博客 金烏工房

中国史に関する書籍・映画・テレビ番組の感想などをつれづれに語るブログです。

『武当一剣』その2

2021年04月30日 | 武侠ドラマ
『武当一剣』第7~12話まで見ました。

武当山の無相掌門は、藍玉京らを助けするために取り敢えず残された紅丸を服薬したところ、実はそれは武当派の裏切り者らしい黒衣人が仕込んだ毒役で、それによって無相は明日をも知れぬ状態になってしまったのでした……

自分の寿命を悟った無相は玉京に太極拳を授ける一方で、野心というか邪念の塊の弟弟子無量を後継に立てると見せかけて、親しい間柄の鄭鉄崗に後事を託します。その一方で藍玉京には武当山からの追放を言い渡しますが、これは実は追放と見せかけて玉京を少林寺に赴かせ、紅丸の副作用の治療を受けさせ、18年前の無極と何其武の死の真相を探らせようという意図があるのでした。このドラマ、武当山と少林寺の両方が出てくるんですね。

しかしここで蜀門の唐二の陰謀により、玉京は義父であり師父の不岐が両親の仇であることを知ってしまいます。更には東方亮との手合わせにより、玉京が不岐から授けられた武当剣法がデタラメであることを察知してしまい、義父への不信感が爆発。取り敢えず無量が黒衣人に扮して藍家の両親を殺害し、ついでに不岐と剣を交えて傷つけ、玉京の両親を殺害したのは彼であって不岐ではないと示唆。そうやって玉京を騙して不信感を払拭し、不岐に恩を売ります。こんな猿芝居も久々に見たという気がしますが……


主人公のよきライバルというポジションの東方亮。父親の東方暁が武当派と因縁があり、その仇討ちという名目で何度も武当派に挑戦していますが、仇討ちのためというよりも、武当派の剣法に学んで自分の武功に磨きをかけるというのが目的化している模様。玉京はこの東方亮とともに少林寺へと向かいます。

その間、朝廷では武当山から献上された紅丸を飲んだ泰昌帝が急死するという事件が発生(これ自体は実在の事件です)。武当山にその責任を問うという名目で、在家弟子代表の牟滄浪が錦衣衛や他派の使い手を率いて武当山に乗り込んできます。ここで修練モードに入っていた無相が自尽……


「中州大侠」牟滄浪。杜澤泰文という日本人俳優が演じているとのこと。朝廷から武当派掌門に任じられ、武当山を統制。武功や煉丹の秘伝を手に入れようとします。このドラマでは武当派は明朝の国教という設定になっているので、政治的な介入も招きやすいというわけですね。

旅の途上の玉京&東方亮は、後を追ってきた鄭巧児により無相の死と武当山を襲った惨劇を知らされます。そして彼女の手から無相の残した「奪命剣法」の秘伝書が玉京に手渡され……というあたりで次回へ。この作品、良くも悪くもセンスが20年前の武侠ドラマという感じなんですよね……
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『武当一剣』その1

2021年04月24日 | 武侠ドラマ
梁羽生原作の『武当一剣』の鑑賞を開始。全39話予定中、今回は第1~6話まで鑑賞。


舞台は明朝万暦年間。武当派在家弟子の耿京士&何玉燕のカップルは師門から結婚を反対され、遼東に駆け落ちしてきたのですが、耿京士の方はお腹の子のために賞金目当てでヌルハチ主催の比武に参加。無事難関を突破して賞金だけゲットして武当山に戻ろうとしますが、そうは問屋が卸さず、明朝侵攻のために武当派の力が欲しいヌルハチは追っ手を派遣。

何とか武当山周辺まで逃れてきた2人ですが、ヌルハチによって耿京士が後金に降った裏切り者というデマを流され、更に師父の何其武殺害の濡れ衣まで着せられてしまいます。で、結局兄弟子戈振軍によって耿京士は殺害され、赤子を産み落とした何玉燕も夫の後を追って自害。赤子を託された戈振軍でしたが、これを旧知の藍夫妻に預け、自身は武当山の在家弟子から出家弟子となり、名も不岐と改めます。


そして18年後。耿京士&何玉燕の子・藍玉京はすくすくとヤンチャくれに成長。武当山では不岐を義父兼師父とし、在家弟子として扱われています。まだ出生をめぐるあれこれは知らされていません。


