モダン・ジャズの黎明 「ミントンス・ハウスのチャーリー・クリスチャン」
早いもので、もう4月の新年度になった。入社式のシーズンだが、4月2日は、私にとっても、40数年前のことになるが、社会人としての第一歩となる入社式の日である。期待と不安を持って赴任したが、食事はまずいし(学生時代に贅沢していたわけでわないが)、大広間に男10人の同居生活である。女工哀史さながらの処遇にビックリしたものだ。数メートルの高さの塀に囲まれ、出入りは守衛にチェックされる。
それでも、住めば都。慣れるに従い、皆、3交代の実習期間を結構楽しんだ。
とにかく、女の子たちが、とても親切である。毎年、新入社員のうちの何人かが、地元の女の子と結ばれることになるから、女の子たちの目の色が変わるのも無理はない。この時期は、街が明るくなると聞かされた。
いつの時代も、新しい息吹が目覚める。
1930年代を風靡した白人バンドによる「スイング時代」は40年代に入ると、マンネリ化の様相を示した。
このレコードは、ジャズ史上最も重要な転換期とされる、1941年5月、ニューヨークのハーレム118丁目にあった「ミントンス・プレイハウス」とクラーク・モンローの「アップタウン・ハウス」で行われたジャム・セッションを録音したものである。
A面の最初の「スイングからバップへ」は電気ギターの天才、チャーリー・クリスチャンが残した最高傑作とされているものであり、一聴に値する。
黒人の若手プレイヤーは、ハーレムに集まり、新しい試みを行い、新しいジャズを生み出した。これは、「ビ・バップ」と呼ばれた。
1940年代は、レコード会社とミュージシャン・ユニオンの間に対立が起こり、レコード録音が少ない。
その中で、このアルバム「THE BE BOP ERA」には、1946~1949年のバップ期の後期の傑作が収められている。
THE BE BOP ERA (Victor VRA―5009)
ビ・バップ・エラ モダン・ジャズの夜明け