唄とトランペット : ルイ・アームストロング
3月の大地震の後、都内へ出かけるのをできるだけ控えていたが、「岡本太郎展」が終わりに近づいたので、久し振りに出かけた。
彼の絵は、原色が強烈な印象を与えるが、良く観ると、とても繊細な色使いであることに驚かされる。
岡本太郎は、1970年の大阪万博の「太陽の塔」や「芸術は爆発だ。」の言葉で有名であるが、大阪万博には、いろいろと思い出がある。
当時、摂津市千里ヶ丘に住んでおり、万博会場に近かったので、何度も出かけた。海外旅行など珍しい時代で、外国の文化に直接触れる又とない機会であった。ただ、乳児がいたので、外国人が多数やって来ることで、変な病気が持ち込まれるのではないかと心配したものである。
各国のパビリオンは、どこに入るのも行列であったが、珍しい料理を食べるのが楽しみで、特に、記憶に残っているのが、ソ連館のレストラン「モスクワ」で、ロシア民謡を聴きながらの夕食である。
特に人気があったのが、アメリカ館のアポロが持ち帰った「月の石」、みどり館の「アストロラマ」(世界初の全天全周の映像ドーム)、お祭り広場の行事等々であった。
丁度、日本の高度成長期にあり、活気に満ちていた。今一度、あの時の活気を取り戻して欲しいものだ。
1970年は、ジャズの世界では、転機の年といえるかもしれない。フュージョンが主流へと変化して行く一方で、昔のスタンダードが見直され、優れたレコードが次々に発売された。
その中の1枚を紹介することにしよう。
この年に70歳になったサッチモは、ボーカルでも一流で、大いに楽しませてくれた。
このレコードは、1930年代から1950年代にかけて、デッカに録音したレコードから、特にポピュラーな曲をセレクトしたものである。