以前、犬山駅の西口方面を車で通りかかった時に、偶然見つけた古本屋があった。随分小さな古本屋のようだったが、初めて見るので、いつかは尋ねてみようと思ったのだ。それで昨日、ようやく時間が取れたので初めて訪ねてみた。それが「五つ葉文庫」というギャラリーと一緒になった古書店である。
http://www.kiwamari.net/about/index.htm (五つ葉文庫ホームページ)
店舗の中は、私が予想した以上の素晴らしい品揃えだった。道路に面した所に置かれた棚では一冊50円、5冊で200円の本がたくさん並べてあった。どれもいい意味で非常に古く、面白そうな本が多かった。非常にお買い得である。
中に入ると、もっとマニアックな本が所狭しと並べられていた。今となっては絶版で手に入らないものも多い。そういうものは少し高いが、それでも500円ぐらいなので30年、40年前の珍しい本が容易に手に入るということだ。これは BOOKOFF では絶対にありえないだろう。
こんないい 古本屋を今まで見過ごしていたとは、ちょっともったいない気がする。店主もかなり、個性的な人物とお見受けした。2階はギャラリーになっているというので、これも見てみたが、何ともコメントしづらいものがあった(リンク先のホームページを参照)。築100年以上経っている建物を利用したということだが、正直言ってギャラリーの作品がどうこうよりも、ただなんだか「怖い」と感じた。しかし本に関しては面白いものばかりが置いてあるので、時間がある時にもっとじっくり見ようと思う。
しかし、面白い古本屋はなんとこれだけじゃなかった。五つ葉文庫で本を買い終わり、犬山駅方面に歩いて行くと、寂れた感じの商店街で、もう一軒の古本屋を見つけたのである。目立った看板がないが、椙山書店という名前らしい。
http://www.ma.ccnw.ne.jp/furuhon/ (椙山書店ホームページ)
「おっ」と思って中に入ると、店舗の横幅こそ小さいもの、随分と奥行きのある古本屋であった。店の外見とは裏腹に、長く奥行きのある本棚には上から下までびっしりと本が詰まっていた。なんとここも、ブックオフなどでは扱わないであろう20年、30年前の雑誌がたくさんあるではないか。絶版のものは値段が若干高いが、よく探してみれば安いものも結構たくさんある。 Amazon やヤフーオークションでは1万円を超える金額で取引されるであろう本にもかかわらず、1000円未満で買えるものまであった。
これは掘り出し物の古本屋である。あまり時間がなかったので、私は目をギラギラさせながら急いで最低限買うべき本だけを選び、買って帰った。じっくりと選べなかったのが残念である。
家に帰ってからネットで調べてみてわかったのだが、この椙山書店はなんとあの勝川古書センターの後継店であるようだ。勝川古書センターといえば、私が学生の頃(25,6年前)に大学の帰り道に頻繁に寄っていた、春日井の巨大な古本屋である。神田の古書店街を除けば、私が知る限りで最も規模の大きい古本屋であった。もうだいぶ前になくなってしまったことと知っていたが、犬山の店舗で引き継がれていたとは、全く知らなかった。しかも、2005年からだ。13年も前である。私は犬山の隣町、可児市に移り住んでから9年も経つのだが、今の今まで知らなかったとは衝撃である。なぜ今まで気づかなかったのだろうか。本当に悔やまれる。
次こそはじっくりと見て回りたいが、営業時間は正午から夕方の6時までだけのようだ。これでは仕事帰りに寄ることもできない。私の場合、休日も基本的には自由時間が少ないため、何とかして手立てを考えなければならない。