博客 金烏工房

中国史に関する書籍・映画・テレビ番組の感想などをつれづれに語るブログです。

『美人心計』その4

2011年06月08日 | 中国歴史ドラマ
『美人心計』第21~27話まで見ました。

劉章との駆け引きのすえ、代王劉恒は皇帝となり(すなわち文帝)、漪房は皇后に。これと前後して民間に難を逃れていた慎児が漪房と再会し、ともに宮中で暮らすことに。しかし民間で苦労を重ねても性根は改まっていないようで、漪房の幸福を妬んだ彼女は義姉に取って替わろうとあれこれ良からぬことを企みます。

この頃、妻が慎児や張太后にかまいっきりなのに嫉妬した文帝が漪房に冷たくあたるようになり、夫婦仲が微妙に。お前は子供かよ…… その隙を突いて慎児が文帝にしきりにモーションをかけ、男児を出産。後の梁孝王劉武であります。梁孝王は史実では竇皇后(漪房)の実子なんですが、このドラマでは側室の子という設定になってます。

で、男児を産んだ慎児が夫人の地位を与えられて慎夫人となり(慎夫人というのも一応実在の人物です)、追い詰められる漪房。そんな彼女に強力な助っ人が登場。死んだふりをして民間に逃れていた恵帝が漪房の生き別れの弟竇長君と身分を偽って宮中に上がることになったのです。……イヤイヤイヤ、ちょっと待って下さい!その設定はさすがにムリやろうと(^^;)

文帝・薄太后は恵帝とほとんど面識が無かったということで面が割れていませんが、慎児とか宿臣の陳平らにはバレバレです。特に陳平は匈奴から賄賂を受け取り、懐柔されていることを漪房に察知されると、竇長君が恵帝であると文帝に告発して漪房を陥れようとします。で、高帝劉邦の時代からの老臣の面前で首実検が行われることになりますが、漪房に妻女が人質に取られていると匂わされた老臣たちは「似ていると言えば似てますが、別人ですな」とすっとぼけ、逆に陳平が誣告の罪に問われることに。主役が平気でこういう「汚い!さすがw」な行動を取るのがいっそ清々しいですね。

その後、漪房の息子の劉啓が家出して伯母の沈碧君と、慎児と呂禄との間に生まれた女児で、慎児と生き別れとなっていた王娡を皇宮に連れ帰ったりしてますが、特に王娡の存在は後々の展開に深く関わってくるんでしょうか。

そして慎児は周亜夫と結託して漪房の追い落としを謀り、手始めに側近の雪鳶を陥れて暴漢に身を汚させ、自害に追い込みます。……個人的にドロドロとした展開が続くこのドラマにあって、楊冪演じる雪鳶は心のオアシス的な存在だったのですが、これから私は何を楽しみにしてこのドラマを見ればいいんでしょうかorz

雪鳶の死にブチ切れた漪房は遂に本気を出してリベンジに乗り出し、巫蠱の罪と娘の館陶公主毒殺未遂の罪(実際に毒を仕込んだのは漪房)で慎児を刑死に追いやり、ついでに薄太后に迫って後宮を制圧。そして慎児と結託した周亜夫を捕らえますが……

ということで、このドラマを見つつ大河ドラマの『江』に圧倒的に不足しているのは、主役の「汚い!さすがw」な要素ではないかと思った次第。
コメント (10)
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