こちらは藍夫妻の実子で、玉京の姉ということになっている藍水霊。やはり武当山に弟子入りしています。


このドラマのヒロインらしい鄭巧児。藍玉京と似たり寄ったりの気性で彼とつるんで行動します。祖父鄭鉄崗は丐幇の長老かつ武当派の在家弟子らしく、2人で武林の動向を探っています。

で、今回は武当山や周辺で碌でもないことばかりしている藍玉京が、うっかり武当山で錬成された紅丸を服薬して人事不省に陥ったあたりまで。彼のイタズラの数々に武当山のお偉方は「まあ子どものやることだから」と寛大ですが、そろそろ限度がきているような気がします (^_^;)

ということで武当山の観光誘致も兼ねているらしく、実際に武当山をロケ地にしたり、周辺の少数民族の文化をアピールしたりしてます。脇役のおっさんや爺連は渋いのが多い一方で、主演俳優は「こいつは子役というわけではなくて本役なんですよね?」と不安になってきますが……
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『山河令』その3(完)

2021年04月09日 | 武侠ドラマ
『山河令』第25~最終36話まで見ました。


ここまで義父・趙敬におとなしく従うというか言いなりになっていた蠍王ですが、趙敬と過去に関係を有していた喜喪鬼の口から彼の所行や本性について語られると、次第に彼に疑念を抱き始めます。趙敬は女嫌いのイケメン好きかなという印象でしたが、彼女の話を踏まえると、もっと精神の深い所でクズということみたいです。

武林では温客行が鬼谷谷主であるということが知れ渡り、それを知った葉白衣が温客行を成敗しようとしますが、周子舒がそれを阻みます。周子舒の方はそんなことなど先刻承知なのでした。温客行の関知しない所で起こったこととはいえ、張成嶺の一家を惨殺したのは鬼谷の一味ということになっているので、彼は成嶺に自分の正体を知られることを恐れているのですが…… 一方、曹蔚寧の方も相思相愛の仲の顧湘が鬼谷の一味と知り、一瞬動揺しますが、それでも彼女を愛し続けると誓います。


そして周子舒は晋王のもとへと連れ去られ、彼と訣別を宣言。この晋王はやはり五代の群雄の李存勗のようですが、周子舒とは母方の従兄弟同士という設定となっています。その間に温客行は細切れに失われた記憶を取り戻し、一度は助けられた両親を死に追いやったのが趙敬であることを思い出します。

で、第31話あたりから話が微妙に飛び飛びになるのですが、蠍王と温客行の間で密約が成立したり、英雄大会で群雄に追い詰められた温客行が崖落ちしたり、そんでもってやっぱり温客行が死んでなかったりして、群雄の面前で趙敬の過去20年ほどにわたる悪行が暴露され、その名声が地に落ちます。


これでひとまずめでたしめでたしと、鬼谷で曹蔚寧と顧湘の結婚式が執り行われることになりますが、が、が…… ここでようやく主役2人が広告ポスターの青服と赤服で登場。あとは(たぶんそのうち出るであろう日本語版の視聴者のための)ネタバレ防止につき大省略。琉璃甲の行方は、そして「天下武庫」に隠されたものとは、2人の運命は……? 

【総括】
ということで意外としっかり正統派の武侠してた本作ですが、『陳情令』とこちらとどちらを選ぶ?となったら、私なら躊躇なく『陳情令』を選びます。言葉でうまく説明できない部分で何だかイマイチ乗れないままで最終回まで来てしまったという感じです……
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『山河令』その2

2021年03月29日 | 武侠ドラマ
『山河令』第13~24話まで見ました。


英雄大会を前に新キャラ登場。長明山の剣仙・葉白衣。不老長寿らしく、年齢は100歳を超えているようで、周子舒の師父とは昵懇の中だった模様。また、容炫の師でもあったようです。性格は武侠物でよく見る強いけど人の話をあんまり聞かない系のキャラですw


英雄大会では番狂わせがおこり、五湖盟の盟主・高崇が「毒蠍」の秘術により操られた愛弟子によりこれまでの悪事を暴露され、武林の領袖から一転武林の公敵となり、琉璃甲を粉砕して自害。高崇の中の人は古装でバリューのあるおっさん役がよく回ってくる黒子。

で、高崇の愛娘の高小憐は緑柳・桃紅の爺婆コンビに攫われてしまいます。実の所温客行も黒幕は高崇だと決めてかかっていたのですが、英雄大会での一連の経緯を目の当たりにして疑問を抱き始めます。


