国古典小説ドラマ
『七侠五義 人間道』第31~最終37話まで見ました。

四方鎮に乗り込んだ包拯たちでしたが、街の構造が都の汴梁城にそっくりなことに気付きます。実はこの四方鎮、陳琳が仁宗の実母李妃のために造らせた街なのでした。

時をさかのぼること二十数年前。李妃は先代の真宗皇帝の太子(後の仁宗)を出産したものの、ライバルの劉妃(後の劉太后)の一族の陰謀で赤子が狸猫(ヤマネコ)とすり替えられてしまいます。そして化け物を産み落としたということで処刑されるところを、彼女を憐れんだ陳琳によって密かに宮城から連れ出され、今までこの四方鎮で匿われていたという次第。

街の人々はみな陳琳の命によって配備された皇宮の関係者で、更に大内高手に街の内外を厳重に警備させ、うっかり街に入り込んだ人々を秘密保持のために容赦なく殺害させていたのでした。……陳琳さんは巨額の国の資材と多くの人員を投じて超絶におかしなことをやっとるようにしか見えないのですが(´・ω・`)

で、包拯らも大内高手に追われる身となり、とある老婦人の家へと逃げ込みますが、この老婦人こそが李妃なのでした。彼女からその身の上と四方鎮の秘密を知らされる包拯。そして展昭は仁宗と年齢と誕生日が一緒ということで李妃の義子となります。

しかし彼女も包拯らを陳琳の手から庇いきれず、結局囚われの身に…… しかしそこへ命からがら四方鎮から逃れた蕭より事の次第を知らされた仁宗が手勢を率いて四方鎮に駆けつけ、包拯らを釈放させます。そして実母の李妃と対面を果たし、自らの出生の秘密を知った仁宗は、ひとまず李妃を開封府に住まわせることにし、機を見て彼女を宮中に迎え入れようとします。一方、李妃の生存を知った劉太后と弟の劉国舅は動揺が隠せず……

ということで最終シリーズは「狸猫換太子」です。劉国舅がこのシリーズの悪役ということになるのですが、今までの龐吉・陳琳・李達といった面々と比べると著しく能力が劣っており、(『水戸黄門』の悪代官とか越後屋と同レベル……)最終シリーズの敵役としては明らかに実力不足です。このエビソート自体、最初の龐太師編の次に持って来た方が良かったんじゃないかなあと。劉太后も龐太師編で登場した後、祥符県編・「大漠之月」計画編ではまったく出番がありませんでしたしね。

【総括】

最終シリーズでやや味噌が付いてしまった感がありますが、脚本とアクションの水準は高い方だと思います。(ただ、残念なことにアクション・シーン自体はそれほど多くないのですが。)難点を挙げるとすれば展開のスピードでしょうか。特に最初の龐太子編で展開の遅さが目に付きました。同じ内容で1.5倍か2倍ぐらいの速さで話が進んでくれると良かったなと。