サ・セ・ラ・シャンソン -シャンソン大全集―
熱中症にやられたのか、夏風邪か、久しぶりに、38度を超す熱を出した。喉も痛い。やはり年を取ると、だんだん適応力が落ちてくるのだろう。病院へ行くほどでもないので、家で、のんびりしておこう。
今日は、7月14日。フランスの建国記念日、すなわち、巴里祭だ。
1933年のフランス映画、「巴里祭」は、「パリの屋根の下」のルネ・クレール監督の作品で、バックのメロディーは、「舞踏会の手帳」の主題歌「灰色のワルツ」を作曲したモーリス・ジュベールの作品。歌詞は、ルネ・クレールが書き、リス・ゴーティの歌唱が素晴らしい。
映画のストーリー自体は、月並みなものだが、パリの下町の雰囲気がよくあらわされ、「巴里の屋根の下」と並んで、パリのイメージ映画になった。
この映画を記憶に残る映画にしたのは、原題の「7月14日」に「巴里祭」という邦題をつけた川喜多長政氏の貢献度は大きい。日本では、「巴里祭」という言葉が、すっかり社会に定着した。
私たち年代の者にとって、パリは、文化の憧れの街であり、絵画(特に印象派)、仏文学、映画、シャンソン、フランス料理と、その対象は多岐にわたり、一度は、訪れたいところであった。
このレコードは、まさに、シャンソン大全集といえるもので、3枚組の箱入りで、代表的なシャンソン48曲が収められている。
シャンソンは、歌詞が理解できないと、その良さも判らないが、芦原英了氏監修の豪華な解説書が付いており、すべての歌詞と橋本千恵子氏による訳詞がついている。
シャンソン・ファンには、是非持っていたいセットである。
今も、あの「巴里祭」のメロディーが浮かんでくる。