視聴者には五湖盟の二弟・趙敬が怪しいとバレバレなんですけどね (^_^;) 高崇の死後、彼は五湖盟盟主の座を継承し、義子である「毒蠍」の首領の蠍王らを駆使して暗躍を始めます。「趙玄徳」こと趙敬は本作の偽君子枠なんですが、蠍王をはじめやたらと若い使い手たちを義子として囲っています。

一方、周子舒&温客行は葉白衣、張成嶺らとともに「天下武庫」の創建に関わったという龍淵閣主に会うために蜀へと向かいます。その過程で親世代の過去の因縁やら温客行の過去も明らかに。容炫はもともと五湖盟の盟主たちの兄貴分だったのですが、何者か(おそらくは趙敬なんでしょう)の陰謀により毒薬が塗られた剣で傷つけられ、走火入魔してしまいます。

そして容炫の子かと思われた温客行は、実は容炫を治療しようとした神医谷の医師・甄如玉の子なのでした。彼ら一家はこれにより師門から追われたところを、一度は四季山荘の秦懐章(すなわち周子舒の師)に助けられ、幼年の温客行は四季山荘の二師弟となります。しかし彼ら一家は結局琉璃甲の行方を追う鬼谷の面々に殺害され、温客行は鬼谷の一員として育てられ、後に谷主の座を奪い取ったのでした。

最初から周子舒のことを師兄だと気付いていても、本人の前ではなかなか素直になれない温客行…… 一行は故郷とも言うべき四季山荘へと向かいます。このあたりの過去話は小出しの形で語られます。


その温客行の侍女であった顧湘は、相思相愛の仲となった曹蔚寧とともに、彼の師門である清風山へと向かいますが、どうやら温客行が鬼谷の谷主であることは武林中に知れ渡っているらしいと察知してしまい……というところで次回へ。
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『山河令』その1

2021年03月15日 | 武侠ドラマ
『陳情令』の向こうを張るBL武侠ということで『山河令』を見てみることに。今回は全36話予定のうち第1~12話まで鑑賞。


時は五代十国(たぶん)。晋王の特務機関「天窓」の首領周子舒は主君の言いなりに暗殺業務を続けるのに嫌気がさします。そこで自ら「七竅三秋釘」を体に打ち、寿命を縮めることで組織を脱けることに。念のためマスクで容貌を変え、乞食として江湖を彷徨います。元々は四季山荘の後継者でしたが、自分の代で山荘を潰してしまったとか色々負い目があるらしい……


そこを、こちらは優雅に江湖を渡り歩く温客行にロックオンされ、行く先々でつきまとわれることになります。実は青崖山鬼谷の谷主で十大悪人を配下に抱えているのですが、周子舒らには身元を隠しています。


こちらは温客行のお伴の顧湘。武侠物でよく見るおてんばというか凶悪系の武少女ですが、一行のムードメーカーです。


で、周子舒は「五湖盟」の一角をなす鏡湖派が鬼谷十大悪人に全滅させられる現場に立ち会ってしまい、掌門の三男で鏡湖派唯一の生き残り張成嶺を「五湖盟」の盟主・高崇のいる岳陽山まで護衛することになります。

「五湖盟」はかつて大魔頭・容炫を倒した際に、彼の秘宝が隠された「天下武庫」を開く鍵である「琉璃甲」を五派で分け合っておりました。その「琉璃甲」を晋王配下の天窓、青崖山鬼谷、そして四大刺客を擁する毒蠍といった組織が虎視眈々と狙っており、更には「五湖盟」の内部でも、各派の掌門が他派の「琉璃甲」を手中に収めようとしております。

張成嶺は一旦は岳陽派に引き取られたものの、武功はからっきしということで同門の弟子からはいじめられ、「五湖盟」の師伯・師叔からは自分が隠し持っている「琉璃甲」を狙われたりして嫌気がさし、再び周子舒&温客行のもとに戻って周子舒に弟子入りします。しかし周子舒は張成嶺の今後のことも考え、彼を岳陽派に戻して高崇に「琉璃甲」を差し出させることにし……というあたりまで。

何と言うか今のところは何の変哲もない武侠です (^_^;) 思わせぶりな使い手が次々と出てきてはあっさり始末されるというあたりは古龍物の雰囲気が強いですかね。この点は金庸物のオマージュになっていた『陳情令』とは対照的になっていると思います。
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『大侠霍元甲』その9(完)

