(童話)万華響の日々

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カラヴァッジョ展 国立西洋美術館 を観た 暗闇の中から浮かび上がる皮膚の生々しさ

2016-03-20 19:16:32 | 展覧会

上野 国立西洋美術館で開催中のカラヴァッジョ展、ミケランジェロ・メリーダ・カラヴァッジョ(1571~1610)、38歳で没した彼の残存する作品は60点、そのうちの10点が今回の展示品、カラヴァッジョの継承者たち(カラヴァッジェスキ)の作品も同時展示、カラヴァッジョの劇的な明暗法とリアリズムはその後のルーベンスやレンブラントなど17世紀の画家たちに大きく影響したそうだ、

  展示は風俗画(占い、酒場、音楽)、風俗画(五感)、生物、肖像、光、斬首、聖母と聖人の新たな図像という七分類で構成される約50点、兎に角カラヴァッジョの特徴はリアルな描写と暗い(暗黒の)背景、その中でも初期の作品「女占い師」は明るい背景と明るい表情の人物が分かりやすい、

 

今回のポスターにも使われている「トカゲに噛まれる少年」はその瞬間的な恐怖に引きつった表情が捉えられている、ただトカゲの姿が暗い中に溶け込んでいて全貌は分かりずらかった、変わった題材だと思う、ピエトロ・バオリーニという作者による「カニに指を挟まれる少年」というのもある、こっちの方が分かりよい、カラヴァッジョの代表作「バッカス」も展示されている、

非常にショッキングなのが斬首という分類に属する絵画だ、首を切られた「メドゥーサ」、カラヴァッジョ作ではないが「ダビデとゴリアテ」、「ユディトと侍女」、「ゴリアテの首を持つダビデ」など、このようなまがまがしいものが画題となっていることはこの時代の特徴であろう、

聖人の部類ではマグダラのマリアが多く取り上げられている、カラヴァッジョ「法悦のマグダラのマリア」、グリエール作「改悛のマグダラのマリア」、ジェンテイレスキ作「懺悔のマグダラのマリア」などいずれも圧倒的な印象を受けた、

エッケ・ホモ(この人を見よ)という題名の傑作、役人や法律学者らに取り囲まれ縄に縛られてはいるが穏やかで静かな表情のイエス・キリストの姿が描かれている、カラヴァッジョの内面を表すようだ、
ときまさに受難週である、時宜を得た展覧会といえよう、

  一つ記憶に残った傑作があった、タンツィオ・ダ・ヴァラッロ作「長崎におけるフランシスコ会福者たちの殉教」(ミラノ、ブレラ絵画館蔵)という傑作で長崎で殉教した二六聖人のことだと思う、日本にとって重要な絵画が展示されていたわけだ、その他カラヴァッジョが刀剣の不法所持をしていたという証書なども展示されていて興味を引く

 バッカス

法悦のマグダラのマリア

 

エッケ・ホモ

 


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