「パリの詩・パリの歌」
原発問題は、相当長引きそうである。懸念していたように、どうやら、最悪の事態になったようだ。あれだけ膨大な量の水を投入し、どこへ行くのだろう?いずれ海へ流れ込むだろうとは、誰でも思ったことだ。漁協が文句を言うからと触れずにいたのが本当だろう。
原発は特殊な専門分野であり、自分たちにしか判らないというおごりが、適切な対応を遅らせたといえる。水素爆発の前のベントは、化学工場に共通する安全弁である。
今回の事故は、「想定外」であるからこそ、「こうあって欲しい」と「最悪にどう対処するか」の見極めが大事だ。「捨少就大」とは、囲碁の格言であるが、この判断こそ、トップに求められる。
日本では、このところ、電力不足はあまり問題になって来なかったが、今後は、相当長期に亘って継続するであろう。夏場の冷房需要と冬場の暖房需要のピーク時の対策は悩ましい問題だ。
経済活動も停滞するであろうし、復興財源にも悪影響をもたらす。
ガソリン価格は、需要が増えれば、価格が上がるのは経済原則であり、電気についても、同じように考える必要があるかもしれない。必要だから、使用するのであり、価値を認めるなら、相応の対価を支払うのは当然だろう。電気料金を値上げして、値上げ分を復興資金に充当することも必要かもしれない。
現在行われている計画停電で、東京23区が対象外になっているそうだが、不公平との声が多い。メリットには、相応の負担があっても良い。
高速道路の無料化についても同じようなことがいえる。料金体系の問題はあるが、時間と金との効用のバランスと考えれば、無料化には問題がある。
経済同友会の桜井氏が、法人税の引下げに固執している。一方、経団連の米倉氏は、柔軟な考えを表明した。経済界にとっては、早期に復興し、工場の早期稼働を優先すべきであり、企業収益が下がり納税額が減少することを考えれば、5%の減税の効果は、さほど大きくないであろう。以前は、経団連が保守的で、同友会は進歩的であったが・・・
政府は、この際、自分たちの無能を認識して、原子力先進国の力をもっと積極的に活用すべきであるが、何をやるにしても、とにかく鈍い。
長期になると、自粛だけでは、いずれ滅入ってしまう。復興寄付付き商品の拡販なども考えられるが、いっそのこと、期間限定で、目的税としての1%の消費税アップを検討したらどうだろう。
最近の社会動向を見ていると、言いたいことがたくさんあるが、この位にしておこう。
さて、このような暗いニュースばかりの中で、どのレコードを選ぼうかと迷ったが、パリを歌った美しい唄を一流の歌手が歌ったパリ礼讃のレコードにした。
憧れのパリの、いろいろな姿が歌われており、ひと時、想いを馳せて見よう。
サ・セ・パリ、パリの街角、パリのバラード・・・・