2020年10月30日 | 武侠ドラマ
『大侠霍元甲』第41~最終45話まで見ました。

精武門では劉振声&何瑪麗、許大有&小蓮の二組の結婚式が行われますが、そこへ阿部道館の日本人三人組が道場破りに押しかけ、陳真らが返り討ちにします。この三人が取ったような、手前勝手なルールを押しつけておきながら「それが規矩(規則)だ」「規矩を守れ」とマウントを取ろうとする日本人の姿は、ネット言論でもよく目にするような……


しかし阿部道館の主阿部熊三は話のわかる人物のようで、三人を破門。ところが道場の二番手藤原が画策し、この三人を焚き付けて精武門の門弟を街中で殺害。仇討ちだといきり立った陳真と沙燕が阿部道館へと殴り込み、官憲に捕らえられてしまいます。

阿部道館側は三日の期限を切って精武門の門扉に挑戦状を貼り付けます。比武は二度とやらないで欲しいという母の言葉を重んじ、これまで通り挑戦は無視するつもりの霍元甲でしたが、その母の許諾が得られたことで挑戦に応じることに。それと引き換えにして陳真と沙燕も釈放されます。しかしこの比武の裏には、決闘を賭博の場にして儲けようというベルトランと、霍元甲への復讐を目論む鷹九の存在があったのでした……

決戦は五番勝負で、精武門側は劉振声、許大有、沙狼、陳真、霍元甲の面子で挑みます。そして二勝二敗で決着は大将戦にもつれ込むことに。阿部との大将戦も一度の戦いでは決着がつかず、休憩を挟んで二番戦、三番戦と繰り広げられます。そこへ鷹九が休憩の間に霍元甲の飲む茶に毒を盛ったりしますが、栄先生がかわりに茶を飲んだことで露見。

勝負の判定の方も鷹九やベルトラン、藤原が審判員を買収していましたが、事態を不審視した阿部自身が負けを認め、精武門側の勝利に。この後阿部は切腹してしまいます……


これで収まらないのがベルトラン。ヨーロッパから拳闘のチャンピオンアレックスを招聘し、霍元甲との決闘をマッチング。霍元甲もこれを受けて立つことに。しかしこのアレックスも何とか打ち破り、更には彼がリング外に仕掛けられた剣山の上に落ちそうな所を助けるという武徳も示します。


そして旧武林の陋習を改めて門派の垣根を取り除き、上海武林の仲間たちや、かつて敵対していた鷹爪門の面々とともに手を携えて新しい武林を打ち立てるべく精武体操会を結成。物語はここで終わりです。霍元甲が急死し、陳真が仇討ちを図るのはまた別の話となります。続編があるとしたら、たぶん最終回に出てこなかった鷹九が日本人とつるみ、霍元甲を毒殺するという話になるんでしょう。

【総括】
ということで陳真の仇討ち話などで無駄な尺を消費してしまったこともあり、最終回に至る展開はかなり駆け足です。そこらへんを大目に見れば、2000年代半ばぐらいまでの武侠のノリを高いアクションのクオリティで再現しつつ、いくら武功があっても銃には勝てない、そして列強に対抗するために武林の統合と近代化を目指すという、「武侠の時代の終わり」という要素を提示した大変興味深い作品に仕上がっております。その「武侠の時代の終わり」の次に控えているのは、ブルース・リー演じる陳真が主役の『ドラゴン怒りの鉄拳』で示されているような抗日の時代なわけですが……
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『大侠霍元甲』その8

2020年10月26日 | 武侠ドラマ
『大侠霍元甲』第36~40話まで見ました。

陳真は改心したと見せかけて精武門に入門し、霍元甲の隙を突いて師の仇を討とうとします。取り敢えず霍元甲の息子の東覚を攫って川に突き落とそうとしますが、幼い東覚が見せた素朴な良心に心を打たれて計画は中止。

その前後に鷹九が精武門の飯釜に毒を盛ろうとするのを「他人を巻き添えにするからダメだ」と阻止しているのですが、毒を盛るのはダメで、年端もいかない子供を橋から川に突き落とすのは(未遂とはいえ)OKという陳真の倫理感覚がよくわかりません……

このあたりから鷹九に疑念を持ち始める陳真ですが、それを察した鷹九にうまく誤魔化されて元の木阿弥になったりします。で、霍元甲の方は上海にやって来た孫無疾の弟弟子たちと出会い、「毒九子」こと鷹九が孫無疾に毒を盛ったことを知らされます。陳真もこの叔父弟子たちの言葉により、ようやく真相を悟り、霍元甲を「好人」と認め、心から弟子入りを願うことに。ここまでが長かった(´Д`;)

