ヴァイオリン: ヤッシャ・ハイフェッツ
ウィリアム・スタインバーグ指揮 RCAビクター交響楽団
NHK教育TVで「100分de名著」と云う番組が放送されていた。つけてみると、ニーチェの「ツァラトゥストラ」を取り上げていた。昔の大学生は、必ず、哲学を学んだようだが、私たちの頃は、哲学は必修科目になっていなかった。教養課程で、授業には出てみたものの、あまり面白くなく、結局、単位も取得しなかった。従って、ほんの表面的なことしか学ばなかったといってよい。
哲学者の三木清が郷里の出身でもあり、夏目漱石を読み、西田哲学を論ずるのは、大学へ入れば当然と思っていたが、専門課程になると、大部分の時間を経済学に費やした。
ハーバード大のサンデル教授のような哲学の講義であれば、もっと真面目に勉強しただろう。
今回の番組は、実にうまくポイントを抑えており、ニーチェの本質を理解していなかったと、自分の勉強不足を思い知らされた。
当時、彼の思想が、ヒットラーに利用されたため、彼の評価は必ずしも高くなかったが、現在の混沌とした時代の中で、再評価され、白取氏の「超訳 ニーチェの言葉」がベスト・セラーになっているそうである。
ニーチェが生まれたのは1884年で、彼は、ワーグナーのファンであり、彼自身も20歳頃まで、歌曲やピアノ曲を作曲しており、「マンフレッド瞑想曲」が残されている。
1884年生まれの音楽家には、パブロ・サラサーテがいる。今回は、彼の代表作である「ツィゴイネルワイゼン」をヤッシャ・ハイフェッツのヴァイオリンで聴くことにしよう。
B面には、ベートーベンの「ロマンス ト長調」、「ロマンス ヘ長調」他が収められている。