けさ、チューリップの鉢から見えているのは、
そこのブルーの洋服の・・・・。
はて、どなたでしょうか?
主人はすっかり忘れてしまってます。
ここの庭は、どこから何が出てきても、
決して不思議ではありません。
☆☆☆
今日の帰りは、バスをいつもより
いくつか手前の停留所で降りて、少し歩いて見ました。
西の空低く、三日月が真っ黒な雲の上に出たり、
下から顔をのぞかせたり。
あれは地球の明かりの照り返しでしたっけ?
ぼーっとかすかに丸みを帯びたうす青い影が、
三日月に乗っかって見えました。
ちょうど南中しているオリオン座の方向へ、
坂を下って行きました。
風が冷たく、寒々として、ふと先日二次会で歌った
あの曲の2番から口ずさんでいました。
(風)
♪ プラタナスの枯葉舞う冬の道で
プラタナスの散る音に振り返る
帰っておいでよと
振り返っても
そこにはただ風が
吹いているだけ
人は誰も 恋をした切なさに
人は誰も 耐えきれず振り返る
熊本への着陸コースに入った飛行機の赤色灯のまたたきが、
かすかな轟音を引き連れて、おおいぬ座を横切っていきました。
歩みを止めて天空を見上げれば、おうし座には赤い火星、
そしてあれは、かに座の中になるのでしょうか、
うすいオレンジ色の土星がたたずんでいます。
まるで、私をさっきから遠くで見てくれていたような。
君のこと、君のささやかな喜びも、人知れぬつらさも知ってるよ。
えっ?
そんな声が聞こえてきたような・・・・。
でも、ひときわ冷たい風が吹いてきて、歩く足をまた速めました。
星々は白く小さく、はるかに遠く、
夜空は吸い込まれそうなくらいに暗い。
真冬を思わせる冷気が、いつの間にか眼鏡の内側まで回ってきて、
うっすらと涙目になっていることに気がつきました。