この前後に鷹四殺害により官憲から追われて十三里崗にいられなくなった沙兄妹が精武門に身を投じます。沙狼は精武門の師範となり、沙燕の方は弟弟子にあたる陳真と研鑽を積んでいきます。

さて、上海租界では欧米から拳闘のチャンピオンを招き、闘技場で中国人を滅多打ちにするという娯楽が密かに行われるようになっておりました。精武門の門下生も被害に遭ったことから、仇討ちだとばかりに陳真が闘技場に乗り込み、チャンピオンのマリオと対戦。


そこには何瑪麗が潜入取材していたほか、天津の領事を辞めたらしいベルトラン、そして彼の横に行方をくらませていた鷹九の姿が……

陳真、そして霍元甲がマリオを打ち破り、『海上新報』の何瑪麗の署名記事によってそれが上海中に広められますが、霍元甲はそのことが原因で何瑪麗の身に危険が及ぶのではないかと憂慮します。


一方で霍元甲の一番弟子劉振声の結婚問題が浮上。実は彼は何瑪麗から以前に結婚しないかと告白されているのですが、彼にはその気がなく、沙燕の方にご執心。しかし沙燕は陳真の方が気になるようで…… というあたりで次回へ。
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『大侠霍元甲』その7

2020年10月21日 | 武侠ドラマ
『大侠霍元甲』第31~35話まで見ました。

霍元甲の無実を晴らすべく松江府に訴え出る劉振声たち。法医でもあるというフェデラーの検屍の結果を伝え、霍元甲の無罪放免を勝ち取ります。逆に陳真の方は、孫無疾が急死した際に鷹九もその場に居合わせていたことを明かせず(本人から言い含められていたのです)、逆に孫無疾の殺害容疑に問われて投獄されてしまいます。

しかし松江府の知府、陳真から「再世包公」の扁額を贈られても「ワシの顔はそんなに黒いか?」と気分を害するあたり、木っ端役人にしてはセンスを感じますw


さて、これまで思わせぶりに出てくるだけだった上海の有力者栄先生ですが、このあたりから本格的に動き始めます。中の人は古装でお馴染みの王絵春。まずは事の発端となった『海上新報』に手を入れることにし、悪徳プロモーターと化していた編集長曹達人を追い出し、霍元甲の無実を晴らそうとした何瑪麗を新編集長に据えます。

そして目や体調を悪くして入院した霍元甲の母親を見舞ったりしますが、この栄先生、若い頃は好色で有名だったらしく、妻との仲を誤解した霍元甲が栄先生の邸宅に乗り込む一幕も……

結局は誤解が解けて和解となるわけですが、そうこうしている間に投獄されていた陳真が釈放。釈放には霍元甲の尽力もあったわけですが、そこへまたぞろ鷹九が出現。陳真に自分に疑いが向かないように仕向け、霍元甲への憎悪を煽るだけ煽って帰って行きます。

陳真は師父の仇討ちのため、本心を隠して改心したと見せかけ、精武門に入門。陳真の魂胆を察して不安を隠せない農頸蓀や劉振声ですが…… というあたりで次回へ。
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『大侠霍元甲』その6

2020年10月16日 | 武侠ドラマ
『大侠霍元甲』第26~30話まで見ました。


精武門に乗り込んできた師弟2人、弟子の方は後の『ドラゴン怒りの鉄拳』の陳真です。中の人は久しぶりに見る釈小龍。


師匠の謎の老人は梁小龍(ブルース・リャン)が演じてます。80年代香港制作の同題のドラマ版では陳真を演じていたとのこと。

何だかよくわからないが霍元甲に遺恨のあるらしいこの2人、凄腕を見せつけつつ、例の上海の東スポ的な新聞社『海上新報』を巻き込んで霍元甲に勝負を挑もうとします。で、またもや精武門の前に即席擂台が設えられ、2人で精武門前に集結した上海武林の使い手たちを打ち破っていきます。

しかし霍元甲は母に「もう二度と決闘をしないでおくれ」と懇願されたのと、門派の垣根を越えて新しい武林を打ち立て、他の門派の使い手たちと手を携えて外国の勢力に対抗していきたいという夢を抱くようになっていたのとで、彼らとの手合わせを拒みます。そして陳真の師匠の正体が、実は鷹爪門の大師兄孫無疾であることを見抜きます。弟弟子の鷹四の仇を討とうとしていたわけですね。

霍元甲は一旦その場を納めた後に孫無疾師弟の住処まで出向いて鷹爪門一門との因縁を清算し、ともに切磋琢磨していこうと訴えます。実のところ孫無疾も鷹四がろくでなしであることは重々承知していたのでした。そしてその翌日、山間での手合わせの末に2人は朋友となります。


これで事が丸く収まったかに見えたところで、孫無疾師弟の前に鷹爪門の末弟子小九子こと鷹九が姿を現します。鷹四を慕う彼は、兄弟子が霍元甲と和解したと知るや密かに毒を盛って彼を毒殺。陳真に「師匠は霍元甲によって毒殺された。仇を討て」とけしかけます。

脳筋の陳真はまんまと鷹九の言いなりとなり、松江府に殺人の罪で霍元甲を告訴。ろくすっぽ取り調べもしない木っ端役人の知府の命により、霍元甲は殺人罪でしょっ引かれてしまいます……


王雲影や弟子たちは、上海にやって来た農頸蓀&フェデラー、そして上海武林の有力者栄先生に助けを求めます。一番弟子劉振声は「孫無疾の死んだ現場を見たい」というフェデラーの要望に応じ、彼の旧居に忍び込んだところ、「海上新報」の元女記者何瑪麗と遭遇。彼女は編集長に反抗してクビになった後、彼女の名前を勝手に使われて霍元甲を誹謗する記事が連発されているのに腹を立て、事実を確かめようと忍び込んだということですが……
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『大侠霍元甲』その5

2020年10月11日 | 武侠ドラマ
高奇、阿発こと黄文発、沙燕ら弟子たちがそれぞれの事情で師門を去ることとなり、また霍元甲は若者を革命運動に巻き込もうとする農頸蓀さんとも距離を取ることにします。


阿発は南洋の実家に帰って家業を継ぐと見せかけ、実は叔父農頸蓀とともに革命のために命を捧げることを決意していたのでした。新聞紙上で霍元甲一門との縁切りを宣言して霍家に累が及ばないようにし、これまた革命の同志となっていた沙燕とともに、天津駅で清朝の欽差大臣の暗殺を決行。

この時欽差大臣の護衛役として北京から着いてきたのが、因縁の呂四鷹。霍元甲の弟子が絡んでいると察知するや、当然の如く霍家に乗り込み、謀反人として一族郎党を召し捕ろうとします。阿発が縁切りを宣言した意味がない……(´Д`;) その阿発もここで壮絶な最期を遂げてしまいます。

一度は鷹四こと呂四鷹を追い返したものの、後難を恐れた霍元甲は一家を挙げて天津より退避。鷹四は悔し紛れに霍家を焼き討ちします。その後鷹爪門の掌門に収まった鷹四ですが、今度は逆に身を隠していた霍元甲一門が鷹爪門のアジトに乗り込んできます。鷹爪門一門との死闘の末に鷹四を打ち倒し、彼との因縁もいよいよ決着。師門を裏切って鷹四の配下となっていた高奇も、助っ人の沙狼の手によって清理門戸されます。


そして物語はここから後半戦へ。霍元甲は農頸蓀の勧めで一家を挙げて上海に移住し、精武門を開館。しかし新聞社「海上新報」の陰謀により、開館の告知文を滬上武林(上海武林)への挑戦状に書き換えられてしまい、激怒した武林の領袖が精武門前に集結。あっという間に打擂台がしつらえられ、武功高手たちとの比武に挑まざるを得なくなります。ということで上海武林の領袖の皆さんです。

南拳の葉双形ら三人の領袖との三番勝負に勝利し、開館告知の誤解も解けた霍元甲。精武門には大勢の弟子志願者が詰めかけます。しかしそこへ霍元甲と因縁がありそうな若者と老人の師弟二人組が…… というところで次回へ。

このドラマ、基本的に誰か相手が陰謀により霍元甲のことを誤解して、拳で語り合って誤解が解けるというパターンの繰り返しなんですが、とにかく展開がスピーディーなので細かいことは気にせずに見ていられます。しかし史実なので仕方ないとはいえ、『民初奇人伝』といい、並行して見ている『旗袍美探』といい、みんな舞台が上海になるんですね……
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